VAMOS

投稿のサムネイル
インタビュー

「鉄の会社のイメージが変わる――住倉鋼材が語る鉄鋼業の進化と人とのつながり」

「鉄を扱う会社」と聞くと、どこか堅そうで、自分とは遠い世界に感じるかもしれません。

けれど住倉鋼材が手がけているのは、実は私たちの暮らしのすぐそばにある建物や道路、トンネルなどを支える仕事でした。

北九州から全国へと広がる大きなものづくりの現場には、迫力だけでなく、人にしかできない工夫があります。さらに、社員同士の関係性や社内の文化にも、思わず「いいな」と感じる要素が詰まっていました。

今回の対談では、Vamosリポーターが「鋼材ってそもそも何?」という素朴な問いからスタートし、住倉鋼材の仕事の面白さ、働き方の工夫、そして未来への挑戦までをじっくり聞いていきます。

読み終わる頃には、鉄の会社に抱いていたイメージが少し変わっているはずです。

1.道路やトンネルの裏側にある仕事――鋼材加工のやりがい

さっそくなんですが、御社は「鋼材加工の会社」と伺いました。ただ、「鋼材加工」と聞いても、正直まだイメージが湧きにくくて…。具体的にどういうお仕事をされているのか、教えていただけますか?

そうですよね。住倉鋼材は昭和57年に設立した会社で、鉄鋼メーカーがつくる大きな鉄の素材を仕入れます。そしてそれを、切ったり、曲げたり、溶接したりしながら、建設現場でそのまま使える形に加工しています。

なるほど…!鉄をつくる会社というより、“現場で使える状態に仕上げる会社”なんですね。

その通りです。昔は現場の職人さんが、鉄筋を一本ずつ加工して組み立てていました。でも今は人手不足が深刻で、それだと工事が間に合わない。

そこで私たちは工場で事前に「ユニット化」してしまうんです。

ユニット化……?

現場に届いた時点で、すでに完成に近い状態に仕上げておくイメージです。“置けば完成”に近い状態まで持っていく。そうすると現場は組み立てる手間が減り、工期も短くできるんですよ。

ええ!そんなところまで…!現場で一から組み立てるものだと思ってました。

運搬には工夫が必要ですけど、現場で人を集めて何日も作業するより、はるかに早い。結果として、建設現場の生産性向上を支えることにつながります。

普段は気づかないところで、こんな工夫がされているんですね。道路やトンネルを通るとき、これから少し違った目で見てしまいそうです。

そう感じてもらえるのは嬉しいですね。社会を支えるインフラの裏側に、私たちの仕事がある。そこにやりがいを感じています。

2.「いいものをつくるだけ」では届かない――北九州から発信する理由

御社の拠点は北九州ですが、北九州に拠点を置くことの強みって、どんなところにあるんでしょうか。

まず一番大きいのは敷地の広さですね。工場は約3万㎡、1万坪ほどあります。同業の中でもかなり広い部類で、大きなユニットを組み立てるには欠かせないスペースです。

さっきのお話に出てきたユニットを組むなら、確かに普通の工場じゃ足りなさそうです…。

10メートル級の鉄筋パネルを工場でつくるとなると、それなりのヤードやクレーン設備が必要ですからね。

それに北九州は立地もいい。九州の真ん中にあって、本州にも近い。高速道路や港も整っているので、九州内だけでなく本州への輸送もスムーズです。

工場の広さと、物流のしやすさ。その両方がそろっているんですね。

さらに、グループ会社の主要メンバーを北九州に集めました。以前は宮崎や福岡などに分散していて、移動や情報共有に時間がかかっていたんです。今は意思決定がずいぶん早くなりました。

ただ、北九州の企業って、外への発信が少ない印象もあります。

そこが課題ですね。福岡や大阪、東京の企業はPRが本当に上手い。一方で北九州には「いいものをつくっていれば分かってもらえる」と考える会社が多い。

友人も「北九州で働きたいけど、情報が出てこない」と言っていました。

今は就活生もお客様も、まずスマホで調べますからね。だから私たちはラジオやYouTubeなど、発信にも力を入れています。まずは知ってもらうことが大事なんです。

3.人手不足時代の、新しい建設の形

ここまでのお話を聞いていると、「人手不足」が大きな背景にあると感じます。

そうですね。建設業界全体で職人さんが減っていて、昔のやり方では工事が回らなくなっています。

昔は、現場ですべてやるのが当たり前だったんですよね。

ええ。鉄筋を一本ずつ切って、曲げて、組んでいく。でも今はそのやり方だと間に合わない。だから私たちのような加工会社が、現場でやっていた仕事を工場側で担うようになりました。

例えばトンネル工事では、どんな変化があるんですか?

工場で10メートル、幅2.5メートルといった巨大な鉄筋パネルを組み立てて、現場では据え付けるだけ。人数も作業日数も大きく減らせます。

運ぶのは大変そうですが、現場で何日も作業することを考えると効率的ですね。

そうなんです。さらに最近は、加工だけでなく取り付けまで自社で行うケースも増えています。

そこまで対応するんですね…!

現場が困っている以上、誰かが引き受けなければ工事が止まってしまう。道路や橋、トンネルは生活に直結するインフラですからね。

4.仕事の中身を変える――会議削減×モバイル化の改革

事業だけでなく、働き方にも工夫を感じます。

一番大きいのは会議を減らしたことです。法律で義務づけられているもの以外は、基本的にやりません。

かなり思い切った判断ですね。

会議や資料作りに時間を使うより、現場やお客様のところに行った方が価値がある。結果として、社員も自分の仕事に集中できるようになりました。

フリーデスク制も導入されたんですよね。

そうですね。営業社員に固定席はありません。iPadやノートPCを支給して、車内や移動中でも仕事ができるようにしています。

場所が変わると、気持ちも切り替わりそうですね。

ちなみに社長室も持っていません。私自身が外に出ることで、社員も動きやすくなる。その積み重ねがスピード感につながっています。

5.営業は「話し上手」より「聞き上手」――信頼を生む質問力

営業って、話すのが得意な人が向いているイメージがありました。

実は一番大切なのは「質問力」です。相手が何に困っているのかを聞き出さなければ、良い提案はできません。

確かに、質問されると「理解しようとしてくれている」と感じます。

その感覚が信頼につながります。営業は会社の顔ですから、聞く力と観察力が重要です。

就活の面接にも通じますね。

まさにそうです。質問力は社会人になってからも、ずっと役に立ちます。

6.アナログな現場にこそAIを――未来への投資

AIやDXにも力を入れていると聞いて、少し意外でした。

だからこそ効果が大きいんです。資料作りなどはAIに任せて、人は考える部分に集中する。

社内の反応はどうでしたか?

最初は抵抗もありましたが、今では年齢に関係なく使っています。AIは質問力を鍛える道具でもありますからね。

営業の話ともつながりますね。

さらに大学との連携や、宇宙・半導体分野への挑戦も進めています。次の10年に向けた投資です。

7.市長も来る社内BBQ!?――人のつながりで支える職場づくり

社内イベントも印象的だと聞きました。

3か月に1度、バーベキューをしています。今では市長や地域の方も来てくださるようになりました。

3ヶ月に1度!?すごい頻度ですね!でも強制じゃないのに人が集まるのは、雰囲気がいい証拠ですね。

人と人とのつながりが、仕事の原動力になります。AIやDXを進めても、最後は人ですから。

まとめ

住倉鋼材は、一見すると「鉄を扱う堅い会社」に見えるかもしれません。

しかし実際には、社会インフラを支えながら、人手不足や時代の変化に向き合い、事業や働き方を柔軟に進化させてきた会社でした。

その根底にあるのは、「人と向き合うこと」を大切にする姿勢。

質問し、考え、相手の声を聞きながら、新しい価値をつくり続けています。

就職活動を控える皆さんも、ぜひ自分の目で現場を見て、人と直接話しながら、自分に合う働き方や未来を探してみてください。

協力企業様のパンフレット紹介 PAMPHLET