
「人手不在」の時代 人と国がともに育つ未来
いまこそ「人は宝なり」を本気で考える
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人財立国への道・国富を考える(1) 人手消滅、眠れる力を発掘:日本経済新聞
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日本社会が迎えつつある“人手不在”の時代。人口減少が進み、女性もシニアもすでにフル回転で働いているのに、さらに働き手がいなくなっていく。今回紹介の記事にあるホテルの事例では、「1人3役」や「1人6役」といった多能工化によって売上高を大きく伸ばし、しかも従業員の給与水準も県内平均を上回っているそうです。これは「こき使う」ブラック企業とは真逆で、社員それぞれが持つ力を活かそうとする仕組みづくり。それが大きな成長と多様な働き方を同時に実現しているのです。
こういう話を耳にすると、「人手不足?」とネガティブにとらえがちだけれど、じつは「不足」という危機感が、逆に新しい働き方や挑戦の土台になるのかもしれません。そもそも「人は宝なり」なんて、ずいぶん昔から言われていたはず。でも、ほんとうに「宝もの」として大事にしていたか? と問われると、なんだか耳が痛い。いまこそ“宝探し”を始めるチャンスなのだと思います。
専門用語をやさしく解説:多能工化とニューロダイバーシティ
多能工化
記事のなかでキーワードになっている「多能工化」は、端的にいえば「1人が複数の役割を担い、いくつかのスキルを身につけること」です。ホテルの例でいえば、フロント対応、レストランの接客、SNSでの情報発信など、一見バラバラに見える仕事を1人がこなす状態です。手が足りない時代にあっては効率的ですし、同時に働く人もやりがいを得やすい。どれかひとつの技能だけではなく、自分の新しい側面を仕事で試せるのがポイントです。
ニューロダイバーシティ
もうひとつ、記事で注目したいのが「ニューロダイバーシティ」という考え方。これは「脳や神経の多様性を認め合う」という意味で、発達障害のある人もそうでない人も、それぞれが違った才能を発揮できるようにする取り組みを指します。ある企業では、「あれ、それ」といった曖昧な指示を避けるなど、コミュニケーションを工夫するだけで自閉症スペクトラム障害をもつ社員が本領を発揮できるケースが紹介されていました。要は「みんな同じように働かないといけない」という常識を脱して、人それぞれの強みを活かすという発想です。

みえてきた時代背景 人手不在だからこそ生産性が鍵
2025年問題をはじめとする人口構造の変化は、いまや日本の至るところで焦点になっています。働きたくても環境が整わず力を出し切れなかった人、あるいは企業になじめなかった人が、社会全体でみれば“埋もれた資源”として眠っているんじゃないか。そんな人たちが活躍すれば、生産性はまだまだ伸びる。記事に出てくる英語教育の話も同じで、多様な背景を持つ人たちが日本を訪れ、働き、学ぶという世界になったときに、語学力だけでなく、異なる文化を受け入れる柔軟性が欠かせません。
一人ひとりの可能性を育む、それが国の富になる
「人手不足」の先にある「人手不在」という言葉には、正直ちょっとゾッとする響きもあります。でも、考えようによっては、これが「みんなが活躍できるチャンス」の始まりなのかもしれません。企業も社会も「人を宝もの」として扱い、その才能を伸ばせる仕組みを整える。それが、いま求められている“国富”への道だと記事は教えてくれます。
アダム・スミスが「国富論」で説いたように、人の力(人的資本)は国や企業を支える巨大なエンジンです。ただ、それは勝手に動き出すエンジンではありません。少しずつメンテナンスし、新しい燃料を入れ、ときには磨いてやらないと錆びついてしまう。
それこそが「人を育てる」とか「多様性を認め合う」といった行為なのだと思います。人口減が進む日本に残された可能性は、まさしくそこに眠っているのです。社会と人がいっしょに成長できる未来――そこへ向かう第一歩を、この記事は示しているのではないでしょうか。
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