
AI半導体 アメリカの狙いと世界地図の変化
AI半導体 シェア拡大の背景とは?
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ぼんやりとニュースを眺めていると、「AI」だとか「先端半導体」だとか、むずかしそうな言葉が並んでいます。でも、どうもアメリカが本気になっているらしい。「2030年にはアメリカの先端半導体の世界生産シェアが2割を超える」という見通しが、ひっそりとだけど大きなインパクトをもって報じられているわけです。すでに台湾や韓国の大手企業が米国内への進出を進めていて、AI向けの半導体を設計から生産まで国内で完結させる体制ができあがりそうだというのです。コロナ禍で半導体が足りなくなったころから、「経済安全保障」という言葉が頻繁に登場するようになりました。輸入に頼りきりだったアメリカが、自分の国の中で生産しようという動きを一気に加速させているんですね。
ロジックとメモリー、何がちがうの?
半導体といってもいくつかの種類があります。ざっくり言うと、コンピューターでいう「頭脳」の役割をするのがロジック半導体。計算したり判断したりと、AIの頭の回転を支える部分ですね。一方、データを記憶するほうがメモリー半導体。スマホの写真をたくさん保存できるのも、このメモリーのおかげです。AI半導体には高性能なメモリーも欠かせない。ロジックが情報を処理し、メモリーが必要なデータを記憶する。その組み合わせが、いま大注目の「AI半導体」のキモなんです。
国際分業から国内回帰へ――新しい地政学リスク
もともと半導体産業は、自由貿易の恩恵を受けるかたちで国際的な分業体制を築いていました。設計はアメリカ、製造は台湾や韓国、組み立てやパッケージングはまた別の国で……といった具合です。でも、米中対立やウクライナ情勢の影響もあって、「戦略物資としての半導体を自国の手で確保したい」という動きが強まっています。そうなると企業や政府がどんどん巨額の投資をして、国内に工場をつくる方向へとかじを切る。台湾のTSMCや韓国のSKハイニックスなどがアメリカ国内に工場を建てることで、AI半導体の製造から最終パッケージングまで、ひとつの国で完結する形が見えてきているわけです。

いま感じる時代の気配
大げさに言えば、半導体の話は世界地図を描きかえるほどの動きです。以前は安く効率的に作るのが最優先でしたが、いまは「どこで作るか」がもっと大事になってきました。国境をまたいだ協力体制から、政治的・経済的なパワーを背景に「自国で生産する」ことを競いはじめている。これってじつは、そろそろ世界中が新しいルールを探り合っている証拠なのかもしれません。
AI半導体が描く未来をどう読む?
AIがこれからどんな風に私たちの生活を変えるかは、まだまだ未知数です。でも、半導体という「頭脳」の獲得競争が激しくなるのは間違いありません。日本もラピダスのような新しいプレーヤーが出てきて、国をあげて支援する動きが加速しそうです。国境を超える分業と、新たな国内回帰のせめぎ合い。その中で、AI時代の未来図が静かに、でも確実に組み立てられつつある。そう考えると、私たち一人ひとりも「次の大きな波」がどんな形をしているのか、ちょっと気にしてみたほうがいいんじゃないかな。どうやら、未来はまだまだ動き出したばかりです。
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