第1話:何者でもなかった私が、地球一周に踏み出すまで
「20歳で世界一周なんて、夢のまた夢だと思っていた――。でも、ふとした一言をきっかけに、“平凡な女子大生” だった私の人生は大きく動き始めたんです。」
19歳のモヤモヤ
私は北九州市で生まれ育ち、小学校から高校まで地元の公立学校に通っていました。部活を楽しんだり、友達と遊んだり、それなりに充実した学生生活でしたが、「特別な目標」や「やりたいこと」はなかなか見つからず、気づけば19歳。卒業後の進路も漠然としていて、胸の中には“このままでいいの?”というモヤモヤばかりが募っていました。
初めての海外生活で感じたワクワク
そんな中、「海外に出てみれば何か変わるかも」と思いつき、オーストラリアへの短期留学を決行。青い空、雄大な自然、ホストファミリーとの交流――すべてが初めてづくしで、刺激的な体験でした。
しかし帰国後の生活は、驚くほど何も変わらない。視野が少し広がったような実感はあるものの、劇的な変化は起こらず、「私の人生、これからどうなるんだろう」と不安は消えませんでした。それでも心の中には一つだけ、はっきりとした気持ちが芽生えていたのです。
「もっと、いろんな国を見てみたい」
海外という大きな世界を少しだけ覗いたことで、その想いはどんどん大きくなっていきました。
「世界一周」という新たな可能性
そんなある日、家族や親戚と集まった席で、おばさんが何気なく言ったんです。
「世界一周とか、人生に一度は行ってみたいよね〜」
その言葉を聞いた瞬間、胸がドキッとしました。ちょうど「もっといろんな国を見てみたい」と思っていた私は、「世界一周? そんな選択肢もあるんだ!」と、無性に惹かれたんです。
ネットで調べてみると、「世界一周クルーズ」というものがあるらしい。説明会があると知り、単なる好奇心だけで参加を決めました。
説明会で見た “生き生きとした世界”
説明会の当日、会場では実際に世界一周クルーズに参加した方々の体験談を聞くことができました。見たことのない絶景、大海原を見渡しながら迎える朝日と満天の星空、船上で繰り広げられる多彩なイベント――どの話を聞いても、その人たちの表情はキラキラと輝いていて、熱がこちらにもビンビン伝わってくるんです。
「人生の視野が圧倒的に広がった」
「日本じゃ出会えない仲間ができた」
そんな言葉が、当時19歳だった私の心をガッチリとつかみました。最初は「話だけ聞いてみよう」と思っていたはずが、説明会が終わるころには「行きたい! やってみたい!」という気持ちで頭がいっぱい。その場で申し込み用紙を受け取り、気づけば記入していました。
高い旅費という大きな壁
ところが、家に帰って興奮が少し冷めたとき、「どうやって旅費を用意するの?」という現実問題がのしかかってきました。世界一周クルーズには100万円を優に超える費用が必要。大学生の私にとって、それは相当高いハードルでした。
でも、せっかく湧き上がった「やりたい!」という想いを諦めたくなかったのです。何をやっても中途半端だった自分が、本気になれるチャンスかもしれない。そう思うと、どうしても挑戦してみたくなりました。
次回予告
「平凡な20歳の私が、どうやって半年で150万円の旅費を貯められたのか?」
次回は、具体的なお金の貯め方とその中で得た学びをお話しします。大きな夢には常につきまとう資金問題ですが、意外と乗り超えられるものなんだ、と実感したエピソードです。どうぞお楽しみに!