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食品輸入10兆円時代――日本の食卓のこれから

異常気象と円安が変える「いつもの食卓」

本記事では、著作権の関係上、具体的な内容の詳細な引用は避けつつ、リンク先の記事を参考にして執筆しています。記事の全文をご覧になりたい方は、以下のリンクから原文をご確認ください。

食品輸入10兆円時代 昨年まで3年連続:日本経済新聞

※リンク先は日本経済新聞の記事です。閲覧にはログインが必要な場合があります。

日経新聞に掲載された記事によると、日本の食品輸入額が3年連続で10兆円を超えているそうです。私たちの日常に並ぶお肉や野菜、そしてコーヒー豆まで、実は海外からやってきているものばかり。しかもその輸入額は輸出額の9倍にもなるというから、ちょっと驚かずにはいられません。

なぜこんなに輸入コストがかさんでしまっているのか。その背景には、世界的な食料争奪戦と異常気象、さらに円安という3つの要因が重なりあっていると言われています。このニュースは私たちが日々の生活で「食べる」という行為を見つめ直す、大きなきっかけになるかもしれません。

たとえば、スーパーに並ぶ牛肉。牛の飼育頭数が環境配慮の観点で抑えられ、えさ代の高止まりも相まって「簡単には増やせない存在」になっています。そこに世界の大国たちが買い付け合戦を繰り広げるものだから、ますます値段は上がり続ける。日本に入ってくる牛肉も当然コストが増え、気づけば輸入総額が大きく膨れ上がっています。

また、異常気象の影響を受けやすい果物や野菜も、産地の多様化が進んでいるそうです。フィリピン産バナナが干ばつで打撃を受けると、ラオスやエクアドルといった新しい国々からの輸入が増える。結局、日本の仕入れコストはますます上がり、店頭に並ぶバナナやパイナップルの値札もじわじわと高くなる。輸入品だけでなく、日本国内の天候不順によってハクサイやタマネギなど国産野菜の不足分を補うため、海外品を急いで手当てする――こうして「いつも見かけたあの野菜」が高級品に見えてくる瞬間が増えています。

専門用語をわかりやすく解説:メタンガス・アラビカ種

ここで、記事中に登場する専門用語をいくつかかみくだいてみましょう。

メタンガス

牛のゲップに含まれる温室効果ガスの一種です。二酸化炭素よりも地球温暖化への影響が大きいとされ、畜産業が環境問題と結びついて語られる大きな要因となっています。

アラビカ種

コーヒーの代表的な品種のひとつ。風味や香りが豊かで、高品質なコーヒー豆として人気があります。記事では、このアラビカ種が干ばつなどの異常気象で不作に陥り、価格が高騰していることが触れられていました。

どちらも日頃の生活ではあまり気にしない言葉ですが、それぞれ食卓の裏側で起きている大きな変化とつながっているのです。

「飢えるか、植えるか」時代の背景

日本は先進国のなかでも群を抜いて食料自給率が低い国だということは、以前からしばしば話題になってきました。とはいえ、輸入が止まらないかぎりは「何とかなるだろう」と考えてしまいがちです。でも記事によると、世界的な食料争奪戦がすでに起きていて、日本商社や小売業者が「買い負ける」ケースも出てきている。つまり、輸入に頼りきりでは、いつか本当に必要な食料を確保できないリスクが高まるというわけです。

さらに、国内の農業従事者の減少は進む一方。若い人が農業に魅力を感じる仕組みがうまく作れていない。地域でいざというときに食料を作れる体制を整えておかないと、この記事が伝えるような「飢えるか、植えるか」の選択を突きつけられる日が、案外近い未来にやってきそうです。

食べることを、自分ごとにする

ここであらためて考えたいのは、「食べる」という行為がどれほど大切かということです。毎日の買い物でちょっと目を凝らしてみると、いつものお肉や野菜の値段が上がったり、並んでいる産地が増えたりしているのに気づきます。こういう変化を「なんとなく高くなっているなぁ」で済ませずに、どうしてこうなっているのかを調べてみる。すると、私たちが普段あまり知らない国の事情や、地球環境の問題、そして円安などの経済の動きを垣間見ることができるかもしれません。

日本の食料自給率を上げるには、農家の方々の負担を減らすだけでなく、地域や個人が積極的に野菜や果物を育てる「ちょっとした農業体験」もヒントになりそうです。たとえば家庭菜園や市民農園に参加することで、自分の食べ物がどうやって育つのかを身をもって知る。すると、「輸入に頼りきりでいいんだろうか」という感覚が、よりリアルになってくるはずです。

いま私たちは、世界の大きなうねりの中で改めて「食べること」を問われています。おいしさと同時に、その背景を想像してみる。日本の農業や世界の異常気象、円安、そして私たちの日常が一本の糸につながっていることを、このニュースは教えてくれているように思います。

「飢えるか、植えるか」。この問いがいま、私たちの目の前にあるのです。

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