社会を測る「計器盤アプローチ」って?
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【やさしい経済学】豊かさを測る指標(9) 効率性一辺倒からの脱却:日本経済新聞
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世の中ってどうやって「豊かさ」を測っているんだろう? そう思うことが、ぼくらの暮らしや将来を考えるときに案外大事だったりします。この記事では、「GDPだけじゃものさしが足りないよね」という話や、厚生経済学を再び見直そうという動きが紹介されていました。フランスやOECDといった大きな枠組みで、新しい指標を作る計画が進んでいることもわかります。
それは、ぼくらがふだん「仕事」「お金」「社会貢献」などにまつわる価値観を考え直すきっかけになるかもしれません。特に就活をがんばっている人たちが「何を大切にしたいか」を考えるうえでも面白いヒントが詰まっている内容だと感じました。
記事によると、GDP(国内総生産)だけでなく、多角的な指標を組み合わせて「豊かさ」を総合的に見ようとする試みが進んでいるそうです「豊かさ」を“ひとつの数字”にまとめず、いくつもの指標を並べて可視化する方法――いわゆる「計器盤アプローチ」――が提唱されているそうです。
なぜこんなことをするのか。たとえば「所得が増えたら幸せ?」「教育や健康状態はどう評価する?」といった問いがあるからです。ある政策によって収入は上がったけれど、健康が損なわれたり自然が破壊されたら、それは果たして“社会にとって本当にいいこと”と言えるのだろうか、というわけですね。
「効率一辺倒」に警鐘を鳴らす声
この記事では「厚生経済学の再起動が必要だ」という声も紹介されています。簡単に言えば、経済学があまりにも「効率重視」で評価を急ぎすぎてきたのではないか、という反省です。
効率重視が悪いわけではありません。限りある資源を有効に使う方法を考えるのはとても大事。ただ、そればかりが行き過ぎると、人々の心の豊かさ、健康、地域コミュニティといった“数字では表現しづらいもの”を見落としてしまう。そのことが、今大きくクローズアップされているわけです。
就活は「自分の豊かさ」を測るテスト?
この記事を読んでいると、就職活動と強く関係していると感じました。企業側も、ただ実績やスキルだけを重視するのではなく、「この人がどういう生き方を大切にしているのか」といった面を気にする傾向が強くなっています。逆に学生側にしても、「自分がどんな豊かさを目指しているか」「どういう働き方や社会とのかかわり方を望んでいるか」を考える機会になるかもしれない。
もっとも、就活生だからといって何もかも“効率的”に詰めこんで走り抜ける必要はないですよね。じっくり時間をかけて考えることも、“自分ならではの豊かさ”を見つける近道になるかもしれません。
厚生経済学って、なんだか人間くさい学問
厚生経済学というと一見とっつきにくい響きですが、記事の中では「人間生活改良の道具」と表現されています。ようするに、「どうやったら人間の生活をよりよくできるか」を突き詰める学問。昔からずっと受け継がれてきた精神だそうです。
大きく見れば経済学って、ただお金や効率のためにあるわけじゃなくて、人が幸せに暮らす方法を一緒に考えるものなんだな、とあらためて感じます。
たとえば歩道に咲いているタンポポをどう評価するか。GDPには何も寄与しないけど、タンポポの花を見て心が和らぐ人は多い。花が咲くってことが、数値化できない以上は「豊かさ」として認めないなんて言われたら、なんだかそっけないですよね。
でも、ぼくらが暮らしていくうえで「そういうのが大事なんだよ」とは、いつも心のどこかで思っている。記事にある「計器盤アプローチ」は、なんだかぼくらが持っている“いろんなものを大切にする心”をちゃんと数字にしてあげる、そんな優しい発想なのかなと思います。
就職活動であれ人生のどんな局面であれ、「自分にとっての本当の豊かさはなんだろう」って問いかけられたら、すぐに答えは出なくても、考えてみる価値はあるはずです。ときどき一息ついて、周りに咲いている花や、そこにいる人の笑顔を見つめる。データにしづらいけれど大事なものを発見すると、心がすこし軽くなる気がします。
そんな感覚が、ぼくらの未来を測る新しい指標の一部になっていくんじゃないでしょうか。
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