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経営者が語る!人生設計
2024/09/12

経営者が語る!人生設計

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今回インタビューに協力していただいたのは、株式会社ライフクリエイトの代表取締役社長・有冨さん。便利屋業とリユース業を合わせた独自の「御用聞きビジネス」を確立し、現在西日本を中心に店舗を展開しています。インタビュアーは北九州市立大学3年の向山さん、佐田さん、久保さんです。 

株式会社ライフクリエイト

有冨社長

有冨社長、今日はよろしくお願いします。まず、ライフクリエイトはどんなお仕事をされている会社かを教えてください。 

業務を大まかに分けると、「リユース業」と「便利屋業」ですね。リユース業はその中でも電動工具をメインで取り扱っています。便利屋業としては、高齢化がすごく進んでいるので、今はおもに遺品整理に伴う不用品の処分が多いですね。 

自分にとってはあまり馴染みのない「便利屋業」のワードがすごく気になるのですが、具体的にはどんなお仕事なんですか。 

今はおもに片付けや不用品の処分、買い取りの依頼が多いですが、草刈りや庭仕事、買い物代行など、どんな依頼でもお客様の役に立てるなら引き受けるつもりです。結婚式の代理出席やコロナ禍での野球のノックなど、これまで本当にいろいろな依頼を受けてきましたよ。 

これまでで印象的だった依頼はありますか。 

会社を立ち上げた最初の頃の依頼で「迷子犬の捜索」ですね。さすがに100%見つけられるというお約束はできなかったのでお客様に「見つけられない可能性もあります」とお伝えしていたんです。「それでも構わない!」とご依頼していただいたので、スタッフ総出で朝から晩まで捜索しました。でも結局見つからず…。せめてもの思いで迷子犬のチラシもたくさん配ったんです。お客様もここまで探して見つからなかったら仕方ないよねと、もどかしい思いで捜索は終了しました。でも1週間後にチラシを見た方が連絡をくれてなんと犬が見つかったんです。犬と再会したお客様が、私の手を握って「ありがとう、頼んでよかった」と泣きながらお礼を言ってくれたんですよ。 

その時に「こんなに喜んでもらえる便利屋って、なんて素晴らしい仕事なんだ!」と考え方が一気に変わりましたね。世の中ではまだまだ便利屋というのが“いい仕事”とは思われていなくて、当時は私自身も自分の仕事に誇りを持てずにいたんです。でも、仕事で泣きながらお礼を言われることってなかなかないじゃないですか。今は100%、便利屋であることを誇りに思うし、『素晴らしい仕事だよ』と胸を張って言えますね。 

確かに泣いてお礼を言われる仕事ってなかなかないですよね。25歳で便利屋業を起業したとのことですが、便利屋を始めようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか。 

もともとリフォーム会社にいたこともあり、いずれは建築関係の仕事をしたいなと思っていたんです。でも僕は全然経営のことがわからないから、どうしようって。そんな時にたまたま求人票で見たフランチャイズの便利屋が、経営のノウハウも教えてくれるということだったので入社したのがきっかけです。 

その後、25歳の時に独立して起業されたそうですね。 

そうですね。便利屋って半分以上の仕事が片付けなんですけど、ある日、処分品の冷蔵庫をリサイクルショップに持っていったら1000円で買い取ってくれたんですよ。その後、その冷蔵庫が1万5000円で売られているのを見て、「なんじゃこれ!」と(笑)。それなら自分でやった方がいいなということで、自分のお店を持つことにしたんです。 

そこからリユースの仕事につながっていったんですね。 

そうですね。リユース業はSDGsのど真ん中の仕事だと思うんですよね。おじいちゃんおばあちゃんの家にある家具って高級なものが多いのに、日本では処分されることがほとんど。でも、タイやフィリピンに持っていくとすごく喜んでもらえるんですよ。日本では命がなくなってしまった物に、命が吹き込まれてまた大切に使ってもらえる。これって、素晴らしいことと思いませんか。もちろん、輸送費がかかるのですごく儲かるわけではないんですけどね。 

日本の家具を海外に売るという発想は、どこから思いついたのですか。 

もともとそういうルートがあったんですけど、「やろう」と決めてからは自分から積極的に情報を取りにいきましたね。何でも関心を持ったら、まずはやってみないとだめですよ。みんなあきらめる時って、天才的な言い訳をしますよね。僕は、あきらめずに絶対“やる”。できるまでやり続ける。そして何度も失敗して、修正して・・・の繰り返しの先に成功があると思ってます。 

社長は失敗とどんな気持ちで向き合ってきましたか。 

失敗は「学び」です。みんなにも「苦しかったけど、あれがあったから今がある」と思えることはない? 「失敗は100%学び」だと思い込むことです。 

でも、経営者である自分が失敗すると、会社自体もうまくいかなくなるかもという重圧はなかったんですか?

経営者としての一番の素質は「人の力を借りること」です。僕は、自分ができないことは全部人にやってもらう。僕が苦手で1時間かかることでも、得意な人にやってもらえば20分でできるんです。 自分がいなくても会社が回る状況をつくるのが経営者だと思っています。  

ただ、そのためには頼まれたら「やってあげたい」と思ってもらえる経営者にならないといけないですよね。社員みんなの人生の目的や幸せになる土台を本気で作ろうと思ってくれる経営者に。だから僕は、常に自分磨きをしていかないといけないと思っています。 

今僕は就活中なんですけど、10年後20年後のことがまだ想像できずにいます。有冨社長はどんな風に自分の人生設計をしてきましたか。 

「自分自身をどうやって作っていくか」を常に意識してきましたね。自分の映画を作る感じで、自分で人生の脚本を頭の中で描いています。何歳に何をするという具体的なビジョンから、墓碑に刻む文字まで決めているんですよ。 

とは言っても、僕も若い頃は何も考えずに欲望のまま過ごしていました。でも、人生を作っていくのは自分自身だということに、少しでも早く気付いたほうがいい。「どんな風になりたいか」はまだわからなくても、「どうなりたくない」かはわかりやすいですよね。  

そうですね。「なりたくない」というのは想像しやすいです! 

僕はね、まずは誰もついてきてくれないような、孤独な人にはなりたくないって思ったんです。そのためには人生理念を明確にしていこうと。僕には「身近で縁がある人を幸せに導き、その幸せの和を拡張し続ける人生を全うする」というビジョンがあるんです。働いている人たちの自己実現の舞台を作って、10年後、20年後、社員が会社を興していけるくらいに成長して、僕が作った舞台の上で頑張っていってほしいんです。  

でも、自分のビジョンや目的を見つけるのってなかなか難しいですよね。 

そうですね。人生の目的なんて、なかなか見つからない。でも、自分の今一番の願望が何かというのは、今、お金と時間を一番使っていることとイコールなんですよ。だから、このままでいいのかを常に自問自答し、時間とお金の使い方を変えていくというのがいいと思います。 

社長が描くビジョンのルーツって、どこにあるんでしょうか。  

やっぱり、失敗ですね。失敗して勉強しまくったから。若いうちにたくさんの失敗をしたほうがいい。そして、失敗したらすぐに自分を顧みる素直さが大切ですね。なんでも、素直さが原点です。 

今までですごい失敗はありますか。 

起業してすぐの頃、経営はうまくいっていたんですけど、すごく可愛がっていた社員が会社のお金を横領していたことが発覚して。それはもう、すごくショックでしたね。でも、これって自分にも悪いところがあったんじゃないかなと。「思考に人が集まってくる」という言葉があるんですけど、僕がお金を目的に働いていたから、同じ思いの人が集まってきたんじゃんないかと思ったんです。 

それはすごくショックな出来事ですね…。 

でもね、あの出来事があったから、今こういう考え方ができるようになったと思っています。いい出来事も悪い出来事も、誰のせいでもなくて、全部自分が作り出しているんです。だから何があっても「人のせい」にはせず、自分を顧みるようにしています。 

難しいですけど、そんな風に考えられたらいいですよね。社長は社会貢献の活動もされているようですが、そこにはどんな思いが込められているんですか。 

児童養護施設に教育プログラムの提供を行っています。何らかの理由で親が育てることができなくなった子供たちが施設で暮らしていて、少しでも力になれたらと思っています。僕は結婚しているんですけど、子供はできませんでした。でも、そこにもちゃんと意味があるのかもしれないと思ってこの活動を始めたんです。 

とはいっても、人を助けたい、何か力になりたいと思っても、自分がたくさん持っていないと何もしてあげられないんですよね。だから僕は仕事をして、お金を稼ぐ。そして幸せの輪を大きくしていきたいと思っています。 

そういった思いがあったんですね。今回初めて会社を訪問させてもらって、社長と社員の方との距離がすごく近いなと感じたのですが、特に意識していることはありますか。  

社員は家族みたいなものだから、社員の誕生日には、お花と手紙を書いて渡していますよ。社員の配偶者と子供にも、新卒入社の場合には親御さんにも手紙を書いています。  

え~!!それはすごいですね。社員のお子さんや親御さんにはなんと手紙を書くんですか。 

お子さんにはとにかく、お父さん・お母さんの素晴らしいところを書きますね。新卒入社の親御さんには、お子さんのいいところをお伝えして、すてきなお子さんを私に預けてくれてありがとうございます、と感謝の思いを伝えています。 

普段から社員とたくさん関わっていないと書けないことですよね。すごいです! 

今日はたくさんのお話をありがとうございます。進路が定まっていない僕は、なりたくない姿から消していくというのがすごく印象的でした。 最後に、就活生に向けたメッセージをお願いします。 

すべての根幹は「人を喜ばせること」であって、仕事はその手段なんですよ。飲食店なら「おいしい」、 美容室なら「うれしい」という気持ちになってもらうことが目的なんです。その目的を共有しながら、「誰と働くか」が最も大切になってくると思います。 

優しいことばかりを言ってくれる人よりも、厳しくても自分の成長を本気で考えてくれる人。愚痴ばかりいう人よりも、前向きでチャレンジ精神にあふれる人。自分の思考はなかなか変えられなくても、どんな環境を選ぶかは自分で決められるのだから、できるだけ良い環境に身を置くことを心掛けてください。20代はとにかく実践です。どんどんチャレンジしていってくださいね。 

取材協力:
有冨社長
株式会社ライフクリエイト
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