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情熱をチカラに!スマートファクトリーへの挑戦

情熱をチカラに!スマートファクトリーへの挑戦

リクルートWebマガジンVamos(バモス)では、今回、“健康な体ときれいな水を守る。”を企業理念に掲げ、無添加石けんを提供するシャボン玉石けん株式会社にインタビュー。 

シャボン玉石けんは、天然油脂を原料に、化学物質や合成添加物を一切使わない製品作りにこだわっており、品質の高い石けんを作り続けています。 

現在では、九州から北海道までファンを増やし、日本国内にとどまらず、アジアや欧米まで海外市場にも積極的に展開しています。シャボン玉石けんは、人にも環境にも優しい製品を通じて、国内外で支持を集め続けています。 

シャボン玉石けんでは2023年よりスマートファクトリー推進課が新設されました。 

デジタル化の進展に伴い、急激に変化する社会経済環境の中で、競争力を高めるために生産効率と製品の品質向上、熟練技術者のノウハウの継承、老朽化した設備の安定稼動など、多岐にわたる課題に対応されているそうです。 

また、この取り組みを加速するために、デジタル技術の専門知識を持つ人材の育成やIoT技術の導入にも力を入れています。 

今回は新設された同課で活躍されている山野さんに、 同社の企業文化などについてインタビューしました。 

  • スマートファクトリー推進課はどのような背景で立ち上げられたのですか? 

山野さん:シャボン玉石けんでは、事業成長戦略の一つとして「事業基盤の進化・強化」を掲げています。その主要な取り組みの一環としてスマートファクトリー化を推進し、これにより生産効率と製品品質の向上を目指しています。スマートファクトリーとは、機械、基幹システム、製造管理システムが相互にネットワークで繋がり、経営資源と生産プロセスが最適化された工場のことを指します。ここでは、人と機械、企業資源が互いに連携し、製品の製造情報、納品先などのデータを共有し、製造プロセスの効率化と柔軟性の向上を図ります。 

デジタル化が進展しないことは、会社にとって大きな機会損失に繋がる可能性がありえるわけです。このことから、約3年前にスマートファクトリー化のための専門チームを結成し、人材育成やシステム導入などの取り組みを開始しました。そして、2023年に「スマートファクトリー推進課」として正式に立ち上げられました。この課の設立は、当社の技術革新と生産効率の向上を図るための重要な一歩となっています。 

  • 重要なプロジェクトでもあり、チャレンジ精神も求められると思いますが、山野さんはITなどに精通されていたのですか?

山野さん:実は、スマートファクトリー推進課の責任者になったきっかけは、工場長との将来に関する深い話し合いから生まれたんです。工場の未来を考えた時に、スマートファクトリー化が極めて重要な戦略であることは明らかでした。しかし、デジタル分野に強い人材が不足しているという大きな課題がありました。私と工場長は、この課題にどのように対処すべきかについて頻繁に話し合っていたんです。その中で、スマートファクトリーに本格的に取り組むべきだという考えに至り、それを会社に提案しました。結果として、このプロジェクトの責任者に任命され、プロジェクトを実現に導くことができました。ITの専門家ではないですが、新たな挑戦への意欲と、未来志向のアイデアが評価されたのだと思います。 

当社は社員一人ひとりの意見を尊重する文化を持っており、それが製品の品質向上に直結しています。社員が自由に「もっと良くするための改善案」を提案できる環境は、高品質な製品を維持し、さらにその品質を高める重要な要素となっています。このように、社員の成長意欲を大切にする会社の姿勢が、スマートファクトリー推進課の設立という形になっていると思います。 

  • 社員の成長意欲が高品質製品を生み出す源泉になっているというのは興味深いですね。この意欲は自社製品への愛着から生じているのでしょうか?

山野さん:その通りです。実際に、私自身がシャボン玉石けんの製品を使ったことが、この会社に入るきっかけとなりました。多くの社員は企業理念に共感し、製品を使ってファンになったことが志望理由となっています。このように、企業理念への共感や製品への深い愛情と理解が、社員一人ひとりに根付いています。それは、製造工程の各段階で顕著に表れ、品質へのこだわりとして反映されています。 

当社は、部署や課を越えて意見が自由に交換できる開かれた文化を持っています。組織内での発言に年次は関係なく、入社したての社員でも自身の考えを自由に表現できるのが、当社の企業文化の特徴でもあります。また、若手だけでなく、先輩社員が積極的に知識を共有し教育する文化も根付いています。これは単に風通しの良さを超え、社員を育成し支える文化だとも言えます。 

特に最近の社員たちは、時代のトレンドとして、体に優しい製品だけでなく、環境に配慮した製品への関心も高いです。このような環境意識が高い社員が増えていることが、当社の企業文化をさらに強化しているように思います。 

  • 風通しの良さと充実した育成環境は、理想的な職場のモデルのようですね。特に若手社員が自由に意見を述べることができる環境は、一般的には容易ではないと思います。そのようなオープンな職場環境を実現するために、特別な取り組みなどを導入されているのですか? 

山野さん:社員が意見を言いやすい環境を作るには、単にオープンな雰囲気をつくるだけでは不十分です。特に新入社員や若手社員は、自分の専門性がまだ確立していないと感じ、意見を述べることに躊躇しがちです。そこで私たちは、社員が意見を積極的に言えるように、教育と経験の機会を重視しています。 

例えば、品質管理の重要性を理解するための研修を行い、数値が特定の基準を超えた際には注意が必要であることなど、実務に直結する知識を先輩社員が丁寧に教えています。また、実際の業務を通じて経験を積むことで、自信を持って意見を言えるようになります。私たちは、このように社員を育てることに注力しています。 

さらに、品質改善に貢献する提案をすることが評価の対象となるようにしています。実際に品質向上に繋がるアイデアが評価されると、社員はその成果を実感し、モチベーションの向上につながります。このような外的な評価と、商品への内的な愛着とが相乗効果を生み出し、各社員が高いモチベーションを保つことができています。このように、私たちは社員の成長と会社の品質向上を同時に追求しています。 

  • 確かに、教育と実務経験を通じて社員が自信を持って意見を述べられるようになること、そして品質改善への貢献が評価される体制は、社員のモチベーション向上と会社全体の品質向上に大きく関係していくと感じます。 スマートファクトリーの導入が生産性や効率性の向上につながることは理解しましたが、これらが具体的に製品の品質向上にどのように寄与しているのか、そのメカニズムについてもう少し詳しく教えていただけますか? 

山野さん:生産性や効率性の向上は、一般的に経済的合理性を追求する目的で行われがちです。例えば、生産効率を高めることで残業を減らし、結果として人件費の削減に繋がるといったケースです。また、現代の労働市場における人手不足という大きな課題に対して、機械化や自動化を進めることも一つの解決策です。しかし、私たちの会社では、これらの取り組みを単に経済合理性の観点からではなく、より高品質な製品を作るための手段として捉えています。 

具体的には、生産効率を上げることで削減された作業時間を品質管理や品質向上のための時間に充てています。つまり、単に経済的な効率化を目指すのではなく、効率性の向上を品質・技術の向上に直結させることが重要なのです。生産性を高め、時間的な余裕は働きやすい環境に貢献し、品質・技術向上へのモチベーションとなってきます。その一人ひとりの情熱が最終的にはより優れた製品開発へとつながっていきます。このような取り組みが、私たちの製品が市場で高く評価される大きな理由の一つとなっています。 

  • たしかに、生産性の向上を単なるコスト削減の手段ではなく、製品の品質向上に貢献する重要な資源として利用するというのは、非常に興味深いアプローチですね。それでは、スマートファクトリー化が進むにつれて、従業員のモチベーションや職場の雰囲気への影響についてもお聞かせください。 

山野さん:実は、商品化というのは一定の基準を満たせば十分とされることが多いんです。しかし、実際の現場では、単に基準を満たすだけでなく、「完璧な製品を作りたい」という強い願望が働いています。すべてを完璧にすることは効率的ではないかもしれませんが、スマートファクトリー化を進めることで、業務のデジタル化が進み、作業時間を短縮できるようになります。この短縮された時間を利用して、これまで微細ながら気になっていた製品の改良や品質の向上に時間を割くことができるようになるのです。このように、日々の作業に余裕を持たせることで、働きやすい環境づくりとなるだけでなく、社員一人ひとりが品質・技術向上に注力できるようになり、結果として製品のさらなる改良やイノベーションにつながることを期待しています。 

このプロセスは、社員のモチベーションや職場の雰囲気にも大きな影響を与えてくれるはずです。作業の効率化によって生まれた時間を品質向上のために使うことができるため、社員は自分の仕事にさらに価値を感じ、仕事への満足度が高まります。また、製品の細部にまでこだわることができる環境は、職場全体の品質意識を高め、より充実感のある職場環境を作り出します。社員が自分たちの手がける製品に誇りを持ち、それぞれが品質向上に貢献していく姿勢は、職場全体の雰囲気を良くし、積極的な意見交換や協力を促進する効果も期待できると考えています。 

  • スマートファクトリー化によって社員のモチベーションが高まり、職場環境も改善されるというのは素晴らしいことですね。この変化に伴い、デジタル化や新技術の導入によって求められるスキルについて教えていただけますか? 

山野さん:入社の段階では専門的なスキルは必要ないですよ。 

ひとつ挙げるとするならば、基本的な業務に対して徹底的に取り組むことができる“真面目さ”が必要かもしれません。たとえば、機械のメンテナンスや清掃をきちんと行うといったことです。お客様に喜んでいただけるよう、品質の高い製品を作るには、当たり前ですが製造環境を整えることが重要です。清潔で整った環境は、社員の働きやすさにもつながります。このような基本的な小さな取り組みが、高品質な製品に結びつくと信じています。初期段階では専門的なスキルは必要ではありませんが、品質を追究する中で様々なスキルを身につける機会があります。 

私自身、ITの知識はなかったのですが、時代の変化に伴い、デジタル技術を学ぶことが必要だと感じて積極的に学び始めました。入社して25年が経ちますが、高品質を追い求める過程で多くのことを学んできました。 

高品質な製品を維持するためには、常に新しい知識や技術に敏感である必要があります。これは、就職活動や新入社員にとっても同様です。小さな異常に気づく力や、新製品を開発するために社会の需要を敏感に察知する力が求められます。常に高いアンテナを持ち続けることは重要ですね。 

  • 基本的な業務の徹底と新しい知識の習得が、品質の高い製品作りに直結しているのがわかります。山野さんの経験からも、学び続ける姿勢がいかに大切かが窺えます。 それでは最後に、現在就職活動や転職を検討している方々へ、何かアドバイスやメッセージをいただけますか? 

山野さん:まず重要なのは、自分が何に情熱を感じ、どんな分野で働きたいかを深く考えることだと思います。自分の興味や情熱がある分野で働くことは、モチベーションの維持に不可欠です。また、現代の職場環境は常に変化していますので、柔軟性と学び続ける意欲も大切にしてください。新しい領域に積極的に挑戦する姿勢は重要となってくるはずです。 

そして、どんな職場にも共通するのは、協調性とコミュニケーション能力の重要性です。チームで協力して働くことは、どの企業でも求められるスキルです。自分の考えをしっかりと伝えること、また他人の意見を尊重し、それらをうまく融合させる能力を身につけることが重要です。 

最後に、どんな状況でもポジティブな姿勢を保つことが大切です。困難に直面した時には、成長するためのステップとして受け入れることができれば、きっと乗り越えられるはずです。常に前向きに、自分のキャリアを築いていってください。応援しています! 

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取材協力:
山野さん
シャボン玉石けん株式会社
会社情報はこちら
会社情報: https://www.shabon.com