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リーダーシップ 段取りと計画性 | 福岡県で就活・転職に役立つ情報満載Vamos (バモス)
リーダーシップ 段取りと計画性

リーダーシップ 段取りと計画性

「将来、会社を担っていく」 

これは光栄なことであり、他方で大きなプレッシャーを感じることだと思います。 

Webマガジン「Vamos」では、この継承のプロセスに焦点を当て、どのようにして若手ビジネスリーダーがこの重要な課題に向き合っているのかを探求します。 

継ぐ者としての責任感、期待される結果へのプレッシャー、そして日々の挑戦。 

次世代を担っていくという選択が自己成長のプロセスにどのように影響を与えるのか。 

新社会人としての成長と企業継承者としての成長は異なるかもしれませんが、根底には共通の目標があるはずです。 

今回は、株式会社シーテック田中の中島さんにインタビュー。 

中島さんは短大を卒業後、父親が二代目社長として経営する同社に入社し、ビジネスの世界で自己を鍛えつつ、将来のキャリアへ向けて懸命に走り続けています。今回のインタビューでは、中島さんがどのようにして自身の道を切り開き、チャレンジに立ち向かっているのかを詳しく紹介します。 

株式会社シーテック田中

中島さん

  • 将来的に次の時代を背負っていくという明確なキャリアパスを持っての入社は、一般の新社会人とは異なる経験だったと思います。入社当時、どのような心境でしたか? 

中島さん:入社時は大きな不安を抱えていました。まず、会社の年齢層が高めであるため、私がどのようにチームに溶け込み、効果的にコミュニケーションを取れるかが心配でした。高校と短大で専門分野を学んではいましたが、実際のビジネスにおける技術面では、まだ初心者レベル。特に、社長の親族であるという立場から周りからのプレッシャーを勝手に感じていましたね。それに伴う焦りは大きかったです。 

他の人よりも一層努力する必要があると必要以上に追い込んでいたように感じます。 

確かにキャリアパスは見えていたかもしれませんが、その道にふさわしい成果を出すためのプレッシャーは非常に強く、安心感を得ることは難しかったですね。継ぐ者としての自覚と、一人の新入社員としての成長への意欲が交錯する複雑な心境でした。

  • そういった重圧の中でも、自身の役割と成長に対する強い意識を持って入社されたのですね。プレッシャーや不安と向き合いながら、実際に社会人としてのキャリアをスタートさせた中で、どのようにして克服してきたのですか? 

中島さん:入社から5年目に、事業所の所長を務める機会を得ました。その時、5~6人のチームメンバーと共に仕事を進めていくことになり、単に業務をこなすだけではなく、組織全体としての目標達成にも重点を置いていました。初めは、全ての責任を自分が負うべきだと強く感じ、大きなプレッシャーでしたね。

でも実際には、一人だけでは限界があることを痛感したんです。幸いにも、私が所長を務めた当時のメンバーは非常に協力的で、お互いに理解し合える関係でした。単に一生懸命働くのではなく、チーム全体で力を合わせることの重要性を学べたと思います。この「共に取り組む」姿勢が、『結果を出さなければいけない』という重圧ではなく「できる!」という感覚へと変わっていきました。不安やプレッシャーを乗り越えることができた瞬間だったと思います。 

不安やプレッシャーは確かに重要ですが、それらは結果が出たときに解消されると学びました。解決への道は、一人で取り組むよりも、周囲と協力し合って取り組むことが近道だと気付いたんです。仲間に頼ること、そして頼られる人間になることの重要性を認識し、それによって不安やプレッシャーとの向き合い方を学べたと思います。 

  • チームとの協力を通じて不安やプレッシャーを乗り越えた過程は、多くの読者にとって大きな学びになりそうです。中島さんの言葉から、チームワークの重要性と、チームメンバーとの信頼関係がいかに重要なのかが伝わってきます。このような経験を通じて、中島さん自身のリーダーシップスタイルにも影響があったと思いますが、リーダーシップをとる上で努力されたことなどはありますか?

中島さん:所長としての立場では、リーダーシップが強く求められました。年齢的な面でチームを率いることに特有の難しさもありました。チーム内には私より経験豊富な先輩もいましたが、作業効率を向上させるためには、先輩方にも改善策を提案する必要があります。経験が少ない私が先輩方に納得いただくためには、具体的なデータや事例をもとにした説得力が必要でした。 

他のグループリーダーからアドバイスを頂くこともあれば、インターネットで最新の業務効率化の方法を調べ、具体的な改善策を提案することもありました。リーダーシップは単にカリスマで人を引っ張るだけではなく「段取り」と「計画性」が重要だと学びました。相手に伝わるように、メッセージを準備し、実行案や計画を含めて提案することで、チームメンバーに「これならできる」と思ってもらうことが大切です。 

加えて、チームを結束させるためには、一人ひとりとの対話に重点を置きました。各メンバーのコミュニケーションスタイルに合わせてアプローチし、提案する理由を細かく説明することで、チーム全員が共通の目標に向かうよう努力しました。これにより、チームとしての一体感を醸成し、組織としての目標達成に貢献できたと感じています。 

  • 中島さんが所長として展開したリーダーシップにおける「段取り」と「計画性」の重要性について、さらに具体的な話を伺いたいと思います。日々の業務における「計画性」をどのように実践されていたのでしょうか? 

中島さん:成果を出すためには計画性は非常に重要だと思います。リーダーであれ新入社員であれ、計画性は常に重要なスキルです。この能力を磨くことで、チームと一緒に目標達成に向けて効果的に進むことが可能になります。計画を立てる際には、まず頭の中で整理することが重要です。図表を用いて、目標に向けた具体的なステップを明確にすると、行動に移しやすくなります。 

優先順位の設定も、計画性の中で重要ですね。タスクを時間がかかるものとかからないものに分類し、効率的にタスクを取り組んでいくことが重要になってきます。 

例えば、すぐにできる小さなタスクから始めることで、行動力を身につけることができます。 

また、「今やるべきこと」を明確にすることも大切です。何を先に行うべきかわからない状況では、重要ではないタスクに時間を費やしてしまうことがあります。まずは、手早く完了できるタスクから取り組み、「次にやるべきこと」や「じっくり取り組むべきこと」などと分類して計画的に判断することで、優先順位の感覚を養うことができます。このように計画性を高めることで、効率的かつ効果的に目標に向かって進むことが可能になると考えています。 

  • 優先順位の判断を行うことは重要ですね。リーダーとして日々の管理業務も重要になってくると思いますが、特に工夫された点はありますか? 

中島さん:「業務量」の管理も重要なポイントですね。チームメンバーの一人ひとりの能力や対応できる業務量を正確に理解し、それに基づいて業務を均等に割り振るよう努めました。このアプローチにより、誰か一人に負担が集中するのを防ぎ、バランスの取れた労働環境を実現することができました。 

業務量の管理では、できる人に多くの業務を割り振るのではなく、熟練度が低いメンバーには、適切な育成とサポートを提供していきながら、彼らがより多くの業務をこなせるように育てることが重要になってきます。単に業務を分担するだけでなく、全員の成長を促進することを忘れてはいけません。経験豊富なメンバーだけでなく、まだ経験が浅いメンバーにも適切な業務量を割り振り、サポートを通じて彼らがより多くの業務をこなせるように育てることが、リーダーとしての役割でもあると思っています。 

さらに、職場の雰囲気作りにも力を入れています。例えば、目標達成時にはチームで会食を行うなど、モチベーションを高める工夫をしてきました。これは、仕事のパフォーマンス向上だけでなく、チームメンバー間の絆を深め、より良いコミュニケーションを促進するためです。職場環境において、社内コミュニケーションを重視することは、効果的なチーム運営に不可欠であると私は考えています。 

  • メンバー一人ひとりの能力を理解し、それに合わせた業務割り当てを行うことで、バランスの取れた労働環境を実現している点は素晴らしいですね。それでは、最後に現在就活・転職活動を取り組まれている読者へ向けてメッセージをお願いします。 

中島さん:就職活動でも転職活動でも大切になってくるのは、まずは相手から「何を求められているか」を常に考えることだと思います。これは社会人になってからも大切な考え方だと思います。例えば、上司からの指示に対して「なぜこの仕事が必要なのか」「なぜこのような指示が出されたのか」と自問自答し、それに基づいて「それならばここまでやっておくことが重要かもしれない」と一歩先を考え行動できる習慣が、成長の速度を上げる鍵となるからです。仕事の全体像を理解し、自身の成長に繋げることにもなってきます。 

そして、必要以上に緊張することはありません。特に若い方々は、周囲のサポートを受けながら成長していくことが大切になってきます。就職活動をしている学生の方々であれば、社会人としての経験を持つ先輩や家族から意見を求めることも有効です。社会人になる前から、『教えてもらうスキル』を身につけることは後々財産となってきます。 

教えてもらうためのコツは、相手に対する気遣いと興味を持つこと。 

相手に対して興味を持ち、敬意を持って接することで、多くの知識や経験を共有してもらえるようになります。相手があなたの学びたい意欲を感じ取れば、より積極的に知識を共有してくれるはずです。逆に、興味がないように見えると、相手も教えることに消極的になりがちです。ですから、学びたいという姿勢をしっかりと示すことが、知識を得る上で非常に重要になってきます。若さ故に遠慮をしてしまうこともあると思いますが、成長したいというその積極的な考えは多くの人が歓迎してくれるはずです。これからの社会人人生を楽しむためにも成長することに貪欲な気持ちで頑張ってください! 

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