マーケティング視点で考える、新しい可能性
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スターバックスが日本国内の一部店舗で、立地によってコーヒーの価格を変えるそうです。“東京23区”“空港内”“高速道路のサービスエリア”など、人が集まりやすい場所や家賃・人件費がかさみそうな場所で、4~6%ほど値上げされるんだとか。
といっても、一杯あたり数十円程度。コーヒーが急にとんでもない値段になるわけじゃない。むしろ、「空港の中なら、ちょっと高くてもしょうがないよね」と思わせる力があるのがスタバというブランドなのだと、あらためて感じます。
昔からスタバは「ただのコーヒー屋さん」で終わらずに、「空間を提供する」にこだわってきた。その結果、行くたびに少しだけ豊かな気持ちになる。あの空間とカップのロゴを目にすると、「まあ、ちょっと高くてもいいか」と、財布のひもをゆるめてもらえるだけの魅力を積み重ねてきたんだと思います。
今回の立地別価格は、まさにそうした「ブランド体験と価格」の関係がマーケティングとして進化している証拠だと思います。家賃や人件費などのコスト事情はもちろん大きい中で、地域や客層を考え、そのうえで「適切な価格は何円なんだろう?」と見直していく。場所と価格を連動させることは、「お客さんがその一杯に求める価値」を再確認させてくれる機会にもなってくると思います。
たとえば、ぼくは空港やサービスエリアでスタバを見つけると、なぜかホッとしますよね。見慣れたロゴに安心して、「とりあえず」と思える。そこにこそ価値があるなら、数十円の値上げは納得できる人が多いかなと思います。消費者目線から見ると、支払う金額以上に「安心」できる気持ちが得られるなら、損した感はそれほどないはずです。
つまり、スタバが「場所にあわせて値段を変える」という動きは、企業が自社のブランドとお客さんのニーズを突き詰めた結果の一つのかたち。これが上手くはまると、企業ブランディングの必要性が今以上に生まれるかもしれません。
立地別価格の、その先にあるもの
値段を微妙に上げ下げしてみると、サービスの輪郭がはっきりすることがあります。値段が高いからこそ生まれる「ここでだけは特別に飲みたい」という感情。逆に、値段が抑えられているからこそ「普段の習慣として利用しやすい」というスタイル。価格を動かすことは、お客さんがスタバを使う理由をあぶり出すことでもあります。
たとえば、「じゃあ空港で一休みしたいときは、スタバに立ち寄ろう」とか、「地元のスタバはまだ値上げしてないから、気軽に通えるな」とか。お客さんそれぞれが、自分の生活にどうスタバを組み込むかを、値段がちょっと変わるだけで考え直すんです。この“考え直す”という行為こそが、マーケティングにおいてはとても大事。企業とお客さんの関係を、また一から整理してくれるきっかけにもなってきます。
だから、立地別価格の導入って、一見「単なる値上げ」のようでいて、実は「マーケティングテスト」にも見える。ほんの数十円の違いなんだけど、そこをあえて作ってみることで、「スタバに対する気持ち」「そこで過ごす時間の意味」をお客さんから知れるかも。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけれど、この試みは「ブランドをアップデートしていく」マーケティングの一つの事例として、今後いろんな企業が注目するんじゃないでしょうか。価格をどう変えるかはもちろん、その変え方をお客さんにどう伝えて、どんな納得感を生み出すか。そういう視点で見てみると、スタバの動きはなかなか挑戦的で、そして“スタバらしい”と感じるわけです。
価格を変える。場所も変わる。でもスタバがずっと大切にしてきた「ここでしか味わえない体験を届けるんだ」という姿勢は、たぶん変わらない。むしろ、その姿勢をもっと鮮やかに見せようとしているのが、今回の動きなんじゃないかと思います。
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