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シンガポール“次世代港”が描く世界

シンガポール 世界最大規模の自動化港を目指して

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【グローバルウオッチ】世界最大の「次世代港」へ シンガポール:日本経済新聞

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シンガポールは、小さな国土ながらも世界の海上輸送を支える要として発展してきました。そんなシンガポールが、さらに先を見据えて進めているのが“次世代型”の港湾づくり。記事によると、国西部にあるトゥアス港を拡張し、国内の主要港を集約することで、2040年代には世界最大級の自動化港が完成する見込みだといいます。

一見、「港湾の拡張なんてどこにでもある話じゃないか」と思うかもしれません。でも、その“自動化”や“拡張規模”のスケールが違うのです。港内は、昼間にもかかわらず静まりかえり、人の姿がほとんど見えない。港を走るのは、無人搬送車(AGV)と呼ばれる四輪の黄色い車両ばかり。港湾の仕事といえば、重い荷物を人が力を合わせて動かすイメージを抱くかもしれませんが、そんな先入観をさらりと覆してくれる世界が広がっています。

“AGV”や“RFID”って何?――専門用語をやさしく解説

AGV(無人搬送車)

AGVとは「Automated Guided Vehicle」の略。コンテナなどの貨物を運ぶために設計された無人走行車両です。トゥアス港では、このAGVが遠隔操作によって荷物を運び、人手の代わりに働いています。最大の特徴は、24時間体制で稼働できること。充電も自動化されていて、わずか20分の充電で6〜8時間ほど走り続けられるため、休むヒマなく働きつづける“港の縁の下の力持ち”といえる存在です。

RFID(無線自動識別)

Radio Frequency Identificationの頭文字を取った言葉で、電波を使って情報を読み書きする技術です。トゥアス港では、AGVに搭載されたRFIDシステムが地面に埋め込まれたトランスポンダー(無線中継装置)とやりとりし、位置情報を正確に把握。これにより、常に最適なルートや動作を遠隔で制御・管理できます。

変化する世界情勢と港の存在意義――小国シンガポールの戦略

シンガポールは国土が小さく、自前の天然資源に乏しい国です。そのため、19世紀から東西貿易の中継地としての地の利を活かし、積み替え港として発展してきました。記事によれば、世界の港ランキングではコンテナ取扱量で常に上位に位置し、今や世界第2位。

しかし、近年はマレーシアやタイ、インドネシアといった周辺国も港湾拡張や陸路の整備を着々と進めています。さらに地政学的リスクや供給網の再編(中国から東南アジアへの生産移管など)も重なり、東南アジア地域の港は注目の的。シンガポールが“ハブ港”としての地位を維持するには、ほかの港に先駆けて先端技術を導入し、「どれだけ効率よく、スムーズに、大量の貨物を扱えるか」を示す必要があるわけです。

次世代の港が映し出す時代背景――デジタル、環境、そして安全保障

シンガポール政府は10年ぶりに新たなデジタル国家戦略を打ち出し、人工知能(AI)や衛星を用いた「次世代船舶交通管理システム」の導入にも乗り出しています。これによって、港湾内の混雑や船舶の動きをリアルタイムで管理し、効率化することをめざすのです。まるでゲーム画面のようなカラフルな表示がモニターに映し出され、AIが最適解を導く――映画の未来シーンを思わせる光景ですが、それがすでに現実のものになろうとしているわけです。

一方で、環境問題やセキュリティー面の課題も見逃せません。無人化が進めば進むほど、高度化するサイバー攻撃への備えが必須となり、電動化の推進によって温暖化ガスをいかに削減できるかも大きなテーマとなります。シンガポールの運輸省によると、AGVなどの電動化された設備は従来のディーゼル原動機と比較して炭素排出量を約半分に削減できるそうです。港の規模が拡大するほど、こうした環境対策のインパクトも大きくなるでしょう。

「未来」は誰の手の中にあるのか

「資源のない国は頭を使う」、まさにシンガポールはその代表例でしょう。国の発展は港とともにあり、そこに最先端のテクノロジーを惜しみなく投入する。その姿勢こそが、世界中の企業や投資家を引きつけてやまない理由なのではないかと思います。

ただし、自動化やデジタル化はあくまで手段であって、どのように活用するかが本当の勝負どころです。AGVが24時間休まず働こうとも、その運用を考え、システムを構築するのは“人間”の仕事。コンピューター上で最適解を見つけても、最後にそれを実行に移す決定権を握っているのは、やはり人間なのです。

規模拡大だけにとどまらず、環境や安全を含めた複合的な課題にどう対処していくか――それが、次世代港プロジェクトの真の挑戦。小国シンガポールが放つ大きな光は、東南アジアのほかの国々、さらには世界中の港づくりにも影響を与えていくはずです。

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galaxia

株式会社Galaxia代表取締役でありリクルートWebマガジン「Vamos」編集長を担当。「Vamos」編集長としては、自身のキャリア体験を踏まえながら、キャリアアップをめざす若者へ有益な情報や学びのきっかけを発信中。

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