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改善・改良の重要性
2024/02/07

改善・改良の重要性

ファディのプライベートブランド開発担当に聞いた!人気商品ができるまでを徹底解剖!

極東ファディが掲げるビジョンは「コーヒーと食を通じて新しいライフスタイルを創造し、提案する」というもの。そのために同社は、プロ仕様の高品質冷凍食品や、鮮度の高い自社焙煎コーヒー、そして地域に密着したカフェを通じて、顧客の充実した食生活を支援しています。 

今回のインタビューでは、商品部でプライベートブランドの企画立案を担当する田久保さんに焦点を当て、成功する商品に不可欠な「改善・改良」の重要性について深掘りしていきます。改善・改良というテーマは、就職活動や転職活動にも、そして社会人になった後にもきっと役立つはず。 

自身の活動プロセスを見直し、改善することが内定獲得への近道となるからです。 

今回のインタビューも、多くの方々にとって参考にしてもらえる内容ですので、 ぜひ最後まで読んでください。 

  • 田久保さんは入社から既に11年が経過されているとのことですが、商品部に着任される前のご経歴について教えてもらえますか?

2013年に入社して、最初の2年間は主に店舗運営の現場で経験を積んできました。その後、3年目に商品部への異動が決まり、バイヤーとしてのキャリアがスタートしました。現在は、バイヤーとしての業務に加えて、プライベートブランドの商品開発にも携わっています。

  • 店舗運営からスタートし、バイヤー、プライベートブランドの商品開発と、多面的で卓越したキャリアパスを歩まれていますね。そうした幅広い経験から、バイヤーや商品開発者として必要なスキルには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

商品開発においては、店舗での業務経験が極めて重要だと感じています。現場での経験を通じて、お客様のニーズを直接観察し、トレンドを知ることが今の業務に直結していますね。商品を企画・開発する際には、単に新しい商品を創出するだけでなく、既存商品の改善やアップデートも重要な役割となってきます。これは、市場における長期的な成功、つまり売れ続ける商品に不可欠な要素です。また、商品の企画から開発完成までに、時には数年を要することもあり、商品の特性に応じて様々なアプローチが必要になります。成功する商品の企画には、ターゲットとなる顧客層の好みや趣向、季節ごとの市場動向、流行の傾向、競合他社の動きなど、多岐にわたる情報の分析が欠かせません。 

これらの分析を基に、商品コンセプトやデザイン、ブランドイメージ、仕様、価格設定を行い、実現可能な商品アイデアを形にするのが、私たち商品開発者の役割となっています。 

  • 実際の店舗での経験が、商品開発プロセスに深い影響を与えるのは非常に興味深いですね。お客様のニーズを反映させていくというのは実際の商品開発プロセスでどのように進んでいくのでしょうか? 

私が関わった具体例として「国産鶏使用 チキン南蛮 たれ付」の商品開発があります。このプロジェクトの目標は、すでに販売している冷凍の業務用チキン南蛮を『家庭で手軽においしいチキン南蛮にする』ことでした。私たちはこの商品を、家族が夕食時に一緒に楽しむ料理と位置づけ、その目的に合わせたターゲット設定とコンセプト策定から始めていきました。 

最初に直面した課題は、既存のチキン南蛮が家庭の調理ではその魅力を完全に引き出せていなかった点です。業務用チキン南蛮では甘酢をチキンにからめた状態で販売していました。家庭でのフライパン調理においてそのまま火にかけると“焦げやすい”という課題があったんです。

そこで私たちは、甘酢を“別添え”にしました。そうすることで焦げにくくすることはもちろんですが、チキンが『パリパリ派』『甘酢で煮詰めてしっとり派』といった好みも、各家庭で追求できるようしたんです。僕はさっと絡めたパリッと派でしたので(笑)このような細かな改善により、新たな市場ターゲットへはもちろん、「また食べたい」と思ってもらえる商品にリニューアルすることができました。 

  • 商品開発のプロセスは、ただ単に新しいアイデアを形にするだけでなく、既存の商品の問題点を洗い出し、それをどのように改善していくかにも大きく焦点を当てていくのですね。特に、調理のしやすさは、実用性と顧客満足度を高めるために非常に重要な要素であると感じます。商品開発における最も難しい部分は何だと感じていますか?  

商品開発の難しさは、完成に向けて絶え間ない改善と改良にあります。 

ただ闇雲に味や原料を変更するのではなく、十分な根拠と計算に基づいて変更を加える必要があります。このプロセスは、試作品を何度も見直し、細部に至るまで洗練させる作業が求められます。この過程では上司や同僚からのアドバイスを活かして試作品をつくりあげ、またそこからフィードバックをもらい、それに基づいて少しずつ完成形に近づけていく。そして、社内での試食を通じて得られた結果を基に、さらなる改善を重ねます。 

特に私や上司はかなりの数を試食・改善していく中で、味覚や好みなどがどうしても似てきてしまうんですよ(笑)なので「皆さんに『美味しい!』と思ってもらうためにも、色んな方のフィードバックをもとに改善していくのは難しい部分でもありますが高評価をいただいた時は達成感でいっぱいですね。

  • 確かに自分たちだけでなく“皆さんに”美味しいと思ってもらうにはフィードバックからの調整が難しそうですね。新しく商品を世に出すということは、味以外にも難しい部分はたくさんありそうですね。

まさにその通りですね。製造工程の最適化、コストの効率的な管理、そして食品原料の適切な配合が主な課題です。味の微妙な変化にも細心の注意を払いながら、繰り返し試作品を作成し、テストを行なっていく。品質、特に味や食感に重要な影響を与えるため、妥協することなく挑戦し続けることが重要になってきます。

その上で調理のしやすさにも注目し、美味しさと同時に、調理の手軽さも重要な要素として考慮しています。複雑な調理手順は、商品の魅力を損なうからです。 ですが、ファディのコンセプトとして『冷凍食品をチンして終わり』にはしたくないんです。野菜やお肉など他の具材は追加して調理してもらったり、フライパンで少し一手間を加える工程を入れることで『ただの冷凍食品』にはしたくないと思っています。

先ほどのチキン南蛮の例でいくと、通常チキン南蛮を一から作ろうと思うと、

肉を切る(包丁やまな板を洗う作業も出てきます)

→衣をつけて揚げる(油の処理や掃除も大変)

→酢や醤油、砂糖などタレを合わせてチキンとからめる(調味料を計るのも面倒です)

といった工程があります。

普段料理をする方はイメージがつくかと思いますが、これって結構大変で面倒くさいんですよ!

そんなチキン南蛮が簡単に食卓に並べば嬉しい。

でも『レンジでチンして完成』ではなくて、『チキンとタレをフライパンで調理して完成』となるだけで調理内容は簡単ですが美味しく、ただの手抜きにはならない。

こういった商品を目指しているんです。

  • 商品の品質を高めるために味や食感、さらには調理のしやすさはもちろん、“一手間加える”を追求するために徹底的にテストし続けるというプロセスは、確かに大きなやりがいと情熱を感じさせるお仕事ですね。また、新しい味わいや食体験の創造に向けた田久保さんの情熱が、商品開発の鍵となっていると感じました。改善と改良を継続的に行うというアプローチは、商品開発だけでなく、就職・転職活動や社会人になってからも重要な教訓を与えるものだと思います。実際の改善・改良プロセスで特に工夫している点や、そのアプローチの具体的な内容を教えていただけますか? 

改善と改良においては、いくつか重要な考え方があります。まず、私たちの場合は『食に対する深い愛情と関心』が必要です。素材や調味料からその食品の味や食感を予想できる想像力が求められます。市場のトレンドや顧客の好みを把握するためには、豊富な情報を収集し、それを的確に分析するリサーチ力も不可欠です。さらに、社内の関連部門や外部のメーカーからのアドバイスやフィードバックを得るために、コミュニケーションスキルも必要になってきます。そして、一つのプロジェクトに対して粘り強く取り組み続ける根気も重要です。これらは就職活動においても同様かもしれませんね。自分が情熱・興味を持てる業界を見つけ、そこでのキャリアを築くための目標設定が大切になってきます。その達成のためには、情報収集力やリサーチ力が求められ、面接準備や実際の面接での改善にはコミュニケーションスキルが不可欠になってきます。最終的には、目標に向かって諦めずに粘り強く活動することが、何よりも重要だと思います。 

強みを活かし直すべき部分に向き合うことで、段々精度の高い受け答えができるようになっていくと思います。 

  • 改善と改良は、就職活動やキャリア形成においても非常に重要な要素ですね。特に若い世代では、友人や先輩、家族からアドバイスを受けることへの恥ずかしさや、実際に面接ロープレを通じたフィードバックの受け取りに抵抗を感じるという学生も多くいます。この点についてどのようにお考えですか? 

学生時代に自分の意見をはっきりと言うことや自己表現に抵抗を感じるのは、一般的なことだと思います。私自身もそういう時期がありました。しかし、質の高い商品を創造するためには、自分の意見を遠慮なく発言することが欠かせません。仕事をする上で、メーカーの方々と一緒にお仕事をさせていただく機会が多いのですが、相手が年上の方だったりしても、私はいつも自分の意見をはっきりと伝えるようにしています。それによって有益なフィードバックを得ることができ、そこから改善・改良のプロセスが始まるからです。優れた商品を創造するためには、このような姿勢が不可欠だと思っています。 

  • どうしても面接や就職後でも先輩や上司に遠慮してしまう部分はありますね。どんなことでも改善していくためには、フィードバックをいかに得るかは重要ですね。

就職活動をしている方々にとっては、それが内定獲得の鍵となってくるのではないでしょうか。もちろん、相手に敬意を払いつつ、このプロセスを進めることを忘れてはなりません。自分の意見をしっかりと伝えることができれば、相手も真剣にフィードバックを提供してくれます。真剣に仕事に取り組むことは、強い責任感を持つことと同じだと思います。 

これから社会人になる皆さんにとって、就職活動の過程で自分の意見をしっかりと伝えるスキルを身につけることは、社会人としての重要なステップになるはずです。また、このスキルは社会におけるコミュニケーションの基礎にもなってきます。 

自分の考えを持つことは、聞く力や伝える力を超える重要な要素です。 

面接では、伝える力だけでなく、その人の考えや意見がどれだけしっかりしているのかも評価されていると思います。 

  • 自分の意見をはっきりと伝えることは、商品開発だけでなく、就職活動やキャリア形成においても大きな影響を持ってきますね。 田久保さんの話からは、仕事における責任感やコミュニケーションの重要性について多くを学ばせていただきました。 最後に、就職活動中の学生や転職を検討している方々に対するメッセージをお願いします。 

自分の意見をはっきりと伝えることの重要性は、就職活動やキャリア形成全般にわたって非常に重要になってきます。特に、相手に敬意を払いつつ、自分の考えを明確に伝える能力は、どの業界においても求められるスキルです。これは、単に意見を述べること以上の意味を持ってきます。それは、自分と相手への理解につながり、共有のビジョンを作り出すことにもつながっていきます。信頼関係を構築する上で不可欠なことです。 

自分の意見をはっきりと伝え、それに対するフィードバックを受け入れることで、多くの場合、より良いアイデアや解決策が生まれてきます。たとえば、商品開発の場で、私が提案したアイデアが完璧でないことを認め、チームメンバーや他部門からの意見を積極的に取り入れることで、商品は大きく進化しました。これは仕事だけでなく、就職活動やキャリア形成にも当てはまるはずです。 

自らの興味や情熱を大切にし、それに基づく自分の意見を恐れずに表現してほしいですね。また、フィードバックを受けることは、個人の成長にとって非常に価値のあるプロセスです。たとえそれが時に厳しい意見であったとしてもそれを受け入れ、自己改善に役立てることが重要です。周囲の人々との協力や異なる視点を受け入れることで、自分の視野が広がっていきます。 

社会では、さまざまな背景を持つ人々と協働することが求められますので、自分の意見を持ちつつ、他者の意見にも耳を傾けるバランスの取れたコミュニケーション能力を身につけることが、将来の成功に繋がります。皆さんの挑戦を全力で応援しています! 

取材協力:
田久保さん
極東ファディ株式会社
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