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若者を惹きつける“黒い星”の秘密

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「黒ラベル」20代顧客、10年で1.6倍:日経MJ

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「若者のビール離れ」と耳にすると、“ああ、時代が変わったんだなあ”なんて思う。ところが、サッポロビールの黒ラベルだけは、20代のお客さんが増えているというんです。

そもそも黒ラベルは1977年に誕生した、ある意味ちょっと“渋い”ビール。ところが近年、銀座にある常設のバーを拠点に、「味そのもの」じゃなくて「体験や世界観」をうまく伝えているらしい。なるほど、現代の若者は広告を見て「買おう」じゃなくて、心を“動かされて”「いいな、また飲みたい」と思う、そんな回路を持っているのかもしれません。

銀座の一杯は、特別なはじまり

東京・銀座にある「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」。このお店が、一風変わったコンセプトを掲げています。注ぎ方を変えて3パターンのビールを楽しめるのですが、1人2杯までしか注文できない。「おいしい瞬間を大切に味わってほしい」という想いが込められているわけです。

しかも「バーデビュー」としてここを選ぶ20代が増えているとか。親と一緒に来て“初めてのビール”を体験する若者もいるらしい。そういう「初めての記憶」って、その後の人生を思い出深いものにしますよね。初めてのアルバイト、初めての失恋、初めての海外旅行……“初めて”にはちょっとした特別な魔法がある。

このバーという空間は、「この一杯がわたしにとって初めてなんだ」というワクワクを生み出しているんじゃないでしょうか。

丸くなるな、星になれ

黒ラベルには「丸くなるな、☆星になれ。」というメッセージがあります。味の個性をゴリ押しするのではなく、「飲んでいるあなた自身の個性も大切にしたいよね」という姿勢が垣間見えます。

思えばビールって、「大人ってこんなふうに楽しむのか」という憧れをくれる存在でもある。若い人は特に、“大人の余裕”とか“自分らしさ”を模索している時期に、ちょっと背伸びして「ビールの味を知る」という体験をする。そこに「さあ、君は星になれるぞ」なんて応援の言葉が飛んできたら、なんだか背中を押された気持ちになるんじゃないかな。

5年かけてわかったこと

ただ、この黒ラベルのブランド再定義がすぐに結果を出したわけではないらしいです。新しいビジョンを立ち上げた2008年頃から、本格的に数字に表れるようになるまでに5年を要したんだとか。

でも、その間に「自分たちはこういう世界観をつくりたいんだ」というメッセージをきちんと伝え続け、体験できる場を整えていった。結果、20代の比率は1.6倍に伸び、売り上げが約1.9倍にまで成長したそうです。これはビール離れが叫ばれる時代だからこそ、むしろ目立つ躍進ともいえますね。

就活生へのちょっとしたエール

これ、ぼくらの生き方にも通じる話じゃないかな。「こんなふうになりたい」と思う世界観を、あせらず地道に表現していく。すぐには誰にもわかってもらえないかもしれないけど、5年くらいじっくり続けると、あるとき「そうか、あなたって、そういう人なんだね」と気づいてもらえることがある。

就活中だと特に「どうしても結果が欲しい」と思いがちだけど、人生のブランドづくりは急がば回れ。好きなものや価値観を、少しずつ行動に移していく。それが結局、面白い人を引き寄せたり、自分のチャンスを見つけたりするカギになるんじゃないでしょうか。

「丸くなるな、星になれ。」は、とても力強い言葉です。だけど、それは“がむしゃらに尖れ”って意味じゃないと思う。自分の星を見つけて、そこに向かってじっくり光を出してみよう、というやさしいメッセージだと、ボクは感じるんです。

銀座のバーで最初の一杯を味わった若者は、その特別感を一生大事にするかもしれない。ぼくらの日常の中にも、そんな“はじまりの一口”はころがっているのかもしれない。いつか、「実はあのとき飲んだ黒ラベルがね」と、誰かに話せる日がくるといいですね。

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