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スカパーJSATの挑戦 宇宙ビジネス

宇宙に飛び立つ10基の小型衛星

本記事では、著作権の関係上、具体的な内容の詳細な引用は避けつつ、リンク先の記事を参考にして執筆しています。記事の全文をご覧になりたい方は、以下のリンクから原文をご確認ください。

スカパーJSAT、宇宙安保に重心:日本経済新聞

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「人工衛星」と聞くと、遠い宇宙のロマンのように聞こえるけれど、今回の記事を読むと、どうやらスカパーJSATが本気で「宇宙から地球を守る」時代を拓こうとしているらしいのです。

そのキーワードは「地球観測衛星」。2027年までに10基の小型衛星を低軌道に打ち上げる計画が動き出しています。

「地球観測衛星」とは何だろう? 専門用語をやさしく解説

まず、低軌道(LEO)とは地上からおよそ150〜2000キロメートルほどの高さをぐるぐる周回する軌道のことです。そこに小型の観測衛星を多数配置することで、地表を細かく撮影できる仕組みになっています。

一方、静止軌道という言葉も耳にしますが、これはもっと高いところ(高度約3万6000キロメートル)で、地球の自転に合わせて静止している軌道のこと。スカパーJSATはすでに17基の静止衛星で通信サービスを提供してきましたが、今回の10基は、より「低い」場所から世界中を高頻度に撮影して、防衛省をはじめとする官公庁や民間に画像を販売するのだそうです。

これによって何ができるのか。記事によれば、約30センチメートル単位の物体を見分けられるほどの解像度に加え、数十分ごとに同じ地点を撮影可能な体制を整えるとのこと。たとえば車がどんな車種なのか、港に入港する船がどこの国の船か、わりと細部までわかってしまう。その精密さにはちょっと驚きます。

安保需要が後押しする時代背景

なぜ今、ここまで大掛かりな地球観測ネットワークが求められるのでしょう。背景には「地政学リスクの高まり」という言葉がよく登場します。

このところ、世界のあちこちで軍事的な緊張が高まりつつあります。ミサイル艦がどこを航行しているか、軍事基地で何が起きているか――そうした情報が、国の安全保障に大きく関わるようになりました。スカパーJSATが1月に「宇宙安全保障事業本部」を新設したのは、まさにこの需要の高まりを見据えてのこと。

しかし、それだけがゴールではありません。長期的にはインフラ設備の監視や災害時の被害状況把握など、人々の生活を支えるいろいろなシーンにも展開していくと言われています。最初は安保分野だとしても、その先には市民生活の安全・安心を実現する可能性が広がっているのです。

宇宙から見えてくる未来と、その可能性

スカパーJSATは、衛星通信の管制や運用に30年以上も携わってきた“老舗”企業です。これまでは米国企業から衛星画像を購入して販売していたそうですが、今度は自分たちで撮影から分析まで行い、より高付加価値なサービスを展開する狙いがあるのでしょう。投資額は400億円ほど、2030年度には200億円規模の売り上げを目指すとのこと。

大げさに言えば、「空から見張り番が見守っている」という状態が、私たちの身近な現実になろうとしています。もちろんプライバシーや安全保障上の懸念も議論されるでしょう。しかし、新たな産業として、宇宙がもたらすチャンスと責任は、これからいよいよ本格的に試されていく段階に入ったといえます。

私たちはどう向き合う?

宇宙から地球を見つめるというのは、どこかロマンチックですが、その目線はまるで「広い宇宙からの俯瞰」です。目の前の争いや問題ばかりにとらわれず、もう少し大きな視点で物事をとらえる。そんな考え方が広まっていったら、世界はどう変わるのか。

この技術が、国の防衛だけでなく、生活をより豊かにしてくれるツールになりうるならば、私たちはそれをどう使うべきか。いずれは農地の管理や漁場のモニタリング、自然災害の予測や復旧、さらには新たなビジネスチャンスまで、様々な夢が広がることでしょう。

宇宙は、ただ遠いだけの場所ではなくなりました。スカパーJSATの今回の計画を「宇宙技術の進歩」と一括りにするのではなく、その先にある大きな未来地図を思い描く。10基の小型衛星が私たちの暮らしをどんなふうに見つめ、支えてくれるのか――この一歩が、新しい時代のはじまりかもしれません。

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