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島津製作所 ストロンチウム光格子時計「新しい時間」

超高精度100倍の驚き

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島津製、精度100倍の光格子時計:日本経済新聞

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最近、とてつもなく精度の高い時計が登場したと聞きました。島津製作所が開発した「ストロンチウム光格子時計」。100億年で1秒ほどしか狂わないなんて、もはや冗談かSFの世界の話のようですが、れっきとした現実のテクノロジーです。これまで標準とされてきたセシウム原子時計の100倍以上の精度を実現するといわれています。もしもそんな時計を日常生活にポンと置いたら、「今日5分も早く起きちゃった」なんてことが、ひどく大らかな笑い話になってしまうかもしれません。

販売価格はなんと5億円。3年で10台売ることをめざすそうです。このニュースだけを聞くと「金額も発想も桁違いだなあ」と驚きますよね。でも、この話は「時間を測る」という行為を、私たちが改めて見つめ直すきっかけにもなるのではないでしょうか。

「ストロンチウム光格子時計」の仕組みをやさしく解説

難しそうに思える「光格子時計」とは、イオン(荷電した原子)などの動きをとても厳密にコントロールすることで、時間を測定する技術です。今回のニュースで注目されているのは、ストロンチウムという金属原子を使っている点です。ストロンチウム原子の電子遷移の周期を基準にして、一定のパターンを光で計測するイメージと考えるとわかりやすいかもしれません。

従来の「セシウム原子時計」では、セシウム原子の振動数を基本にしています。これを光格子時計に置きかえると、その基準となる“揺れ”が格段に早く、さらに安定しているため、100倍も精度が高まるのだとか。「光格子」というのは、レーザー光を使って格子状の空間を作り、そこに原子を“閉じ込める”イメージです。そのおかげで原子が勝手に動き回らず、測定の誤差を極限まで減らせるというわけです。

時代を映すテクノロジー──精密計測がもたらす新しい視点

私たちは「1秒」というものを、もう当然のように使ってきました。その定義は長らくセシウム原子によって支えられていたのです。しかし、新たなテクノロジーが世の中に出てくると、「今まで当然だったもの」が、あっさりと置き換わることがあります。こういう話は大袈裟に言えばパラダイムシフトですよね。スマホが登場してから電話のあり方が変わってしまったように、「時間の測り方」もまた大きな転換期を迎えつつあるのです。

しかもこの超高精度の時計は、広い意味で世の中を変えるかもしれません。たとえば、地球の重力や大気の状態、あるいは宇宙レベルの計測など、正確すぎるくらい正確な時間の単位があれば、いままでは見えなかった世界の変化を捉えられるかもしれない。ちょっと想像するとワクワクしてきます。

時間の正確さと人間のゆらぎ

「100億年で1秒しかズレない」と聞けば、「そんなに正確じゃなくてもいいのでは?」と思う人もいるでしょう。人間はどちらかというと誤差や曖昧さの中で生きるのが得意です。約束の時間に少し遅れたり、予定が合わなくても「まあいいか」と笑いあえるくらいの緩やかさは、私たちの文化や日常の豊かさでもある。

その一方で、科学技術の世界は、できるだけ誤差を削り取る方向へ進化してきました。そこには新しい発見と、新しい時代を開く扉があります。厳密な時計がもたらす未来と、人が持つゆるやかな時間感覚。この両方が混ざり合うことで、まだ見ぬ可能性が広がっていく。5億円という桁外れの価格タグも、いつかは「そういえば昔は高かったよね」と言われる日がくるかもしれません。

「正確すぎる時計」と「人間のあいまいな時間感覚」、その掛け合わせが、これからの時代のユニークな風景を描きだすのだと思います。まるで浮世絵の新しい版画が一枚刷り上がったような感覚。その風景には、まだ名前すらついていません。でも私たちはいつだって、新しい景色に名前をつけて楽しんできたはずです。そう考えると、このストロンチウム光格子時計は、未来の歴史の1ページをめくるための、小さな大きな「秒針」のように思えるのです。

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