今回リクルートWebマガジンVamosは、1905年の創業以来、時代や産業構造の変化に対応し続ける港湾運送事業者として、北九州市若松区を中心に物流サービスを提供し、地域社会の振興に尽力してきた第一港運株式会社にインタビュー。
2012年には日本、中国、韓国の三国間貿易を支える物流会社「KI Global Logistics㈱」を設立し、国際的な協力体制の構築にも貢献。
物流営業部営業課に所属する日野さんに、人々の生活を豊かにする物流業界の魅力、経験を通じた個人としての成長、そして就職・転職活動を頑張る方々への応援メッセージまで、幅広くお話を伺いました。
物流業界の重要性と、その中で働く一人ひとりがいかに社会に貢献しているかが伝わる内容となっています。ぜひ、ご覧ください。
はい、実は私、大分出身なんです。子供の頃から豊後水道の近くで船が行き交うのを見て育ちました。大学で関西に行った後、就職活動を始めた時には、九州に戻りたいという強い気持ちがあったんです。そこで、特に業務内容にこだわることなく、地元に近い場所で仕事ができればと思っていました。そんな時にたまたま第一港運と出会ったんです。
『港湾荷役の仕事』という内容を読んだ時に、まさに子供の頃に見ていた世界とリンクしていることに気づき、興味を持ったことがきっかけですね。
大学生活は私の視野を広げてくれましたね。色々な人と出会い、多様な価値観に触れる中で、自分がどのように社会に貢献できるかを深く考えるようになりました。
外に出て初めてわかったことは自分は九州が好きだということです。
自分のルーツである九州に戻りたいという思いが強く、そこで何か新しいことを始めたいと考えるようになりました。ある程度大きな規模での仕事をやってみたいという気持ちもあったので、特定の仕事に絞って就職活動をするのではなく、さまざまな業種をみるようにしていましたね。
日野さん : 港湾荷役の仕事は、ただ単に貨物を船から下ろしたり積んだりするだけではありません。私たちが行う一つひとつの作業が、世界各地へと商品を届ける大きな流れの一部であるということですね。例えば、一万トンの石炭を船から降ろす作業は非常にダイナミックで、それがエネルギーとして社会の人々の生活を支えることにつながっていると考えると使命感のようなものを感じます。この仕事を通じて、物流が世界経済においていかに重要な役割を果たしているかを日々実感できることが、私にとって大きなやりがいです。
日野さん : 一見単純な作業に見えても、それが世界の人々の暮らしを支える一環であるという意識を持って仕事に取り組むことは大切だと思います。それを理解し、実感することができた時、どんな仕事でも本当の価値を知ることができるんじゃないかなと思いますね。
今でこそ使命感ややりがいを具体的に感じることができていますが、入社前には船が港に着き、荷物を積み下ろす。この繰り返しの中で、どのようにして人々の生活や経済に貢献しているのか、具体的なイメージは持てていませんでした。しかし、実際にこの仕事を始めてみると、その複雑さと社会への影響の大きさに驚かされました。
特に輸入品・輸出品の通関業務の複雑さを初めて知った時は物流業界の仕事の奥深さを知りましたね。
通関業務は本当に複雑で、目からウロコでした。もっと簡単に許可が降りて荷物をスムーズに運び込むものだと思ってたので(笑)アクシデントはつきものですよ。例えば、一つの木材を輸出入するだけでも、さまざまな手続きや規制があるんです。この業務を通じて、物流がグローバルな視点でどれほど複雑に絡み合っているかを実感した時に、物流業として社会に貢献できることに大きなやりがいを感じるようになりました。
日野さん :
何度見てもクレーンでの作業は本当に圧巻ですよ。大型のクレーンを使って、一万トンもの石炭を一日で降ろす様子は、まさにダイナミックそのもの。そのスケールの大きさと、機械の力強さには毎回感動します。それと同時に、この作業がエネルギー供給の大切な一歩であり、私たちの生活や産業にどれほど貢献しているかを実感します。一つひとつの作業が、この社会の人々の日常やビジネスに直結しているんです。
日野さん : そうですね。物流は人々の生活を支え、経済を動かすのに不可欠な役割を果たしています。物流業があってこそ、世界中どこでも商品が行き渡り、人々の生活が豊かになる。この事実を知った時、私の仕事に対する認識が大きく変わりました。そして、この仕事を通じて、世界とつながり、社会に貢献できることに大きな誇りを感じるようになりました。
日野さん : 物流は単なる移動の仕事ではなく、グローバルな経済活動を支え、人々の日常生活に不可欠なサービスを提供する重要な役割を果たしていることを理解できるようになったことは、私の専門知識を大きく広げるきっかけとなりました。特に、物流プロセスに対する考え方や、効率的にモノを運ぶというサービスの質を高める方法などについて学ぶことができました。また、様々なプロジェクトを通じて、チームメンバーや異なる部門、お客様と効果的にコミュニケーションを取り、協力して目標を達成する能力も身に付けることができたと思います。
そうですね。ありがたいことに現在は課長として、若手社員の育成や、部門間の架け橋となる役割を任せてもらっています。確かに大きなプレッシャーを伴うこともありますが、自分だけの業務ではなく、部下のサポートや育成、さらにはチーム全体の成果に責任を持たなければならないというプレッシャーは同時にやりがいでもあります。チームメンバー一人ひとりが成長し、チーム全体で成果を出すことができたときの達成感は何ものにも代えがたいですね。
部下が自信を持って業務に取り組み、それぞれがリーダーシップを発揮する姿を見ることは、私にとって大きな喜びですね。
仲間を励ます方法、チーム内での信頼を築くコツ、目標に向かってチームを導く術などを今も学べる機会があることはありがたいです。
これらの経験は、自身の自信を育み、新たな課題にも積極的に取り組む勇気を与えてくれています。
この仕事で学んだことは、専門知識や技術だけでなく、人としての成長にもつながっているように感じます。
日野さん : 入社したばかりの頃は自分の業務をこなすことが中心でしたが、やはりチームを引っ張っていく立場になってからは、より積極的に、そして能動的に仕事に取り組むようになりました。チーム全体で目標を達成することが、私自身の成長にもつながっていることを実感しています。これは、仕事だけでなく人生においても非常に重要な変化だったと思います。
そうですね。小学校から大学まで野球をやってきたのでチームプレーに火がつくのかもしれません(笑)
私の人生においてはやはり野球で培われたものが多いですね。先輩・後輩との繋がりも人間関係の構築も、野球を通じて色々な経験ができたことは大きいです。
野球人生の中で今でも心に残っている言葉があるんです。高校時代の監督に「心のコップを上向きに」という言葉を教えてもらいました。この言葉の意味が最近よくわかるようになってきたんです。私の人生観や仕事に対する姿勢に大きな影響を与えてくれているように感じます。
当たり前ですが、コップに水を入れるには上向きにしなければ、いくら水を注いでも満たすことができません。
人の成長で考えた時に常にポジティブな心持ちでいなければ、新たな情報や知識、経験を吸収することができないということです。仕事において成長していくにはこの「心のコップを上向きに」という姿勢は非常に重要です。これを心がけることで、困難に直面しても前向きに対処し、新たな解決策を見つけ出すことができるようになりました。
そうですよね。周りを少し意識して見るようになって、高校時代に言われていたことがわかるようになりましたね。言われた当時はいまいちピンときてなかったんですが(笑)
最初のうちはどうしても自分のことだけを考えがちだと思いますが、視野を広く持つことって大切だなと感じたことがきっかけで向き合い方は大きく変わりました。
就職・転職活動は、確かに多くの挑戦と困難が伴いますが、その過程で得られる学びと成長の機会もまた大きいものです。
私が皆さんに伝えたいのは、挑戦する勇気を持つことの重要性です。社会に出るためには、自分自身が環境変化に対応していく必要があります。そのためには絶えず新しいことを学び、自己成長を続けることを意味します。そして、これは就職・転職活動においても同じです。新しい環境への一歩を踏み出すことは勇気が必要ですが、その一歩が未来への大きな飛躍となるはずです。
また、常に「心のコップは上向きに」
まずはどんなことでもポジティブに受け入れる。失敗を恐れずにチャレンジする。
それが自分自身の知識・経験をどんどん満たしていくことができます。
就職・転職活動を頑張っている皆さん、一歩一歩確実に前進している限り、きっと希望の道が開けます。皆さんの未来が輝かしいものであることを心から願っています。