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知ってるつもり ガクチカと自己PR 前編 ガクチカ編 | 福岡県で就活・転職に役立つ情報満載Vamos (バモス)
知ってるつもり ガクチカと自己PR 前編 ガクチカ編 

知ってるつもり ガクチカと自己PR 前編 ガクチカ編 

Vamosの読者の皆さま、はじめまして。 大洋装備株式会社で取締役を務めております、佐々木と申します。 

今回、20代の方々を対象としたこのWebマガジンにて、就職活動や転職に励む皆さま向けに、「ガクチカと自己PRの違い」というテーマで寄稿する依頼を受け、大変光栄に思っております。 

最初は私のアドバイスが皆さまのお役に立てるのかどうか不安でしたが、これまでの経験を踏まえ、少しでも皆さまの支援となればとの思いから、このテーマについての記事を執筆させていただきます。

まずは簡単に大洋装備を紹介させていただきます。 私たちの会社は福岡県・北九州を中心に、イベントや展示会の企画・運営から一貫してサポートしています。 式典から花火大会、市民まつりに至るまでどんなイベントでも、お客様の立場に立ち、主催者の思いが来場者一人ひとりの心に届けれるような企画・運営を行っている会社です。 

大洋装備株式会社 取締役

佐々木さん

さて、今回は「ガクチカと自己PRの違い」というテーマ。 

20代の皆さん、特に就活中の学生にとって、自分を効果的にアピールするスキルは非常に重要ですよね。 しかし、これら2つはどのように異なり、どちらがあなたにとって重要なのでしょうか? 

このテーマはビジネスにも共通する点があり、私たちのビジネスで言えば、イベントを成功させるためには、良い企画と効果的なプロモーションが不可欠です。 良い企画だけではイベントは成功せず、そのイベントをどのようにターゲットにプロモーション(PR)していくかも重要になってきます。 

どちらか一つが完璧でもダメというわけですね。 

それでは、ガクチカと自己PRの違いを深掘りして、どのようにこれらがあなたの就職活動やキャリア構築に影響を与えるのかをみていきましょう! 

そもそもガクチカと自己PR、これらの違いは明確に理解できていますか? ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、個人の能力や経験を伝えられるものであり、一方、自己PRは、それらの能力や経験をどのように効果的に伝えるかを考えるものです。 

一見すると、どちらも自分の過去のエピソードを話し、企業にアピールするものなので、混同しやすいですよね。 しかし、これらは異なる視点で評価されています。 

ガクチカは『何に努力したのか』、『何を大切に思って活動したのか』ということが重要視されます。 「あなたの価値観と成果を出すまでのプロセスが重要」とされているというわけです。 ガクチカのエピソードは、あなたの価値観を企業に示すもので、企業はこの価値観を知りたいんです。 

一方、自己PRは、「入社後にどのように活躍できるか」をアピールするのが重要です。 

自分の特性やスキルが、入社後にどのように発揮され、企業の求める人材要件とマッチするかを示すことが求められます。 面接は、企業と就活生の相性を確かめ、入社後に活躍できるのかを見極める場です。 つまり、自己PRとは「自分がどれだけ入社後に活躍できそうか教えてください」という問いかけとなります。

では、なぜ企業は“価値観”を知りたいのでしょうか? この本質を理解することは、就職活動を成功するために重要になってきます。 

それでは、ガクチカと自己PRの違いについて深く掘り下げ、より効果的なガクチカと自己アピールをするための戦略を見ていきましょう。 

今回の前編では効果的な「ガクチカ」についてお話しします。 効果的なガクチカを知るためには、ガクチカの評価視点を知っておきましょう。

どうやってガクチカは評価されている? 

人事が見る2つの視点 

▼評価視点①:成果に至るまでのプロセスの妥当性 

成果を出すプロセスの妥当性は、社会人としての基本的な評価軸です。会社では、目標と成果が重要視され、その成果を出すプロセスが効率的であることが求められます。 

面接では、学生がどのような成果を上げ、どのようなプロセスを踏んできたのかを確認し、入社後も成果を上げる能力があるのかを判断します。 

社会経験がない学生にとって、ガクチカはその能力を示す貴重な手段となります。 

▼評価視点②:ガクチカから伝わる価値観と取り組み方 

2点目の視点は、ガクチカを通じて学生の価値観や物事に対する取り組み方が見えるかどうかです。例えば、学生がサッカーのキャプテンとしてチームを率いていたとします。 

そして面接では、「チームの連携を強化し、勝利を目指しました」と伝えたとします。 この時、面接官は「なぜチームの連携に力を入れたのですか?」と更に掘り下げるでしょう。 

具体的には、「チーム全体が一丸となり、共通の目標に向かって努力することで、より大きな成果を達成できると信じていました。そのため、連携を強化することに力を入れました」というような回答が求められます。 

この回答から、学生がチームワークの重要性や共通の目標達成に向けた責任感を理解していることが伝わります。 

ガクチカの評価視点は、成果に至るまでのプロセスの妥当性と、ガクチカを通じて伝わる価値観や取り組み方の2点になるわけです。 これらの視点を理解し、自身のガクチカを効果的にアピールすることで、就活生は企業との相性や入社後の活躍の可能性をアピールしやすくなってきます。 

ガクチカの書き方とは?SCQA法を使い、エントリーシート(ES)を作成しよう 

では「学生時代に頑張ったこと」、ガクチカはどう書けば良いのでしょうか? 

最初に考えるべきは、ガクチカの基盤となる「経験」についてです。多くの就活生がESでガクチカを書く際に、「自分には特に書くことがない…」「エントリーシートに書けるような経験がない…」と悩みますよね。 

しかし、必ずしも留学のような特殊な経験が求められているわけではありません。サークルやアルバイト、ゼミの活動でも十分にガクチカとして語ることができます。 

重要なのは、その経験から得られた成果や学び、そしてそのプロセスで示されたあなたの価値観です。 

この前提を基に、ガクチカを効果的に表現するフレームワークとして、SCQA法を提案します。 

SCQAとは、 

Situation (状況) 

Complication (困難や課題) 

Question (解決すべき問い) 

Answer (解決策や行動) 

の頭文字をとったもので、このフレームワークに沿ってガクチカを整理することで、明確かつ効果的に自身の経験を伝えることができます。 

Situation (状況) 

まず、「学生時代に頑張ったこと」の背景や状況を明確にしましょう。何がきっかけでその活動に参加したのか、その活動の目的や目標は何だったのかを具体的に説明することが大切です。 

Complication (困難や課題) 

次に、その活動の中で直面した困難や課題を明らかにします。これにより、あなたがどのような状況下で努力し、成果を上げたのかを理解することができます。 

Question (解決すべき問い) 

困難や課題を明らかにした上で、それに対してどのような問いを立て、どのように解決しようと考えたのかを述べます。これにより、あなたの思考プロセスや問題解決能力を示すことができます。 

Answer (解決策や行動) 

最後に、問いに対するあなたの答えや、実際に取った行動、そしてその結果を伝えましょう。ここでは、あなたの行動がどのように困難や課題を解決し、どのような成果をもたらしたのかを具体的に説明することが重要です。 

また、その結果通じて得た学びや自身の成長も共有することで、より強い印象を与えることができます。

ガクチカの書き方は、あなたの経験や学びを明確に表現する大切なステップとなります この方法を使って、あなたの経験をしっかりと伝え、企業に対してあなたの価値を見せることが重要になってきます。 

評価されるガクチカとその書き方を解説 

実際に、SCQA法を使って考えられた「ガクチカ」の例文を紹介しましょう。 

『学生時代に力を入れた活動は、地域の環境美化活動に参加したことです。特に、私はこのプロジェクトでリーダーを務めました。地域のゴミ拾い活動を計画し、メンバーを集めて実行しました。(Situation)。 

プロジェクト開始当初、地域のゴミ問題は認知されていなかったため、活動の重要性を学内に広めることが必要でした(Complication)。 

そのため、私は大学内や商店街にポスターを配布し、SNSでの情報発信を行いました。また、定期的にゴミ拾い活動を実施するためには、 

一人でも多くのメンバーが必要であったので、地域住民の方々や学生ボランティアを募りました(Question)。 

この取り組みにより、ゴミ拾い活動は地域社会で受け入れられ、多くのボランティアが参加するようになりました。また、地域のゴミ問題が改善され、活動の重要性が認知されるようになりました(Answer)』。 

この例では、「学生時代に頑張ったこと」である「地域の環境美化活動」に焦点を当てています。そして、「地域のゴミ問題の認知不足」という課題(Complication)に対し、「情報発信と定期的なゴミ拾い活動」を行うことで解決を試みる(Question)、そしてその結果として、「地域社会での認知と参加者の増加」を達成した(Answer)と伝えています。 

このSCQA法に基づいてガクチカを構築することで、課題の解決プロセスと結果を明確かつ効果的に伝えることができます。 そして、その取り組みを通じて得られた学びや成果を企業側に効果的に伝えることができています。 それによって、企業はあなたが将来どのように貢献できるかを理解しやすくなり、選考での評価につながる可能性があるわけです。 

さて、今回は効果的なガクチカの紹介とその書き方についてご説明させていただきました。ガクチカは避けて通れない重要なステップで、ポイントを押さえれば確実に相手に伝わるはずです。ただガクチカについて理解するだけでも、今後のガクチカ作成に大いに役立つでしょう。次回は自己PRに焦点を当てて解説します。VamosのTwitterやLINEに登録いただければ、記事の更新情報をお知らせしますので、ぜひ登録をお願いします。

取材協力:
佐々木取締役
大洋装備株式会社
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