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VAMOS編集室

クリエイティブは泥臭い

「なんで?」を愛する人たち

「Webマーケティングってなんだか華やかそうだな」「クリエイティブなことができるんでしょ?」と思っている方もいるかもしれません。実際、会社に「Webマーケティングのお仕事を手伝いたいです」と応募してくださる方がたくさんいらっしゃいます。だけど、同時にこうも感じるのです。――華やかそうに見えるこの仕事ほど、実は地味で骨の折れる作業の連続だ、と。

「なんで?」と問いつづけてアイデアを出し、根拠を積み上げ、失敗しては検証し、成功してもさらに再検証。そうやってひたすら頭を使い、行動して、人の心を動かす企画を形にしていく。それが、「マーケティング」の真髄です。

ぼく自身、この仕事を「ブラック寄り」だと思っています。何しろ、24時間クライアントのことが頭から離れない。しかし、それでもなお「好きだ」と言えるのは、“好きなものにこだわる”という純粋な楽しさがあるから。

「クリエイティブ=華やか」? いや、根っこは泥くさい

たとえば「Webマーケティング」と聞くと、おしゃれなオフィスにフリーアドレスで、みんなが自由に行き交い、スーツなんて着なくてもよくて……というイメージを持たれがちです。実際、Vamos(運営は株式会社Galaxia)の職場環境もそんな感じです。でも、「クリエイティブ=華やか」という図式は、あまりに表面的だと思うのです。

本当のクリエイティブは、きらびやかなアイデアがパッと頭に降りてくるような“天才のひらめき”だけで勝負するわけじゃありません。むしろ、「データ分析」「心理学」「市場リサーチ」など、びっくりするほど論理的で、地味で、時間のかかる作業の連鎖なんです。

ぼくは「なんで?」という言葉がすごく好きで、何をやるにも「この企画って、なんでお客さんの心を動かすんだろう?」とか「なんで成果が出ないんだろう?」と、自分やチームに問いかけます。ここで出てくる答えは、ふわっとしたイメージやセンスだけでは到底足りない。そこに“理屈”がなければ、説得力が生まれないから。クリエイティブと呼ばれる仕事ほど、実は堅実なロジックが求められるものだと、つくづく感じます。

24時間、頭の中が仕事モード

「Webマーケティングのお仕事、面白そう!」といって手を挙げる人の多くが、実際に関わってみて最初につまづくのが、この「徹底的に考える」という部分です。たとえば、データの数字を見て考え、試作を打ち、また考え……というサイクルが延々と続く。どこかで「うわ、これ、しんどい」と思う人もいるでしょう。

それに加えて、時間の概念もなかなか独特です。朝9時から夕方5時でぱたっと切り替えられる仕事ではない。ちょっと極端に言えば、通勤の間も食事の最中も、頭のどこかにクライアントの課題がうずまいている。これは「ブラックだ!」と声をあげたくなる気持ちもわかります。でも、実のところぼくにとっては、“好きだからつい考えてしまう”だけなんです。

もし「プライベートはしっかり確保したい。仕事は仕事、遊びは遊び」と思う人にとっては、厳しいかもしれません。逆に「仕事が趣味って最高だよね」と感じるタイプには、こんなにやりがいのあるフィールドはない。要は、自分が“仕事にのめり込めるタイプ”なのかどうか、そこが大きなポイントになるんじゃないかと思います。

「なんで?」を常に問える人が、結局は強い

ぼくは、Webマーケティングの世界は「適性がある人が1000人に1人いるかどうか」とよく言います。これは決して否定的な意味ではなく、本気で「なんで?」を問い続けられる人がごく少数だ、という意味です。

その一方で、もしその数少ない人であるならば、誰にも真似できない成果を出せる可能性があります。なぜなら、“徹底的に考え抜く”というのは、AIが発達してもたぶん完全には代替できないスキルだからです。AIがいくらデータを算出してくれても、最終的に「じゃあ、どう使おう?」「この施策は、人の心にどんなかたちで届くんだろう?」と考えるのは人間の役目。

ここで「まあいいや」と考えるのをやめてしまう人は、どんなに周りがサポートしても伸び悩む。一方で、「もっと考えたい!」「まだ分解できるところがあるはずだ」と追求できる人は、ほかのどの業界にも負けないくらいの武器を手にすることができる。

「なんで?」を伝えきる力

とはいえ、考え抜いた結果を「どう伝えるか」というのも大きな課題です。データや心理学の知見を駆使して導き出した企画案を、クライアントや社内の別部署にプレゼンするとき、「なんでこの企画がいいと思うか」を納得してもらうには、ちゃんと論理立てて話す力が必要です。

データを分析するだけでは、人の心は動かせない。かといって感情論だけでも、根拠が薄くて続かない。そんなジレンマに対して、いま注目されているのが「行動心理学」だったり「ユーザーインサイト」にまつわる研究分野です。

たとえば、ユーザーがどのタイミングでクリックしたくなるのか、どんなときに離脱してしまうのか。そこにはデータで可視化できる部分と、数字だけでは見えてこない潜在的な感情が混ざり合っている。

「ここで一瞬『読み手の泣きポイント』を入れてみようか」

「共感を呼ぶエピソードを入れるなら、どんな体験談がいいだろう」

そんな企画が浮かんだときにも、「なんで泣くのか」「なんで共感するのか」をじっくり理屈で詰めていく。そこまでやってはじめて、ユーザーの感情がほんとうに動いてくれる。

さらに、その施策を実行したら、またデータに戻って「結果はどうだったか」を分析する。その繰り返しが「データ→感情→データ」のサイクルであり、これこそが伝える力として大切になってくる土台なのです。

未来を担う人へ――「仕事、好き?」という問いかけ

こういう話をしていると、「すごいですね、どうしたらそんなに考えられるんですか?」と尋ねられることがあります。答えはシンプルで、「好きだから、放っておいても考えちゃう」んです。

もちろん、考える行為はつらいときもあります。答えが出なかったり、出たと思った答えが間違っていたり。でも、それでも考え続けられるのは、“考えるのが好き”だからにほかなりません。好きなことは、時間を忘れて没頭できるでしょう? 子どものころに夢中になった遊びやゲームのように。

もしこれを読んでいるあなたが、「自分も考えるのが好きだ」とか「ブラックだって言われても、別に平気だよ」というタイプなら、Webマーケティングの世界はものすごく向いているかもしれません。逆に、「プライベートとの切り分けが絶対に必要」という人には、あまりおすすめできない。「向き・不向きがはっきりしている」業界と言えます。

「楽しむ人」こそが最強

ぼくの理想を言えば、「楽しそうに笑ってる人」がもっと増えたらいいなと思っています。仕事に没頭するのが悪いことのように語られる風潮もありますが、本人が幸せならそれでいいじゃないですか。

考えてみれば、世の中を動かす大きなアイデアやムーブメントは、たいてい“熱狂”から生まれています。ならば、「Webマーケティングを極めたい」という熱狂だって、面白いものを作り出さないわけがない。好きなことに夢中になれる人は、強いんです。

ここまで読んでくださったあなたにも、何か心に刺さるものがあったなら、ぜひその「なんで?」を追いかけてみてほしい。疑問と向き合い、理屈を磨き、企画を実践し、失敗して、また考える。その繰り返しがきっと、とんでもない成果や発見につながるはずです。

「やばい、楽しいかもしれない」――そう思ったときが始まり。

これからも、ぼくは「なんで?」を合言葉に突き進んでいきます。

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