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 4タイプ戦略で広がる営業のおもしろさ

営業実体験から

こんにちは。Webマガジン「Vamos」の編集長の上杉です。

今日は、「営業マンとして大事なことは何か」についてお話ししたいと思います。

営業の世界というのは、じつに面白い広がりをもっています。一口に「営業する」といっても、「ものすごく頼りになる大先輩タイプ」もいれば、「やさしく寄り添う解決役タイプ」もいます。それこそスタイルは百人百通り。でも、その根っこにあるいちばん大事な要素は、「コミュニケーション」であり、「どんなふうにお客さんと通じ合うか」ですよね。

実はぼくも生命保険の営業をやってきたので、どっぷり営業の世界には浸かっていました。経験上、100人の方がお話を聞いてくれたら、3割くらいを自分のお客さんにできるとすごいって感じです。とくに飛び込み営業など、まったくのゼロから1人ひとりと関係をつくっていく場面では、この“3割”というのは、営業の世界ではけっこう驚異的な数字です。正しい努力をすれば2割くらいはお客さんになってくれるんじゃないかと感じます。

ここで大事なのは、努力が「ちゃんとした方向を向いているかどうか」。そうでないと、いくら量をこなしても空回りしてしまう。逆に、自分と合わない人にむやみに媚びを売っても、長続きしないし、相手も疲れてしまう。そんな経験、ありませんか?

「自分と相性が合う人ってけっこういるんだ」と信じることは、営業の現場で大きな力になります。なぜなら、人ってやっぱり「似ている」人の話を聞きたくなるし、信じやすいものだからです。むかし部下とお礼同行に行ったとき、先方のお客さんがその部下をべた褒めしてくれたお話があります。上司としては「そこまで部下のことを見ていなかったかもしれない」と思うほど、細かいところまで褒めてくれていた。

でも考えてみると、そのお客さんと部下は「ものの感じ方」や「話し方」、あるいは「ちょっとした仕草」なんかまで、どこか似ている。だから話が合うし、その担当者のことを自然と好きになるんですね。これって、言いかえれば「人は似たタイプの人に対して大きな信頼感を寄せる」ってこと。営業という仕事は、いわば「まだ出会っていない自分に似たタイプの人を見つけ出し、そして適切に関係を深める」ことなのかもしれません。

「似ている」を活かす力

「じゃあ、多くの人に気に入られなきゃいけないの?」と思うかもしれません。でも、そこはじつは微妙にちがうんですよね。「全員に」気に入られるのは不可能に近いし、それを目指してしまうと逆に「芯のない人」だと思われかねない。だからこそ、まずは「自分」という芯をしっかり出すことが大事です。

営業の仕事をしていると、相手の性格やニーズ、置かれた状況などを察しながら「合わせにいく」ことは多い。でも、そのときに自分の軸を見失わないことが大事なんです。似ていない人にまで寄せていって、合わせすぎてしまうと、どこか苦しい気分になったり、相手も「なんかこの人、わたしに気を使いすぎてるな」と感じてしまう。そうすると本音のやり取りができなくなります。

逆に、「この営業さんは、こういう考え方をするんだ」「こういう価値観をもっているんだ」という芯が見えると、お客さんからすると「理解しやすいし、信用しやすい」。そして、その芯が「自分の感覚にけっこう近いかも」と思えば思うほど、話を聞いてもらえるし、協力してもらえる確率は高くなるわけです。

4タイプ戦略で心をつかむ

さて、営業マンがコミュニケーションで押さえておくべき大きなポイントのひとつとして、「人は大きく4つのタイプに分かれる」という考え方があります。いろいろな理論がありますが、たとえばわかりやすく言うと、次のような4タイプにざっくり分けられると言われています。

1. 行動派

• 目標や結果を重視し、リーダーシップを発揮したい。スピード感を大切にし、余計な説明よりも結論を求めることが多い。

2. 表現派

• 新しいアイデアや楽しい雰囲気が好きで、好奇心旺盛。ノリがよく、話題の広さで周囲を巻き込む。ただし、飽きっぽいところも。

3. 安定派

• 人間関係を重んじ、みんなとやさしく調和したい。相手を傷つけることを嫌い、衝突を避ける傾向がある。話を聞いてもらえると安心する。

4. 分析派

• データや根拠を重視し、論理的・客観的に判断したい。即断即決は苦手で、情報を集めてからゆっくり考えたい。

もちろん、これはほんとうに大まかな分類ですし、人それぞれが「行動派+分析派」みたいに混ざりあったりもします。しかし、この4つのざっくりとしたタイプを頭に置いておくだけで、「あ、いま話しているこのお客さんは分析派かもしれない。根拠と具体的な資料をしっかり見せたら安心してもらえるかな」とか、「この人は表現派だから、もっとワクワクするような話題を多めにしてみよう」というふうに、コミュニケーションのとり方を調整できますよね。

そして、あなたご自身のタイプがどれに近いのか、あるいは複合的なのかを理解することは、「自分の芯」をしっかりとアピールするために役立ちます。たとえば、あなた自身が行動派の要素が強いなら、スピード感とゴールイメージを重視して提案する。それをはっきり打ち出すことで、「ああ、この人は勢いがあるし頼もしいな」「ちゃんと目標に導いてくれそうだな」と思わせられるわけです。

あなたを応援したくなるために

さて、ここまで話してきたように、「似ている」というのはとても強い共感の種になります。ただ、それを営業の場面で本気で使いこなすとなると、相手への細やかな配慮や観察力、自分の軸を明確にする努力、さらにチームワークへの意識など、なかなか大変なことも多い。でも、そんな大変さを「面白い!」と言いながらこなしていく、ポジティブさは大切です。

私はそれこそが、営業マンとしての求められる一番の資質だと思います。

「自分という軸をしっかりもちながら、相手がどんなタイプかを察して、その人の話を聞く」っていうのは、言葉にするのはかんたんだけど、実際やろうとすると大変です。だけど、その「大変だけど面白い!」という感覚を大事にできる余裕とパワーが必要なんです。そこが、「正しい努力をしていれば2割、場合によっては3割を自分のお客さんにできる」って話につながるわけです。

「営業マンとして大事なことはコミュニケーション」。これをしっかり言葉にできるだけでも、半分勝ちだと思います。なぜなら、コミュニケーションとは「共に生きる」ことだから。お客さんと一緒に生きて、一緒に笑って、一緒に困って、一緒に成功を味わう。それを大事にできる人と仕事をしたい、って思うお客さんは、きっとたくさんいるはず。

今回の記事が、あなたの進む道を少しでも明るく照らすものになればうれしいです。

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