
楽天Gの「反転攻勢」がつくる新しい空気
「5年ぶりの営業黒字」というニュースの意味
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「楽天グループ(以下、楽天G)が5年ぶりに営業黒字を達成した」という記事が掲載されました。楽天Gはここ数年、携帯電話事業に参入してきたものの、大きな赤字を抱えて苦しんでいました。ところが今回、5年ぶりに黒字を出したばかりか、携帯参入後としては初めての営業黒字になったというのだから、まさに“反転攻勢”です。
数字でいえば、2024年12月期の連結営業損益は前期の2128億円の赤字から一転、529億円の黒字。売上収益は前期比で10%増の2兆2792億円に達したそうです。まだ最終損益は赤字とはいえ、楽天Gの「なんとかなる」という強い姿勢を感じさせる結果ではないでしょうか。
専門用語をやさしく解説:ARPUとEBITDAって?
ここで出てくる「ARPU(1契約あたりの月間平均収入)」や「EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)」といった言葉は、ちょっと経済や経営に詳しくないとピンと来ないかもしれません。
ARPU
携帯電話会社などがよく使う指標で、「ユーザー一人(または一契約)あたりが、1ヶ月に平均していくら支払っているか」を示します。契約数が増えてもARPUが下がってしまうと売り上げの伸びが限定的になるため、企業にとっては非常に重要な数字です。
EBITDA
税金や利息、設備投資に関わる減価償却費などを差し引く前の利益を表したもの。携帯事業のように大きな設備投資を要する分野では、この数字が黒字になれば「実質的な事業の採算が取れている」と判断しやすいわけです。
この2つの指標が伸びるかどうかで、会社の成長と安定性がうかがえます。今回の楽天Gは、携帯電話事業でARPUが少しずつ上昇してきたことやEBITDAベースで単月黒字を達成したことが大きなトピック。そこには地道な営業活動が裏打ちされているのです。

楽天Gから読み解く今の時代背景
じゃあ、なぜ楽天Gはこのタイミングで浮上してきたのでしょう。
大前提として、「楽天ポイント」という独自の経済圏が確立していることが強みです。楽天市場で買い物をしたり、楽天カードを使ったりするとポイントが貯まる。すると、そのポイントを携帯電話料金に充当できたり、また別の楽天サービスで使えたりする。この“循環”があるからこそ、楽天の携帯事業への乗り換えを考える人が増えているわけです。
一方、大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が長らく築いてきた壁は高い。契約数は3000万件を超えるのが当たり前で、楽天はまだその1/4程度。
しかし、ネットやスマホが当たり前の時代になって久しい今、固定観念が崩れるケースも増えています。「なんとなく昔から使っている」より、「自分に合ったサービスを柔軟に選ぶ」のが当たり前の空気になってきた。そこに楽天のスピード感がはまったというのが、時代背景のひとつだと思います。
次の一手は「つながり」と「信頼」
ただ、この記事にもあるように、今回の営業黒字は出資先の米企業に関わる再評価益約1000億円がなければ達成が難しかったとも言われています。つまり、楽天Gの携帯電話事業の採算そのものはまだまだ安泰とはいえないわけです。
では、これから楽天Gはどんな道を歩むのでしょう? キーワードは「つながり」と「信頼」だと感じます。法人顧客や若い世代が増えているという事実は、「このサービス、面白そうだし、使ってみたい」という素直な好奇心から動いているのではないでしょうか。楽天カードのポイントやネット通販との連携はもちろん、便利と感じる仕掛けをどんどん増やしていけば、ユーザーは自然と集まってくるはずです。
携帯電話事業の契約数が1000万件を超えれば、大手3社と正面から肩を並べる大きなマイルストーンになるでしょう。楽天Gはいつも「走りながら考える」ような姿勢を大事にしているように見えます。その強みと、ユーザーが本当に求める便利さをどうマッチさせるか。今回の黒字化をきっかけに、どんな「次の手」を打ってくるのかが、とても気になります。
楽天Gが示した「行けるぞ」というムードは、全体の市場にとっても良い刺激になりそうです。自分の契約先やサービスの在り方を見直すきっかけにもなるかもしれません。数字からだけでは測れない「新しい空気」をどう感じ取るか。その視点が、これからの時代をつくっていくんじゃないかな、と思います。
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