
アバター接客が映しだす未来のかたち
AIだけじゃないアバターが活躍する時代に
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「AIよりアバターのほうが、接客には向いているんじゃないか」という興味深い記事がありました。大阪大学の石黒浩栄誉教授が取り組む、コンビニなどの対話サービスをアバターで行う試みが大きく動き出しているという内容です。最先端のロボット研究で知られる石黒さんが、“アバター”という手段に注目したのはなぜなのか――そこには、高齢化や労働力の減少という社会的背景はもちろん、もっと大きな「人と人とのつながり」の話があるように感じます。
この記事によると、第3次産業のおよそ2割が「対話サービス」にあたるとのことで、ここがアバターで一気に変わる可能性があるというのです。銀行窓口、コンビニレジ、薬局……人と直接やりとりが必要な場所はまだまだたくさん。そこに「アバターを置き換える」というよりは、「人とアバターがいっしょに新しい働き方をつくる」イメージなのかもしれません。
アバターってなんだろう? 〜専門用語をやさしく解説〜
ここでいうアバターは、ネットゲームのアイコンのようなものではなく、「遠隔操作できる分身ロボット」のこと。自宅や離れた場所にいる操縦者が、店頭にある機器(画面や人型のデバイスなど)を通じて、お客様と対面でやりとりする仕組みです。
アバター接客
人間が裏で操作しながら、映像や音声で実際のお客さんと話すサービス。AIが完全に会話を自動化するのとは違い、生身の感情や判断が入るのがポイント。
対話サービス
何かを販売するだけでなく、相談や案内、受付など「人と言葉を交わす」ことが要となる業務を指します。
「全部AIがやってくれればいい」という考え方もあるかもしれません。でも石黒さんは、人間同士のつながりこそが生きがいを生み、社会に活力を与えると強調しています。そこが、ロボット研究者らしい、ちょっと意外でとても人間味のある視点だなと思うのです。

人口減少社会が生む新しい働き方
そもそも、なぜアバター接客が注目されているかといえば、日本の労働人口がどんどん減る。高齢化社会に突入し、店頭で働く人が足りない。ならば「通勤せずに働ける仕組み」をつくって、遠方の人や障がいがある方が自由な時間に接客できるようにしよう、というわけです。
たとえば、地球の裏側に住む人が日本の深夜帯にアバターでコンビニ勤務するような未来像も描かれています。これなら「夜勤がつらい」「通勤が困難」といった課題が解消され、働きたい人が世界中から参加できる。労働力不足に悩む国にとっては、一種の救世主になるかもしれません。
アバターが残す「人とつながる時間」
記事を読んでいて一番印象的だったのは、石黒さんの「人は人と関わることで進化する」という考え方です。AIだけに全部任せてしまうのではなく、あくまでアバターが“人の力を増幅するテクノロジー”として機能してほしい。その先にあるのは、やっぱり「人とつながる」ことの大切さなんだろうなと思います。
コンビニに限らず、携帯電話ショップでも、観光案内でも、病院の遠隔診療でも、アバターがサポートに入ることで、あたらしいコミュニケーションが生まれる。そこには単に機械の効率だけじゃなく、「ほっとする」「安心できる」という人間味もにじみ出てくるはずです。
変わりゆく時代、変わらないもの
高度なAIやロボットが発展すると、「人はもうしゃべらなくていい」と誤解されがちです。でも実は逆で、人間がより主体的に「自分を活かせる場所」を選べるようになる。アバター接客は、その一例にすぎません。
これから先、小売業はものを売る場というだけでなく、人と人がつながるコミュニケーションの場として機能するようになるでしょう。むしろそこでこそ人と人とのドラマが生まれると、石黒さんは感じているようです。
ぼくらは何を望むのか
ぼくらが求めているのは、おそらく「効率化」だけじゃないはずです。だれかと交わすちょっとした会話、お互いを認め合う気持ち、あるいは気軽に「おはよう」と言い合う社会――そんな人間らしい瞬間が、アバターを通じてもっと広がるかもしれません。
人口減少、労働力不足といった問題は深刻ですが、テクノロジーと組み合わさることでむしろ人間同士の関係を豊かにできる可能性がある。アバターと協力しながら、ぼくらはさらに「人とどう関わりたいか」を考えるチャンスを得たのだと思います。
いま、目の前にあるのは、不足を満たす技術というだけでなく、「人間ってなんだろう?」と問い続ける研究者のまなざしです。きっとこの問いに向き合うことこそが、アバター時代を生き抜くための第一歩になるんじゃないでしょうか。
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