今回のリクルートWebマガジンVamosでは、医療業界にスポットライトを当てました!
その中で、戸畑リハビリテーション病院にインタビューを実施。
こちらでは、「人を敬い、人を愛し、人に盡す」という基本理念を掲げ、地域社会の医療、介護、福祉に積極的に貢献しています。
また、高品質なチームアプローチと最新技術の提供を基本方針としており、職員の教育にも力を入れています。私たちは、戸畑リハビリテーション病院の医事課を担当する武井さんから「成果につながる段取り術」をテーマにお話しを伺いました。
就職活動や学業、アルバイトを両立させている学生や、転職活動中の方々にとって、武井さんの仕事術は大いに参考になるはず。是非チェックしてみてください。
戸畑リハビリテーション病院
医事課 武井さん
武井さん:医療事務の仕事は、受付・会計・診療報酬の請求といった業務が中心になっています。患者様が病院を訪れた際の最初の顔として迎え、心地良い対応を心がけなければなりません。また、治療に関する費用の計算や、その費用を保険者へ請求する業務には、細かい注意と迅速な処理が求められ、保険制度の理解も必要になってきます。
その他には、病院内のさまざまな管理業務も担っています。
例えば、個人情報の管理、医療記録の整理、さらには設備の維持管理など、患者様が安心して医療サービスを受けられる環境を整えることも私たちの大切な仕事です。これらの業務を通じて、医師や看護師など他の医療スタッフが患者様へのサービスに専念できるようにサポートをしていくお仕事になっています。
武井さん:基本的な事務知識が理解できれば、経験や年齢に関わらず挑戦できる、非常に安定した職業だと思います。実際に私自身も、3度の産休・育休を経験し、20年以上この職に携わることができました。これは周囲のサポートのおかげです。
初めて医療事務の仕事に就いた時、医師や看護師の間で使われる医学用語や、診察室に並ぶ見慣れない医療機器といったものに囲まれ、最初は確かに大きなプレッシャーを感じました。
しかし、一つひとつの業務を丁寧にこなしていく中で、徐々に自信をつけ、職場全体の流れを理解するようになりました。
この成長過程は、医療機関に限らず、どんな仕事でも共通していることだと思います。
また、医療事務の仕事は、常に新しい知識を身につける必要があります。
医療技術や保険制度は進化し続けるため、継続的な学習は不可欠になってきます。
事務という言葉から作業のように感じますが、実際は新しい制度に合わせて、仕事内容も変わってくるので、業務として飽きることなく仕事ができる点は、他の事務とは違う点かもしれません。
チームワークも重要になってきますね。病院全体をサポートしていくので、業務の幅は広いです。もちろん、一人ですべてを解決していくわけではないので、同僚や他の医療スタッフと協力し合う必要があるわけです。
こういったチームワークを基に、患者様のために最高のサービスを提供することが私たちの使命です。
武井さん:医療事務の仕事は、多岐にわたる業務内容とともに大きなやりがいを感じます。多様な業務に精通し、それらを自分でこなせるようになってきた時に自身の成長を実感できます。私たちの役割は、病院の収益に直接影響を及ぼすだけでなく、患者様との接点も多く、その社会的な責任感を日々感じています。
医療事務の業務を通じて、私は仕事への新たな視点を獲得できました。それは特に“コスト管理”に関する意識です。この意識を持つことで、病院運営に関与できるようになりましたし、医療現場だけでなくビジネス全般に関する深い知識も得ることができたと思います。これらのスキルは、医療業界を超えて活用できるものだと感じています。
患者様との直接的なやり取りから社会的役割を深く実感し、同時にビジネススキルを習得することができるのが、医療事務としての大きなやりがいです。毎日の業務を通じて、自分自身が成長し、社会に貢献していると感じることができます。
武井さん:最初は他のスタッフに仕事を依頼するのに苦労しました。正直、みんながとても忙しい状況の中で“お願い”するのが難しく感じていました。しかし、一人ですべてを抱え込むことが、結果として仕事が進まなくなり、周囲に迷惑をかける原因になることを学びました。実際、そのような状況に陥ることの方が、私にとっては大きな抵抗感があります。
この経験から、私は後輩たちにも「一人で抱え込まないように」というアドバイスを常にしています。『無理をしていないか』は常に気を配っています。このような姿勢は、チーム全体の負担を減らし、みんなが助け合いながら働く健全な職場環境を作り上げることに繋がっていると思います。
仕事をお願いする際の私のアプローチは、まずは各スタッフがどんな仕事に興味を持ち、どのようなスキルを持っているかを理解することから始めます。これにより、一人ひとりの強みに合わせて仕事を割り振ることができるからです。
また、単に仕事を割り振るだけではなく、チームメンバーとのコミュニケーションを重視しています。後輩たちの得意分野、苦手とする領域を把握し、苦手なことに対しては、どのようにサポートすれば良いか、自信を持って取り組めるようにどう導くかを考えながら仕事を依頼しています。
実際、私は仕事を依頼する際には、タスクを伝えるだけでなく、仕事を進めるための複数の方法を提案することがあります。例えば、あるタスクに対して3つの異なるアプローチを用意し、スタッフ自身が最も実現可能だと感じる方法を選んでもらいます。これにより、迷うことなく自分のスタイルに合った方法で仕事を進めることができ、より効率的で満足のいく結果を出すことが可能になるからです。このような工夫を通じて、チームワークを高め、仕事の質を向上させています。
武井さん:チームメンバーに仕事を依頼する際「私がなぜあなたに仕事を依頼したのか」、その理由を明確に伝えるようにしています。例えば「この分野ではあなたの能力が際立っているから」や「この内容はあなたの得意分野だよね」といった具体的なフィードバックを与えるようにしています。これにより、依頼される側が自分の強みを認識し、より積極的にタスクに取り組むことができます。
また、仕事を依頼する際のコツは、相手の時間管理をサポートすることにあります。それぞれのメンバーが抱えるタスクの量や締め切りを把握し、無理なく仕事が進められるよう配慮することが大切です。
さらに、日常生活に関する話題から仕事の話に移行できるような、リラックスした関係性を築くことを重視しています。これにより、お互いにとって快適なコミュニケーションが可能となり、仕事もスムーズに進むようになります。このようなアプローチは、チームワークを強化し、効果的な仕事の進行に大きく貢献していると思います。
武井さん:チームを効果的にマネジメントするには、日々の業務の進捗を把握することが非常に重要だと考えています。私は、一人ひとりのタスクがどの段階にあるかを常に把握し、必要に応じてサポートしています。さらに、1ヶ月単位で各メンバーのスケジュールに合わせてタスクを割り当てています。
もしスケジュール的に厳しいと感じるタスクがあれば、チーム全体で協力しながら時間の調整を行います。この際、声をかけるタイミングは非常に重要です。適切なタイミングで声をかけることで、スタッフが圧迫感を感じることなく、スムーズに対応できるようになるからです。このように、タスクの管理とチームの調整を行うことで、各メンバーが無理なく業務を進められるように心がけています。チームとしての協力体制を築き、効率的かつ健康的な職場環境を維持することを大切にしています。
武井さん:就職活動や転職は、皆さんの未来を形作る非常に重要なステップです。この時期は不安や緊張を感じるものですが、それは誰もが経験する自然な感情です。ここで大切なのは、自分自身を信じて、常に前向きな姿勢を保つことです。
どのような職業であっても、社会に何らかの影響を与えています。
今から自分が選ぶ仕事が社会にどんな影響を与えるのかを考えてみてください。
その影響こそがやりがいとなってきます。そして、やりがいを感じられる仕事であれば、きっと情熱をもって取り組むことができるはずです。
自分の選んだ道を信じ、着実に歩みを進めてください。
そして、与えられた仕事には責任感を持ち、困難に直面しても決してあきらめないことが重要です。このような前向きな姿勢が、仕事において不可欠であり、仕事の質を高める原動力となってきます。しかし、その困難は一人で越える必要はありません。
どの職場においても、一緒に働く仲間と協力関係を築き、チームワークで乗り越えてください。自分の能力を信じ、チームワークを大切にすることで、やりがいのあるキャリアを築けるはずです。皆さんの新しいスタートを心から応援しています。