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マーケティングの前提は「わくわく」があるか?

世の中とは何ぞや?

マーケティングって、いったい何なんだろう?

そんなふうに思いながら、あらためてキーボードをたたいています。前回までのブログで、Webマガジン「Vamos」で800本の記事を投稿しようという試みや、そこにまつわる“てんやわんや”について書きました。今回はその続きというか、“マーケティング”そのものについて、もう少しじっくり考えてみようと思います。

どうしてそんな話をしようと思ったのか?

うちには学生さんや若いスタッフ、それからビジネスに興味のある人たちがよく集まってきます。彼ら彼女らから「マーケティングを学びたいけど、どこから始めればいいか分からない…」と相談されることが増えてきたからなんですね。たしかに“マーケティング=広告や宣伝”だと思い込んでいる人は多いし、「要するに、売りたいものを売るためのテクニックでしょ?」と誤解されることもしばしば。でも実際はもっと幅広くて、“企業活動の中心”といってもいいくらい、大きな役割を持っているんです。

「わたしたちは何を作って、どう届けるのか?」

マーケティングの話になると、必ず登場するキーワードに「4P」というものがあります。

「Product(プロダクト):何を作るか」

「Price(プライス):いくらで提供するか」

「Place(プレイス):どこで提供するか」

「Promotion(プロモーション):どう広めていくか」

という4つを、どう組み合わせて“生活者に価値を届けるか”――それこそがマーケティングの大きな使命だとよく言われます。

たとえば、ぼくが立ち上げたWebマガジン「Vamos」でも、その考え方は欠かせません。

どんなコンテンツを作るのか(Product)、どういう料金設定や収益構造にするのか(Price)、どこで読んでもらうのか(Place)、そしてその魅力をどうやって世の中に伝え、誰を巻き込んでいくのか(Promotion)。

これらを考えずにただ記事を量産しても、読まれない、広がらない可能性が高いわけです。

「企業活動の中核って、実は地味だけど面白い」

意外にも、多くの企業や団体には「マーケティング部門」が弱かったり、そもそも存在しなかったりすることが多いんですよね。開発や研究、営業はすごく強いのに、「マーケティングって何?」とピンとこない。これまでの日本企業は、「いいものを安く作って売れば勝てる」という考え方でやってこれた時代が長かったからでしょう。でも世の中が成熟してくると、「技術はすごいが、誰が欲しがる?」「どんな人のどんな問題を解決する?」といった問いを考えないと、なかなかうまくいかない。

その点、「Vamos」では「学生が読んだらワクワクするコンテンツってどんなものだろう?」「企業の人も巻き込んで作ったら、みんなハッピーなんじゃないか?」という視点で企画を考えています。単に「記事数を増やす」だけでなく、「どんな価値が、どんな人に届くのか」をしっかり意識しているんですね。

最近のマーケティングでは、「生活者と一緒に新しい価値をつくる」という考え方がますます活発になっています。商品やサービスを完成させてから「買ってください」ではなく、作る前から「こんなのどう?」と参加してもらう。ちょうど今、Vamosでも“学生や企業と一緒にコンテンツを作る”形が進んでいますが、これはまさにマーケティングが企業活動のど真ん中にある証拠と言えるかもしれません。

マーケティング=イノベーション?

じゃあイノベーションと呼ばれるものはマーケティングと別モノなのか、というと、ぼくはほとんど同じだと思っています。

イノベーションとは「生活や価値観を変えるような新しいアイデアや仕組みを生むこと」。

マーケティングは「それが必要とされる人に届くよう、仕組みをつくって浸透させること」。

言い方は違うけれど、世の中をちょっとでも良い方向に変えていこう、という意味では同じ方向を見ているわけです。かつては「技術革新」こそがイノベーションだと思われていましたが、今では「人びとが本当に欲しい価値を考えて、いっしょに作っていくのがイノベーション」と言われるようにもなりました。そう考えると、マーケティングが欠かせないのは当然ですよね。

「4ステップ」で整理する

マーケティングは大きく4つのステップで進めると分かりやすいです。

まずは「環境分析」。今の世の中がどう動いていて、どんなチャンスがあるかを探る。

次に「戦略策定」。誰にどんな価値を届けるかを考え(いわゆるSTP)、方向性を決める。

それを踏まえて「戦術実行」。具体的にどんな施策を組み合わせるか(4Pを使う)。

最後に「マネジメント」。成果を振り返りながら、次に生かす。

この4つをちゃんと回すことで、チームや企業の“マーケティング力”はどんどん育っていきます。

ぼくらも、はじめは「800本投稿してやるぞ!」と勢いよくスタートしましたが、いざ動き出すと「誰に届けるの?」「どういう内容が求められている?」など、手探りの部分が多いことに気づきました。だからこそ環境分析をしたり、戦略を練ってみたりするうちに、「就活で欲しい情報はこういう視点かも」「企業の方はこんな風に学生と関わりたいのか」といった発見があり、そこからさらに具体的な記事づくりやコラボ企画へと広がっていきます。

Vamosはどこまでいくのか?

ここで、ちょっと現状報告です。実は今年に入ってから、いろいろな企業との連携がもっと進みそうな手ごたえがあります。最近は「学生のフレッシュな視点が案外面白い」ということで、企業から「一緒に記事を作りたい」と声をかけてもらうことが増えてもいます。広報担当の方が「若い人とコラボしたら新しいアイデアが出そう」と面白がってくれるんですね。

一方、学生にとっても「企業の人を取材するのって、授業より断然刺激的!」という気づきがあるようで、かなり盛り上がっています。しかも取材の結果を記事にして世に出せるので、「あの記事を書いたのは自分」「取材の進行を担当しました」なんてかたちで、自信にもなる。これは就活や自己アピールにかなり役立つし、実績にもつながるんじゃないでしょうか。

ただ、うまくいくことが増えると、必ず壁もやってきます。企業には企業のスケジュールがあり、学生にも試験やバイト、旅行などいろんな予定がありますから、お互いに「いつ動けばいいの?」と混乱することも多い。そこをどう整理して、みんながやる気を失わないようにマネジメントしていくか――まさにマーケティングの総合力が試される場面だと感じます。

でも、それでも前に進んでしまう理由

それでも、ぼくらが前へ進むのは「混乱や失敗さえも“ネタ”にしてしまえ」と思っているからです。たとえば、企業担当者とうまくコミュニケーションできずにやらかしたエピソードを、そのまま記事として公開する。そうすると「自分だけじゃないんだ」と読んだ学生がホッとしたり、企業の人が「へえ、若い人はこういうところで苦労するのか」と学んでくれたりする。失敗を共有することで、次につながるアイデアが生まれやすくなるんですよね。

だからこそ、「Vamos」はこの先も「うまくいったこと」と「大変だったこと」をひとまとめにして、どんどん進化していくはず。そのプロセス自体が、まさにマーケティングの本質にぴったり重なるんですよ。「誰に、何を、どう届けるか?」を考え抜きながら、試行錯誤を重ねて新しい価値を作り出す――これはもう“ミニ企業”そのものです。読んでいるだけでも、かなり教育的な場になっていると思います。

みんながイノベーター、みんながマーケター

「マーケティングって何ですか?」と聞かれたら、ぼくはきっとこう答えます。

「あなたやあなたのチームが“生活者のために作りたいもの”を見つけて、世の中に分かりやすく届けること。そして、その過程でみんながワクワクできる環境をつくること」

いま、Vamosで起きているのはまさにそんな挑戦なんです。毎日が発見と反省の繰り返しではあるけれど、企業や社会人、学生コミュニティを巻き込みながら「こんな価値を届けたい」「こんな未来が見たい」と走っている。

2025年に800本を投稿し終えるころ、いったいどんな景色が見えるんでしょう。想像もしなかったような変化や新しいつながりがたくさん生まれているはずです。たとえば「Vamos出身の学生が、別のところで企業を立ち上げました」とか、「新たなメディアのコンセプトを思いつきました」とか、そういうドラマがありそうで、今から楽しみで仕方ありません。

「マーケティングは企業活動の中核機能」というと、ちょっと小難しい。でも要は、「あなたの届けたい価値を、最高のかたちで世の中に広げるにはどうすればいいんだろう?」ということを、みんなで真剣に考える営み。ぼくたちはそこに挑んでいるんだ、と思っています。

というわけで、今日のところはこのへんで。

また新しい面白いことがあったら、遠慮なく騒ぎ立ててしまおうと思います。マーケティングの真ん中で“てんやわんや”をしながら、でも笑顔でいる――そんな状況を、これからも面白がって見守っていただけたらうれしいです。

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