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デンヒチ吉田社長に聞く!140年の歴史と未来への挑戦 | 福岡県で就活・転職に役立つ情報満載Vamos (バモス) - Page 2
デンヒチ吉田社長に聞く!140年の歴史と未来への挑戦 
2024/09/20

デンヒチ吉田社長に聞く!140年の歴史と未来への挑戦 

目次
  1. デンヒチの事業内容 -営業の本質- 
  2. 創業140周年の歴史と今後の展望
  3. 営業の基本とお客様との信頼関係 
  4. 働きやすい環境づくりとチームワークの重要性
  5. 目標達成の哲学 
  6. 社長就任 -試練と成長の道のり- 
  7. 行動力の重要性 

社長就任 -試練と成長の道のり- 

働く環境の改善にも力を入れているんですね。34歳で社長になられた時の心境についてお聞かせいただけますか? 

4代目社長の父が亡くなったことで、私は社長を継ぐことになりました。就任前や就任時には、自分本位で行動することが多く、周囲のみんなに多大な迷惑をかけたこともありました。しかし、多くの人から助言を頂くことで、少しずつ成長することができました。社長になった当初はやる気に満ち溢れていましたが、正直なところパフォーマンスは最低でした。本当にいろいろな困難や試練がありました。このままではいけない、自分が変わらなければならないと強く感じたのは、お墓参りをして父の前で手を合わせた時でした。父が亡くなったのは10月28日で、それ以来毎月28日に欠かさず墓参りに行っています。こうして父の墓前で手を合わせることで、自分を見つめ直し、反省し、次への一歩を踏み出す力を得ることができています。毎月28日は、私にとって父との対話の日であり、初心に帰る大切な日となっています。 

それは大切な習慣ですね。 社長になる前は、お父様といろいろな話をされていたと思いますが、それでもモチベーションと実力のギャップがあったというのは、やはりプレッシャーが大きかったのでしょうか? 

そうですね。やはり焦りがありました。何かやらなきゃという気持ちが強かったです。しかし、その経験があったからこそ、今の自分があると思います。あの時の失敗や挑戦がなければ、今のように冷静に物事を判断できる力や、困難に立ち向かう勇気を持つことはできなかったでしょう。だからこそ、過去の自分の努力や苦労を大切に思っています。 

社長が普段心がけていることがあれば教えていただけますか? 

そうですね。細かいことでも一つひとつの取り組みに対して本気で考えるようにしています。例えば、会社の中で目標を決めるときは、年間の目標だけでなく、1週間の目標も決めます。極端に言えば、何か1つするならそれも目標を決めてやるべきです。例えば、広告を出す際でも、お金を出すだけではなく、その分の価値を考えて行動するようにしています。 

具体的な目標設定が重要なんですね。 

仕事を任せるためには、目標設定が重要です。実は、みんなに仕事を任せ始めたきっかけは、父の死でした。父はガンを患っていたんですが、亡くなる前の日、会社で重要な会議があり、父は当然ながら社長としてその会議に参加していました。今思えばまるでお別れのように、会議後にみんなと握手をし、一人ひとりに手紙を配っていました。 

次の日は決算賞与の日で、父は「会社の宝はみんなである」と話し、全員に感謝の気持ちを伝えました。その言葉が今でも心に残っています。その翌日、父は自宅で息を引き取り、夜には社員や幹部が駆けつけてくれて、落ち着いたのは朝の4時頃でした。とりあえず会社に行かなければと思い、5時ごろに会社に行ったんです。 

父はもう会社にはいませんでしたが、商品が積まれたトラックが15台並び、もう少ししたら社員も出社し始めて、会社が動き始めるんだなとぼんやりその光景を見ていた時、私は深い覚悟を感じました。父がいなくなっても会社は動き続ける、その現実を目の当たりにし、これからは自分がその役目を果たさなければならないと強く思いましたね。 

亡くなる前日に社員の皆さんに感謝の言葉を伝えられたというのは先思い思いの強さや、そこから吉田社長が引き継いでいく決意もすごく伝わりますね。 

この12時間の出来事は、私にとって大きな変化をもたらしました。一瞬一瞬が鮮明に思い出され、父の言葉や行動が今でも私の中で生き続けています。父の存在の大きさを改めて感じるとともに、その跡を継ぐ責任を強く意識するようになりました。これから先、どんな困難が待ち受けているかわかりませんが、父の教えを胸に、社員一人ひとりの力を信じて、会社をより良い方向へ導いていきたいと思います。 

父が築いたこの会社を、これからも大切に守り続け、次の世代へと引き継いでいくことが私の使命です。父が私たちに遺したもの、それは単なる業績や財産だけではなく、人と人とのつながりや信頼、そして夢を持つことの大切さだと考えています。 

それは大きな転機だったんですね。先代の社長の「会社の宝はみんなである」という言葉は、社員の皆さんも感動したでしょうね。 

そうですね、その手紙が父の遺言のようになってしまいましたが、それが社員との絆を深めてくれました。 

お父様の思いを受け継ぎ、社員との絆を大切にしているんですね。 

給与面だけでなく社員旅行や休みの日など、環境を整えることも同じくらい大事だと思っています。 

140年の歴史を持つ企業で、新しいことにチャレンジし続けるのは素晴らしいですね。 

そうですね。以前は主に給料を上げることに重点を置いていましたが、現在は社員が快適に働ける環境を整えることにも力を入れています。社員が楽しく働ける環境を作ることが、長期的な成長と成功につながると信じています。 

取材協力:
吉田社長
株式会社デンヒチ
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