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インタビュー

営業こそクリエイティブ

今回は、「営業はクリエイティブ」というテーマで、株式会社Galaxiaの上杉社長にインタビューを実施いたしました。  Galaxiaはデザインを強力なビジネスツールとして捉え、企業ブランディングや経営課題解決をデザインでサポートする事業を行っています。  

ブランディングとは、クライアントの製品やサービスの価値をターゲットに明確に伝えるマーケティング施策のこと。  今回のインタビューでは、上杉さんから営業の中でのクリエイティブ性についてお話を伺いました。  

株式会社Galaxia

上杉社長

  • まず、上杉さん。営業と聞くと、多くの人が商品の売り込みなどをイメージするかもしれませんが、実際のところ営業とはどのような仕事なのでしょうか?

上杉社長:そうですね、営業は確かに商品やサービスを提案するというイメージが大きいと思います。  

そういった点から営業は顧客とのコミュニケーションを中心にした仕事になってきます。  

ここで言うコミュニケーションとは、仲良く話す・楽しく話すというコミュニケーションとは少し違います。顧客がどのような課題やニーズを持っているのかを深く理解し、その「顧客ニーズの探求」に注力します。そのために独自のアプローチや質問を考え出す。これこそが営業において必要とされるコミュニケーションです。  

ニーズや課題を基に、どのようなサービスや商品が適切か、または新しい解決策はないかという「ソリューションの提案」を行います。これは、ただ商品を売るだけでなく、顧客の問題を解決するためのアイデアを常に考える、とてもクリエイティブな部分になってきます。  

  • つまり、営業は顧客の課題を解決するパートナーのような役割と言えるのですね。

上杉社長:まさにその通りですね。私たちはただの商品の売り手ではなく、顧客の成功のためのパートナーとして、常に新しいアイデアや解決策を提供する役割を担っています。

企業が直面する“採用”の課題を解消するための戦略やソリューションを提供

  • 上杉さんはWebマーケティングの営業として、特に採用ブランディングの分野に注力しているとのことですが、この採用ブランディングの分野での営業活動とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?  

上杉社長:採用ブランディングの営業としての私たちの活動は、企業が直面する“採用”の課題を解消するための戦略やソリューションを提供することです。例えば、企業が求める人材を引き寄せるためのWebコンテンツの制作や、ターゲットとなる求職者に向けた情報発信戦略などを提案します。その中で、Galaxiaは企業の魅力や文化、そして求職者のニーズや期待をマッチングさせるためのクリエイティブなアプローチを常に考えています。

クライアントの課題を言語化する

  • 企業それぞれの特有の課題やニーズに応じた提案が求められるわけですね。

上杉社長:採用ブランディングの分野では、ただ商品やサービスの提供だけでなく、企業のブランドや価値観を的確に伝えることが重要です。そのためには求職者に魅力的に感じてもらえるストーリー性のあるコンテンツ制作の提案も重要となってきます。  

その制作には、クライアントへのヒアリング、リサーチが質の高いコンテンツ制作につながってきます。  

『クライアントの課題を言語化する』これこそが営業のクリエイティブな部分と言えます。  

  • 市場の変化や新しいトレンドを迅速にキャッチするためには、どのような情報収集をしているのですか?  

上杉社長:まず、様々な業界のセミナーや交流会に参加し、最新の情報や技術を直接学んでいます。また、専門誌やオンラインの情報サイトを日常的にチェックし、様々な視点からの情報も取り入れています。そして、実際に顧客との面談や商談の中で得られる情報をもとに、自分の営業スタイルや提案内容を常にアップデートしています。 

  • 実際の声を大切にしながら、それを自らの提案に活かしているわけですね。その中で、特に印象に残っているエピソードなどはありますか? 

上杉社長:クライアントの採用課題を解決するためにリクルートサイト制作を提案した際、初めはうまく受け入れられなかった経験があります。 

そもそもそのクライアントの業種に対して学生は『保守的なイメージ』がありました。しかし、実際の仕事内容や社内の雰囲気は、明るく、柔軟な風土が根付いていました。多くの求職者はこのポジティブな側面が見えていなかったんですね。 

クライアントの採用ターゲットも、そういった性格の持ち主を求めていました。  

しかし現状のリクルートサイトでは企業の本質を反映しきれず、ターゲットとのミスマッチが生じるリスクがありました。そこで、この状況と背景を詳しくクライアントに説明し、従来とは一線を画すサイト制作を提案しました。その結果、学生の企業に対する認識が大きく変化し、これまでとは異なる層からの応募が増えたんです。この経験から、背景やストーリーを効果的に伝える「コンテンツ」の力を改めて感じることができました。

クリエイティブな思考や独自戦力で顧客の成功のために「考え抜く」

  • 相手が欲しいものだけをお勧めするだけでなく、本当に必要となるものをお勧めする。そのためには、常に新しいアプローチや工夫が求められるわけですね。 

上杉社長:それが営業の面白さでもありますね。数字の追求だけではなく、クリエイティブな思考や独自の戦略を持ちながら顧客の成功のために「考え抜く」。  

私たち営業の真の役割だと考えています。  

  • そのような経験の中で、上杉さんご自身が一番大切にしていることや心掛けていることは何ですか?  

上杉社長:一番大切にしていることは「相手の立場になって考えること」です。顧客が抱える課題や悩み、そしてクライアントが実際にどのような価値を求めているのかを深く理解することが、適切な提案やソリューションを生み出す基盤となります。また、自己マネジメントも非常に重要で、時間管理やタスクの優先順位をしっかりと設定し、効率的に取り組んでいます。

  • 上杉さん、Galaxiaを起業する前には生命保険業界にいらっしゃったと聞きました。生命保険の営業と、現在のWebマーケティングの営業とで、どのような共通点や違いを感じますか?

上杉社長:そうですね、確かに一見すると大きく異なる業界ですが、本質的には非常に似ています。両方とも、顧客の真のニーズを理解し、それに応じた最適な提案を行うことが求められるんです。例えば、保険営業では、お客様の将来のライフプランや将来への不安を理解し、それに合わせた保険プランを提案します。このプロセスも非常にクリエイティブで、お客様一人ひとりの状況やニーズに合わせたオーダーメイドの提案を行う必要があります。  

  • つまり、どの業界の営業でも、顧客のニーズに寄り添った提案が必要ということですね。

上杉社長:まさにその通りです。Webマーケティングの営業も同様で、クライアントのビジネス課題や目的を理解し、それに適したマーケティング戦略を提案することが求められます。どちらの業界でも、お客様と真剣に向き合い、共に考えることで生まれるクリエイティブなアイディアが営業の醍醐味です。  

  • 上杉さん、多くの人が営業というと単に商品やサービスの紹介・販売を主な仕事と考えがちですが、実際にはその背後には多くのスキルや思考が要求されることがわかりました。具体的には、営業の仕事で重要と考える要素やスキルはどのようなものがありますか? 

上杉社長:具体的に挙げると、以下のような点が考えられます。保険営業での例えで、お話ししていきたいと思います。

1. ストーリーテリング

例えば、保険の営業では、お客様に将来のリスクや安心感をイメージさせるために、実際の事例をもとにストーリーを伝えることがよくあります。これにより、お客様が納得しやすくなります。  

2. 顧客の深層心理の理解

保険に加入する動機は単に「安心したい」だけではなく、家族を守りたい、未来の自分を守りたいなど、様々な心の動きがあります。  

これを深く理解し、寄り添う提案を行うことが求められます。  

3. 独自の提案方法

お客様のニーズや生活背景に合わせて、独自の保険プランを組み立てることもあります。これは、既存のプランだけを提示するのではなく、クリエイティブに組み合わせることで、お客様に合った最適なプランを提案する作業です。  

4. 交渉戦略

時には保険の条件や金額について、お客様との交渉が必要になります。これには、双方が納得する解決策をクリエイティブに考える能力が求められます。  

5. 自己マネジメント

保険の営業も多忙で、効率的に時間を使いつつ、お客様との信頼関係を保つための独自の方法を考えることが必要です。  

これらの要素は、Webマーケティングの営業にも共通しています。どの営業でも同じで、お客様のニーズを最優先に考え、そのためのクリエイティブなアプローチや戦略を考えることが求められます。  

  • 上杉さん、お話を伺っていると、お客様のニーズに寄り添った提案が非常に重要だと感じます。しかし、実際には、営業を歓迎してくれる顧客は少ないのでは、というイメージが一般的にあるかと思います。具体的に、初めての顧客を獲得する際や、新しい提案を行うステージで、顧客にきちんと聞いてもらえる環境を作るまでが大変ではないでしょうか? 

上杉社長:まさにその通りですね。新しい顧客との関係構築や、既存の顧客に新しい提案を行う際は、信頼関係の築き直しが必要です。特に新しい顧客との初回の接触では、顧客側が営業からのアプローチに慎重であることはよくあります。しかし、そうした状況でも、私たちが提供する価値やサービスの真価をしっかりと伝えることで、次第に信頼を勝ち取ることができます。  

営業活動の初期段階では、多くの時間を顧客リサーチに費やすことが多いです。顧客の業界背景やビジネスの課題などをしっかりと理解し、それに基づいてアプローチを計画することが必要です。その上で、最初のアプローチや提案を行い、顧客の反応を見ながら、次のステップを考えていきます。

  • つまり、初めてのアプローチや提案は、事前の準備やリサーチが非常に重要ということですね。

上杉社長:とても重要ですね。初めてのアプローチや提案に成功するためには、しっかりとした事前準備と、その後のフォローアップが必要となります。顧客のニーズや期待を超える価値を提供することで、長期的な信頼関係を築くことができると考えています。  

  • 事前準備をしたあと、具体的にはどのようなアプローチから始めるのでしょうか?例えば、テレアポのような手法はどれくらいの効果があるのでしょうか?

上杉社長:テレアポは営業活動の一部として取り入れています。アプローチ方法によって、大きく結果が変わってくるのも事実です。一般的に、営業リストからランダムにテレアポを行うというスタイルだと、アポ率は1%程度、よくて3%といったところです。この方法は、数をこなすことで成功を追求するアプローチとなります。  

しかし、私たちは違ったアプローチを採用しています。一社一社をしっかりとリサーチし、業界の課題などを把握した上でアプローチします。その上で、お会いして何が話したいのか、どのような課題解決の提案ができるかをお伝えします。この手法でのアポ率は、実際には10%以上と大幅にアップしています。

  • なるほど、数をこなすだけのアプローチではなく、質の高いアプローチを目指すというわけですね。  

上杉社長:まさにそうです。ただ「どんどんかけていく」方法は、確かに準備が少なく楽な部分もありますが、アポの取りづらさや断られることの多さから、営業マンのメンタルにも非常に負担がかかります。一方で、事前のリサーチとしっかりした準備を持ってアプローチすれば、お客様にとっても価値のある提案となり、営業マン自身も自信を持ってアプローチできます。

  • 事前のリサーチや準備をしっかりと行うアプローチは効果的であることが理解できました。しかし、そのようなアプローチをとるには、かなりの時間や労力が必要だと思います。そのようなアプローチを継続していくための工夫やシステムはありますか?

上杉社長:確かに、質の高いアプローチを継続するためには一定の時間や労力が必要です。Galaxiaでは、以下のような工夫やシステムを取り入れています。  

1. 情報共有のシステム化

営業担当同士でリサーチ結果やアプローチの結果を共有するシステムを導入しています。これにより、同じ業界に対するアプローチの際に、前回のアプローチの内容や結果を基にした更なる提案が可能となります。  

2. リサーチの効率化

市場情報や企業の最新ニュースなど、外部の情報を集約・分析するツールを利用して、営業担当のリサーチ作業の効率を上げています。  

3. 継続的なトレーニング

アプローチの質を向上させるためのトレーニングを定期的に実施。新しい情報の収集方法や、顧客の深層心理を理解するスキルなどを継続的に学んでいます。  

4. メンタルケアのサポート

営業の仕事は精神的な負担が大きいことも多いので、定期的なカウンセリングやメンタルケアのサポートも行っています。  

  • それぞれのステップが顧客のニーズにしっかりと応えることを重視していることが伝わってきます。特に情報の共有や継続的なトレーニングは、常に顧客の最新のニーズに合わせた提案ができるようにするための重要な要素となっているのですね。 

上杉社長:はい。私たちの目標は、顧客の真のニーズを理解し、それに最適な提案を行うこと。そのためには、組織全体で情報を共有し、常に最新の知識やスキルを身につけていく必要があると考えています。

  • 上杉さんのご経験から、営業を通して得られる成長やスキルについて教えていただけますか?

上杉社長:もちろん、営業は成長するためのフィールドとして非常に素晴らしい仕事だと思います。  

日常のコミュニケーションで言葉の使い方や聞く力を磨き、顧客ニーズに合わせた問題解決能力を高めることができます。さらに、価格や条件の交渉を通じて折衝能力を養い、目標達成を目指す自己管理、業界のリアルタイムな動向の理解、多様な人間関係の築き方、そして厳しい状況下でのメンタルの強化やポジティブなマインドセットまで身につけることができます。個人の成長やスキルアップが期待できると考えています。  

  • 実に多岐にわたる成長が期待できる職種なのですね。これらの経験やスキルは、仕事以外でも非常に役立ちそうです。 

上杉社長:確かに、営業で培ったスキルや経験は、多くのシチュエーションで役立つと感じています。営業は、自分自身を成長させるための素晴らしいステージと言えます。

  • 営業という仕事は、目標に対するプレッシャーや結果を求められるストレスが伴うこともあると思います。その中で、上杉さんご自身が心がけている考え方やメンタルの保ち方について教えていただけますか?  

上杉社長:確かに、営業という仕事は結果が求められる部分が非常に大きいです。最近、多くの人がタスクやプロセスの進捗を重要視する傾向にあり、それは一つひとつの結果を積み重ねることが成功への道という考え方からきています。もちろん、その考え方も非常に重要だと思います。  

しかし、私の考え方は、あくまで最終的な目標を達成することが最も重要だと考えています。途中での失敗は許容範囲内。大事なのは、その失敗をどのように捉え、次にどのような行動に移すかです。もし失敗した場合でも、どのようなリカバリーが必要かを迅速に考え、実行することで、再び目標達成への道を進めると思っています。  

例えば、テレアポでは、成功するために何度も電話をかけ続けることより、一回一回のアプローチで自分の目標を達成できたか、どの部分が足りなかったのかを常に考え、評価しています。結果よりも、自分の全力を出し切ったかどうかを重視しています。野球で例えるならば、ヒットを打つことよりも、正しいフォームでバットを振れたかどうか。これを意識することで、メンタル的にも圧倒的に楽になると感じています。  

  • つまり、過程においての全力の結果を重視し、その結果を通して最終的な目標を達成するという考え方ですね。

上杉社長:その通りです。結果を追い求めることも大切ですが、その過程での努力や挑戦、そして学びを大切にすることで、結果としての成功も手に入れることができると信じています。  

  • 最後に、就活中の学生の皆さんへメッセージをお願いします。

上杉社長:就活は自分自身を見つめ直す大切な時間です。私が感じている営業の醍醐味や考え方も、一つの参考として受け取ってもらえたら嬉しいです。重要なのは、どの業界や職種を選ぶかではなく、自分が本当に何を追求したいのか、どんな成長を体験したいのかを明確にすることです。その上で、失敗を恐れず、常に全力で挑戦すること。その中で得られる経験や学びは、これからの人生での大きな財産となるはずです。頑張ってください!  

上杉さんからのお話を伺い、改めて営業の仕事の奥深さやその難しさを実感しました。多くの人は、営業というと電話や訪問を繰り返す単調な仕事をイメージするかもしれませんが、真の営業は相手のニーズを深く理解し、それに応える提案をするプロセスにあることを感じました。初めての接触から信頼関係を築くまでの過程、そしてその後の関係性を維持・強化していくための努力、これらは非常に骨の折れる作業ですが、それだけにやりがいも大きいと感じます。これから就職活動をする学生たちには、ただの「商品の紹介」という枠を超えた、真の営業の魅力を感じてもらいたいと思います。上杉さん、貴重なお話をありがとうございました。 

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