
鉱物資源の生産と地球の“いのち”を考える
水と資源が結びつく世界を、あらためて覗いてみる
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みなさんは、ふだんの暮らしで「水不足」という言葉をどのくらい意識しているでしょうか。アフリカの砂漠地帯や、高温で雨が少ない地方を想像するかもしれません。でも、今回紹介する日経新聞の記事では、どうやらそれだけでは済まない話のようです。
産業技術総合研究所などのグループが、金属や鉱物などの32種類もの資源の採掘・精錬プロセスにおける「水の不足具合」を分析した結果、なんと2010年の時点で、銅や金など25種類もの生産量が「水を使い続ける許容量」を超えていたというのです。これを聞くと、ちょっと大げさな気がする人もいるかもしれません。しかし、「水がないと生きていけない」のは、人間だけじゃありません。大規模な鉱山や精錬工場にとっても同じこと。そして、その水不足が続くと、資源が採れなくなるだけでなく、環境への影響も深刻になる。そんな指摘がなされているわけです。
たとえばスマートフォンや家電に使われる金属資源。これらの裏側には、実はたくさんの水が必要。そう考えると、「鉱物と水のバランス」がどれほど大事か、見えてくる気がしませんか。
専門用語をわかりやすく解説――「資源生産の許容量」って何?
この記事を読んでいて「資源生産の許容量」という言葉が出てきたとき、私も「なんだかむずかしそうだな」と思いました。けれど、これをかみくだいてみると、要するに「自然環境がムリなく支えられる限界を超えないで資源を生産する量」という意味なんです。むやみに水を使い続けてしまうと、その地域の自然はどんどん苦しくなっていきます。だからこそ、「どれだけの水を使っても大丈夫か」という上限値を定める必要があるわけですね。
もうひとつ似たような概念で「水ストレス」という言葉もあります。これは「その地域で必要とされる水量に対して、実際に利用できる水量がどれだけ足りていないか」という度合いを示すもの。要するに水不足がどのくらい深刻かを示す指標です。こうした概念を理解すると、「どこでどれだけ大変な状況になっているか」が、よりはっきり見えてきます。
あなたのスマホと地球の水はつながっている
スマホやパソコンなどの通信機器はもちろん、家電、車、インフラ設備など、私たちの暮らしはあらゆるところで鉱物資源に支えられています。けれど、その資源を生み出すために「大量の水」が必要とされていることは、実感しにくいですよね。だからこそ、世界の約7割を占める約3300の鉱山を調べたデータから、どれくらい「水」の余裕がなくなっているのかを分析し、「これ以上は限界に近い」というシグナルを出してくれているのが今回の記事のポイントだと思います。
近年、環境問題への関心は高まっていますが、温暖化やプラスチックごみのように、目に見えやすいインパクトとはちがって、「水不足と資源生産の関係」は、やや地味で見落とされがち。でも、世界中がスマホやコンピューターを使う今の時代は、すなわち「あらゆる鉱物資源と水が密接に結びついている」時代と言えるのです。

水と資源をめぐるこれからの歩み方
では、私たちはどうすればいいのでしょう。難しい話に聞こえますが、大きな政策や技術革新の前に、まず「問題意識をもつ」ことが始まりだと思います。たとえば、今回の記事で提示された「持続可能な範囲を超えた資源の使用状況」を、もっと身近な話題としてとらえること。私たち一人ひとりが「このスマホの裏には、大量の水が必要だったのかもしれない」と気づくだけでも、ずいぶん違うはずです。
資源を掘り出す技術はどんどん進み、水をリサイクルする技術や、少ない水でも動かせる生産プロセスも研究されています。国際機関や企業も、水と資源のバランスを考えた取り組みを進めています。それらが広まり、さらに「私たちユーザー」が地球の水を意識した行動をとれば、少しずつでも変化は起きるでしょう。
水というのは、どこか目立たない存在のようでありながら、私たちの暮らしや資源の裏側を支える巨大な柱でもあります。そんな水不足が静かに迫っていると聞くと、「いやいや、どうにかしなきゃ」と思わずにはいられない。もしかすると、この記事を機に、地球上の「あちらこちらで悲鳴をあげている水の声」に耳をすます人が増えてくるかもしれません。
私たちの日常と世界をつなげる「水と資源」の話は、まだまだ続いていくはずです。今回の記事が教えてくれたことを、一人でも多くの人が共有し、考え、行動を選びとるきっかけになればいいな、と心から思います。
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