
富士フイルム、最高益に映る未来
最高益を続ける富士フイルム――カメラと半導体から広がる物語
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(ここが知りたい) 富士フイルムHD カメラ・半導体材料伸び最高益:日経ヴェリタス
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富士フイルムと聞くと、まずは「チェキ」やデジタルカメラを思い浮かべる人が多いでしょう。だけど、いまの富士フイルムは、かつてのフィルム会社の枠をはるかに超えているらしい。日経新聞の有料会員向け記事(リンクは下記参照)によれば、2025年3月期も純利益が5年連続で過去最高を更新しそうだとのこと。
カメラや半導体関連の分野でしっかり稼ぎ、さらにその先の大きな勝負どころに資金を投じている――そう聞くと、どうやらこの企業はかつての「写真の富士フイルム」のイメージだけでは捉えきれない存在になったみたいです。
そして、次の成長の柱と位置づけるのは「バイオ医薬品の開発・製造受託」、いわゆるCDMO事業。これは専門用語だらけでちょっと難しい世界ですが、記事によれば、「台湾の半導体ファウンドリのように、バイオ医薬の世界のTSMCを目指す」という力強い言葉があるとか。写真フィルムが主役だった時代から、ここまで事業を広げるとは、なんだかものすごい“化学反応”が起きているように感じます。
これだけ押さえておこう――「CDMO」や「ADC」って何?
ここでちょっと出てくる専門用語を整理してみましょう。
CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)
医薬品の開発や製造を請け負う受託企業のこと。製薬会社がおこなってきた研究・生産をまとめて請け負うのが特徴です。半導体のように分業化が進むことで効率的に新薬を生みだせるしくみ、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
ADC(Antibody Drug Conjugate)
抗体と薬物を化学的につないだ複合体のこと。がん細胞などをピンポイントで狙いうちしながら、薬剤の効果を高める技術です。バイオ医薬と化学合成の両方のノウハウが必要で、富士フイルムにとっては大きな強みを発揮できる領域といえそうです。

変化をおそれない企業文化――映るのは時代の流れ
もともと写真フィルムで成長してきた富士フイルム。ところが2000年代にデジタル化の波が押し寄せて、フィルム市場があっという間に縮小した。その荒波のなかで、医療機器や化粧品、そしてバイオ医薬の領域にまで舵を切ったのが大きな転換点だったわけです。
この記事によれば、中国市場の医療機器の販売減少や、国産品の優遇措置による逆風もあるようですが、それを見越して工場の現地化を進めるなど、先回りの手を打っているというのですから、しぶといし、したたかです。
一方で、半導体材料への大型投資も続ける。CMPスラリーという研磨剤の需要が伸びる先端分野へ果敢に攻め込むのだとか。どうやら「かつて世界がフィルムを必要としていた」ように、「これからは富士フイルムのバイオ医薬や半導体材料が必要とされる時代」を見据えている。そう考えると、富士フイルムがいま描いている地図は、私たちの生活のあらゆる領域に繋がっているように思えます。
写真フィルムから世界を見つめる
富士フイルムは、写真やカメラの会社であっただけに、「映す・写す」というDNAがあるのかもしれません。会社のなかに脈々と流れる「ものを見るチカラ」は、バイオや半導体という異なる世界でも活きているのではないでしょうか。
写真フィルムの市場が縮小したとき、ただ嘆くのではなく「じゃあ、次は何をやろう」と思いきれる柔軟さ。そこに、これからの時代を切り開くヒントが隠されているように感じます。
世界のヘルスケア需要やデジタル社会への移行は加速するばかり。フィルムですくいとってきた光のイメージが、いまやバイオ医薬や半導体の世界に投影されている――その姿は、時代が大きく動くときの“サバイバルと創造”の象徴なのかもしれません。
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