
「協働ロボット」が開く新しい扉
ロボットが、もっと身近になる日
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ロボットと聞くと、まだどこか遠い世界の出来事のように感じる人もいるかもしれません。でも、そうした「ちょっと先の未来」は、いつの間にか「あたりまえの日常」に近づいてきています。今回の日経新聞の記事は、デンマークのユニバーサルロボット(以下、UR)が日本で初めて修理拠点をつくるというニュース。これは、いままで当たり前だった「海外で修理する」という流れを日本国内で完結させるということなんです。そうなると、修理期間がぐっと短くなる。単純に「うれしいニュースだ」というだけでなく、時代の変化やビジネスチャンスの匂いを存分に感じさせてくれます。
記事のポイントをかんたん解説
今回の記事の主役は「協働ロボット」です。名前のとおり、人間と同じ空間で一緒に働けるロボットを指します。URは欧州最大手といわれ、その協働ロボットを長年、世界各地で販売・サポートしてきました。これまで故障が起きても修理は本国デンマークまで送らねばならず、修理に1カ月もかかったそうです。ところが、この記事によると、新たに日本国内に修理拠点を設け、修理期間を1週間程度にまで短縮するとのこと。自動車産業はもちろんのこと、人手不足に悩む物流や食品関連の分野でも、ロボットの導入が当たり前になりつつあります。
国内に拠点があるというだけで、サポートも格段に向上し、企業が抱く不安をグッと減らしてくれる。まさに「協働ロボット」ならではの頼もしさを実感できるニュースです。
「産業用ロボ」との違い
記事に出てくる用語の中でもポイントになるのが「協働ロボット」と「産業用ロボット」です。ざっくり言えば、産業用ロボットは自動車の組み立てラインなど、大規模で人が近づきにくい場所で大活躍する、いわば“大きくて強力だけれど安全柵が必要”なロボット。一方、「協働ロボット」は同じ空間で一緒に作業できるように設計されているため、ちょっとした作業ラインや小規模工場、あるいは食品加工など、人手が必要な現場にも入りやすいのです。
この「協働」とは、人間とロボットが協力して作業をするということ。たとえば持ち上げ作業をサポートしたり、小さな部品をそっと受け渡したり、まるで人間同士が協力し合うような感覚での作業が可能になります。だからこそ、いま広がっているのです。
少子高齢化とロボット導入が加速する理由
少子高齢化が進む日本では、今後さらに労働人口の減少が予想されます。そこで「ロボット活用で人手不足を補う」という動きが強まっているのです。それも「一気に導入する」のではなく、実際には「必要な部分を少しずつロボットに任せていく」という段階を踏むことが多い。そんなとき、人間と同じ空間で作業できる協働ロボットは導入のハードルが低いというメリットがあります。
さらに、中国でも生産コストの上昇や人手不足が深刻化し、東アジア全体でロボットの需要が上向いている。こうした背景を考えると、今回のURの新たな修理拠点の設立は、「日本やアジアでの需要の高まりを狙う先手」と見ることもできるでしょう。
ロボットの成長市場を読む
ビジネスとして見ると、産業用ロボットと比べるとまだ市場規模は小さい協働ロボットですが、今後大きく伸びると言われています。すでに国内大手メーカーも協働ロボットの分野に本格参入しており、塗装や荷運びなど、より専門的な作業にも対応し始めています。この記事からは、「この分野が本格的に大きくなるのはもう時間の問題だ」という時代のうねりが見えてきます。
ただし、景気が落ち込むとロボット導入への投資が抑えられるというリスクもあるとのこと。そこはどのメーカーにとっても共通の課題。いかに迅速に修理や点検をして、お客さんの不安を消していくか。URが自ら修理拠点を構えたのは、その課題解決への取り組みのひとつでしょう。
人とロボットが近づく未来に向けて
記事から感じるのは、ロボットがますます「人に寄り添う存在」になっていくということです。かつては大きな工場の裏側で黙々と仕事をしていたロボットが、人と同じ空間で、しかもサポート役として活躍する──そんな光景が当たり前になる日は、そう遠くないのかもしれません。
このニュースが示すように、ビジネスや経済の文脈ではもちろんのこと、日常の中でもロボットはきっと役立ってくれる。たとえば重い荷物を運んだり、細かい作業を手伝ったり。そんな「頼れるパートナー」として、ロボットは今後さらに身近になっていくはずです。海外修理から国内修理へという流れには、ビジネスだけでなく、私たちの生活者目線でのメリットも山ほどある。記事を読んでいるだけで、ふとそんな「近い未来」の気配を感じます。
人手不足、少子高齢化、働き方改革──いまの日本が抱える問題を、一気に解決はできなくても、補い合いながら少しずつ乗り越えていこうとする動きこそが「協働」の本質。ロボットの修理拠点設立というニュースは、その変化の始まりをそっと教えてくれるサインなのかもしれません。これをきっかけに、私たち一人ひとりの「ロボットに対する考え方」も変わりはじめるのではないでしょうか。
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