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ジビエでSDGs ? 異色の経歴元Jリーガー
2023.12.13
Jリーグのクラブチームといえば、多くのサポーターが熱狂するサッカーの試合を思い浮かべるかもしれません。しかし、これらのクラブが行う仕事はピッチ上の活躍だけに留まりません。Jリーグ・Jクラブは、地域に根差し、地域に愛されるクラブとなるために、ホームタウンの人々との深い絆を築くための多彩な活動に取り組んでいます。  これらの活動の中でも特に注目されるのが“シャレン活動”すなわち社会連携活動です。  注目の“シャレン活動”とは 今回は、この分野での取り組みに焦点を当て、ギラヴァンツ北九州の社会連携推進部 部長である北出さんにお話を伺います。北出さんは、かつてセレッソ大阪でJリーガーとして活躍された経歴を持ち、その豊富な経験を活かして社会連携活動を推進しています。  サッカーの世界で培われた洞察力と情熱を、地域社会への貢献にどのように生かしているのか、その貴重なお話を伺っていきましょう。  株式会社ギラヴァンツ北九州 社会連携推進部 部長 北出さん 本日はシャレン活動についてのお話をお聞きしたいと思っています。 多くの読者がこの“シャレン”というものにピンときていないと思われます。 教えていただけますか?  北出さん:シャレンとは、社会連携活動のことを言います。  これは、私たちのコミュニティが直面している様々な課題、例えば教育や多様性、まちづくり、健康、世代間の交流などに取り組むための、すごくユニークな取り組みなんです。実は、長年JリーグやJクラブでは地域の人々、企業、団体(利益を追求するものもそうでないものも)、自治体、学校と手を取り合って、これらの問題に立ち向かっています。  この活動は、3者以上の協働を定義にしていて、みんなで価値を創り出そうというのが大きな目標なんです。それを通じて、地域社会を持続可能にしたり、新しい関係を築いたり、新しい学びを得たりするわけです。この取り組みがそれぞれのステークホルダーに新しい価値を見出させるきっかけにもなっているんですよ。それに、ちょっとしたおまけとして『シャレン!』はSDGsへの貢献にもつながっています。  なぜ、Jリーグ・Jクラブはこのシャレン活動にこだわっているのですか? 北出さん:私たちが「シャレン!」活動に力を入れる理由は、Jリーグが掲げる壮大なビジョン「世界で一番地域を愛するプロサッカーリーグになりたい」にあります。  このビジョンは、地域社会との強い結びつきと共生を目指しており、年間25,000回を超えるホームタウン活動を行なっています。JリーグとJクラブは、地域社会に幸せをもたらすことを心から願い、そのための活動を行ってきました。  「シャレン!」は、地域社会をもっと素晴らしい場所に変えるための取り組みで、それは、人々が長く生きたいと思うような場所、子育てが楽しい場所、愛する人と笑い合える場所を増やすことなどを目指しています。JリーグとJクラブは、これまでに培ったスポーツの価値と、私たちが持つリソースを活用し、共に未来を創り上げるという想いを持っています。  この活動は、健康、子育て、生活、ダイバーシティ、働き方、まちづくりなど、地域社会におけるさまざまなテーマに対応しています。「Jリーグの力で地域をより良くする」という想いが根底にあり、どんなアイデアでも歓迎です。JリーグとJクラブは、新しいアイデアや取り組みを求めるすべての人々に「シャレン!」への参加を呼びかけています。  この活動は、人と人が支え合う風景を増やし、共に一歩を踏み出すことから。  Jリーグが「シャレン!」にこだわる理由は、単なるスポーツ組織の役割を超え、地域社会全体の幸福と発展に貢献することにあるのです。  実際にギラヴァンツ北九州ではどのような活動をされてきたのですか? 北出さん:ギラヴァンツ北九州では、2021シーズンから「With!! KITAKYUSHU ~SDGsプロジェクト~」を始動し、社会貢献や地域との連携、新たな事業の創出を推進しています。 私たちは健康・福祉、教育、環境、まちづくり、パートナーシップの5つのテーマを優先的にSDGsに取り組んでいます。これらの活動を通じて、地域社会への貢献と持続可能な発展を目指しています。  一つひとつをお話しすると、  健康・福祉は社会の基盤となるものですね。だからこそ、ギラヴァンツ北九州では、誰もがアクセスできる健康サービスや福祉施設の重要性に力を入れています。スポーツを通じて、地域の健康意識を高めていけたらと考えているわけです。サッカーは、子どもから大人まで、みんなが一緒に楽しめるから、地域全体の結束も強くなるんじゃないかと思っています。  それから、教育の面でも、スポーツを大いに活用しています。子どもたちには、スポーツを通して、礼儀や価値観を教えていくことが重要だと考えています。子どもたちの全面的な成長を支援することが私たちの目標なんです。  環境問題についても、私たちはとても真剣に取り組んでいます。地球の持続可能性は、本当に私たち全員の責任ですから。地域の環境保護プロジェクトに力を入れて、地球温暖化を止める努力や生態系を守るための活動も行なっています。  そして、まちづくりに関しては、強いコミュニティを育てることが持続可能な発展の鍵だと思っています。地域のインフラを改善したり、公共空間を有効に活用したり、文化活動を推進することで、コミュニティの質を高めることに力を注いでいます。  これらの目標を達成するためには、強力なパートナーシップが不可欠なんです。  異なるセクターと協力し合うことで、より効果的な解決策を見つけ出し、実現していくものだと考えています。だからこそ、持続可能な社会を作るためには、みんなで協力することが大事なのではないでしょうか。  様々な活動をされているのですね。その中でもユニークなシャレン活動を教えてください。  北出さん:ジビエを楽しみながら地域社会に貢献したことですね。  食という視点から、一人ひとりがSDGsに貢献できるということを、この経験を通じて実感できました。  最近、ジビエは単に美味しさを求めるブームを超え、日本各地で問題となっている野生動物による被害、いわゆる「害獣問題」に注目が集まっています。これら「害獣」とされる動物を単に処分するだけでなく、食材として再利用を進めることで、日本の農林業や農村地域の保護に貢献し、SDGsの目標達成にも繋がるのです。  しかし、実際には狩猟で捕獲された動物をジビエとして利用するまでには、多くの障壁が存在します。捕獲された鹿のうち市場に出るのは約10%に過ぎず、残りのほとんどは廃棄されてしまうのが現状です。最近、シカやイノシシが人里に出没し、農作物への被害や交通事故を引き起こすなどの問題が増えています。時には熊が出没し、人間へ危害を与えるニュースも多く感じます。これらの動物による被害を「獣害」と呼び、これらの生物を「害獣」と称しています。これらの害獣を狩猟で捕獲し、食肉として利用することで、人の安全や農作物を守ることはもちろん、SDGsの目標達成にも貢献できるんです。  2023年7月、私たちギラヴァンツ北九州は、九州女子大学、豊前市と手を組んで『SDGsジビエカレー』プロジェクトをスタートさせました。豊前市の害獣被害を解決すると同時に、栄養学を学ぶ学生たちに実践的な学びの場を提供するという目的から始めました。  このプロジェクトは、ジビエカレーの開発に一年近くの時間をかけた長期にわたるものでした。商品開発には本気で取り組んで、豊前市ではジビエ加工所「豊前ジビエセンター」を設立して、イノシシやシカの被害を減らすことを目指していきました。捕獲後すぐに加工し、衛生管理を徹底した結果、野生肉特有の臭みを抑えたやわらかな肉質に仕上げることができたんです。私たちもプレミアム食材を使ったカレー完成を待ちわびていました。  学生たちは、一週間に一度集まってアイデアを出し合い、いろいろな問題を解決に向けて取り組んでいました。特に肉の調整には苦労したようです。  また、ジビエ特有の臭みを消す工夫として、スパイスも15種類使うなどの様々な試行錯誤の結果として、ジビエカレーが完成となりました。 九州女子大学で開催された披露イベントでは、カレーを開発した学生たちや豊前市の市長、大学の学長、そして当クラブ代表の石田が一堂に会して、カレーの試食会を行いました。そこでは多くのメディアにも取り上げられて、かなりの注目を集めました。  ジビエカレーを販売することが目標であったので、パッケージデザインにもこだわりましたね。シカとイノシシのイラストに、九州女子大学の梅の花マークを加えて、ギラヴァンツ北九州のチームカラーの黄色もアクセントとして、インパクトのある商品へと完成できました。  このジビエカレー、ギラヴァンツ北九州のホームゲームで販売しましたが、自分たちのSDGs活動がファン・サポーターの皆さんに喜んでもらえて、本当にうれしかったですね!  ギラヴァンツ北九州でのシャレン活動について詳しく教えていただき、ありがとうございます。これから就職活動や転職を考えている読者、特に20代の方々に向けて、これらの活動から得られるメッセージや、彼らがキャリアを通じて社会にどのように貢献できるかについてのアドバイスをいただけますか?  北出さん:今回は私たちギラヴァンツ北九州が取り組んでいるシャレン活動についてお話しさせていただきました。これは、教育や多様性、まちづくりなど地域が直面する課題に対して、私たちJリーグ・Jクラブが地域社会と協力して取り組むユニークな活動です。  特に、私たちが2021年から始めた「With!! KITAKYUSHU ~SDGsプロジェクト~」では、健康・福祉、教育、環境といった分野で持続可能な発展を目指しています。  ここで大切なのは、地域社会に貢献する方法は一つではないということ。  例えば、私たちはジビエを利用した「SDGsジビエカレー」プロジェクトを通じて、地域の害獣問題に取り組むとともに、学生たちに実践的な学びの場を提供するサポートができました。これは、地域社会の課題を解決する新しいアイデアを生み出し、それを実現する過程で多くの人が成長できるという素晴らしい例だと感じています。  これからの時代、私たちはただ自分の仕事をこなすだけでなく、自分が所属するコミュニティや社会全体にどのように貢献できるかを考える必要があります。特に就職活動や転職を考えている皆さんには、自分のキャリアを通じてどう社会に影響を与えられるか、その視点を持ってほしいと思います。  もしあなたが、地域社会やより広い世界にポジティブな変化をもたらすことに興味があるなら、ギラヴァンツ北九州でのお仕事も考えてみませんか?スポーツの世界だけでなく、様々な分野で社会連携活動に取り組むチャンスがあります。自分のスキルや情熱を活かして、より良い社会の実現に貢献できる誇りある仕事です。私たちギラヴァンツ北九州は、そんなあなたのチャレンジを全力でサポートします!  Vamosは、若手人材を求める数多くの企業をご紹介しています。企業の魅力と共に、そこで活躍する人々の魅力もお伝えするWebマガジンを提供していきます。  就職活動や転職活動に必要な知識やノウハウも配信予定ですので、ぜひお役立てください。  最新情報をお届けするために、LINE、Instagram、X(以前のTwitter)にご登録いただけますと幸いです。是非ともご登録ください。 

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