不安な時代、それでも「わからない」ままがいい

不安な時代の相場観と、その先に見えるもの

本記事では、著作権の関係上、具体的な内容の詳細な引用は避けつつ、リンク先の記事を参考にして執筆しています。記事の全文をご覧になりたい方は、以下のリンクから原文をご確認ください。

（広木隆のWalk in the Market） 「分からない状態」への不安：日本経済新聞

※リンク先は日本経済新聞の記事です。閲覧にはログインが必要な場合があります。

「どうして株価はこんなに動いてしまうんだろう？」――この記事では、いわゆる投資の“プロ”であっても「よくわからない」と感じることがあるよ、という話がされています。とくに、トランプ政権による関税の発動が報じられたときに、株価が大きく下がった。でもその下落理由を「関税のせいだ」と一言で片付けるのは、本当に正しいかどうかはわからない。

人はすぐに「説明」を求めます。ニュース番組やワイドショーでも、「株価が上がった理由は？」「なぜ急落したの？」という問いに、一言ですっきりした答えを期待してしまう。でも、この世界の動きは、じつはそんなに単純じゃない。だからこそ「わからない」というのが、あるときはいちばん正直な答えになる、というのです。

専門用語をやさしく解説する

「タイパ」って何？

記事の中にも「タイパ重視」という言葉が出てきます。これは「Time Performance（タイムパフォーマンス）」の略で、限られた時間の中でどれだけ効率よく成果を得られるか、という考え方。たとえば動画を倍速で視聴したり、要点だけすばやくまとめて知りたいといった需要が高まっていることが背景にあります。

しかし、株式相場のように複雑な世界では、なかなか「手短に」「効率的に」理解できることばかりではありません。遠回りに見えても、じっくり考える時間が大切になる場合もあるわけです。

「因果関係」と相場のむずかしさ

もうひとつ、キーワードになっているのは「因果関係」。たとえば「関税が上がったから株価が下がった」という図式は、一見わかりやすい説明に見えます。だけど、ほんとうにそうなの？　そこには他の要因が混じっているかもしれないし、その日の投資家の心理、世界情勢、そのほか複雑にからんだ事情があるかもしれない。株価の動きに単純な因果関係を当てはめるのは、考える以上にむずかしいというわけです。

この記事から浮かび上がる時代背景

人はどうしても不安を減らしたいから、「これが原因でこうなった」と言い切りたくなる。でも、実際には「わからない」という状態こそが世の中のリアルなのかもしれない。

近年は情報が多く、SNSであっという間にニュースが広まります。だからなおさら「なるほど、そういうことだったのか！」というシンプルな説明を求める気持ちが強くなるのです。テレビやネットを見ていても、専門家が簡潔に断言すると、安心してしまうことがありますよね。

だけど、断言できないことは山ほどあるし、株式市場のように大量の思惑や事情が複雑に入り組んでいるところでは、ますます「答えがない」という結論が現実的だったりします。じつはこれは、投資だけでなく、僕たちのふだんの生活にも通じる話なんじゃないでしょうか。

「わからなさ」を楽しむということ

ここで大切なのは、不安に対してあわてて“わかりやすい答え”をつくろうとしないことかもしれません。むしろ、「わからない」を受け入れることで見えてくる風景がある。その風景の中で、まったく違う発想や新しい気づきが生まれることもあるでしょう。

タイパ重視の現代だからこそ、少し遠回りする話が、意外なヒントになることがあります。情報は増えすぎているのに、なにか重要な視点がすり抜けている――そんなとき、いろんな角度から問いかける長い話は、思わぬつながりやアイデアを引き出すきっかけになるのです。

相場も人生も、さまざまな人の思いが交差して動いていきます。「こうなる」と決めつけずに、あれこれ考えてみる。そこに寄り道のように見える会話やエピソードが混じってくるからこそ、面白いのかもしれません。

もしも毎日が単刀直入な答えだけで満ちていたら、それはそれで味気ない。ならば、「わからない」という答えを少しだけ楽しんでみるのはいかがでしょう。いつか振り返ったとき、その遠回りが、大事な道しるべになっているかもしれませんから。

Vamos学生メンバー募集

「もっと企業を深く知りたい」「ガクチカを充実させたい」と思ったら、Vamos学生メンバーとして取材活動がおすすめ。実際に先輩たちが楽しみながらスキルを伸ばしている様子を、リンクの体験談でチェックしてみてください。参加希望の方は、Vamos公式LINEへ「説明会参加希望」とメッセージを送るだけで簡単にスタートできます！

Vamos公式LINEはこちら