
ホテル宿泊権をNFTにする時代
NFTを活用したホテル宿泊権の新サービス
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東京都内の高級ホテルに通常料金の最大半額ほどで宿泊できる、新しい試みが始まろうとしているそうです。空室となる分の宿泊権を「NFT」として販売し、購入者はそれを転売することもできる。しかも、キャンセルはできない――という仕組み。
「福袋」のようなスタイルでホテルが選べず、販売サイトで購入するタイミングによってどのホテルに泊まれるかはお楽しみ。なにより面白いのは「安く泊まれる」「転売できる」「キャンセル不可」という三点セットです。それだけ聞くと、「お得なようでいてリスキー?」と感じるかもしれません。でも、ここにはホテルの客室稼働率の問題や、ブロックチェーン技術の応用など、現代ならではの背景が見えてきます。
そもそも「NFT」ってなに?専門用語をやさしく解説
NFT(非代替性トークン)
「NFT」とは“Non-Fungible Token”の略で、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれます。ざっくり言えば、「世界に一つだけのデジタル証明書」のようなもの。インターネット上での取引や所有権を証明する仕組みがあるため、「このホテル宿泊権は自分だけのもの」という証明をデジタル上で確立できるわけです。
ブロックチェーン
NFTは「ブロックチェーン」という技術の上に成り立っています。ブロックチェーンは、取引データをチェーンのようにつなぎ合せて記録するシステム。改ざんが難しい特徴があるので、誰が何を持っているかが明確で、信用性が高いとされているのです。これをホテル宿泊権に応用したのが今回のサービス。今後はいろいろなビジネスで、この仕組みが増えていくのかもしれません。
ホテルの空室問題と価格設定のからくり
ホテルが持つ空室は、客室稼働率を下げる一因となり、売上に影響を及ぼします。通常は「キャンセルが出るかもしれない」「閑散期と繁忙期の差が激しい」などのリスクを見越し、ホテル側はその分を宿泊料に上乗せしています。結果、一定数の空室が出ることを前提とした料金体系になる。
ところが、今回のNFT化の仕組みによって「キャンセル不可」というルールがある代わりに、安い宿泊権を確保できる。それだけではなく、急に行けなくなったときには、その権利を他の人へ転売してしまえばいい。ホテル側も「キャンセルされて空室になるリスク」が減るので、通常よりも割安でも収益が安定する、というわけです。

転売OKなのにキャンセル不可?新しい価値観
一見すると「転売できるのにキャンセル不可」というのは矛盾しているように思えます。でも、NFTだからこそ「取引の形」でなら所有権を移せるのです。通常の宿泊予約だと、「行けなくなったので、キャンセルしてください」と言うだけ。でも今回のサービスでは「行かなくなった? じゃあ、別の人に宿泊権を渡せばいい」という発想にシフト。これはデジタル技術ならではのアイデアといえます。
大きな視点で考えると、私たちは「所有」や「取引」の概念がデジタルによって再定義されていく時代にいます。昔であれば「物やサービス」は目に見えるかたちで買い、使い、棄てるものだった。それが今や、デジタル証明書を伴った“モノのような体験”にお金を払うようになってきました。
今回のNFT宿泊権は、まさに「デジタルなモノの所有を現実のホテル体験につなげる」サービス。おそらくこの先、航空券やイベントチケット、さらにはアパレルやアート作品まで、NFTでやり取りする場面がもっと増えるかもしれません。あるいは、不動産契約や車のシェアなど、大きな買い物にも波及していく予感がします。
ぼくらはどう受け止める?
「キャンセル不可だからこそ安く泊まれる」と聞くと、最初は少し戸惑うかもしれません。けれど、「必要なくなったら転売すればいい」という発想は、多様な働き方やライフスタイルが広がっている今の時代に合っているとも言えます。
もちろんメリットだけではなく、NFTの技術や転売マーケットの状況次第では、値段が高騰する可能性や、逆にまったく売れないリスクもある。お金の損得勘定だけを見れば、やや冒険的に映ることもあるでしょう。とはいえ、ホテル側は常に空室のリスクを抱え、利用者側もキャンセルリスクを負う。そんな構図に対して「転売」という選択肢が生まれたのは、新しい時代の答えの一つかもしれません。
ぼくは、この仕組みに「夢のある話だな」と感じます。行くかどうか迷っている人が、もっと自由に宿泊体験をシェアできるようになる。技術が進むほど、そういう「旅の仕方」や「ものの所有のかたち」が増えていくのだと思うと、ちょっとワクワクするのです。
どんなに便利な技術が生まれても、やっぱり泊まるホテルそのものの居心地や体験が大切なのは変わりません。でも、その体験の入り口である“予約”や“取引”に革新が生まれようとしている。それが、いま私たちが生きている時代のおもしろいところ。さあ、あなたはこのNFT宿泊権をどう使いこなす? 旅の計画そのものを、ちょっと自由にしてくれる仕組みかもしれません。
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