リクルートWebマガジンVamosでは、パナソニック株式会社の100%出資子会社であり、電設資材の総合商社として76年にわたり事業を展開する興陽電機株式会社にインタビュー。
山口県下関市に本社を構え、山口県はもとより福岡県、大分県と広域に渡って事業を展開されています。電気設備商品から照明器具、エアコン、オール電化商品、住宅設備建材に至るまで幅広い商品を扱う興陽電機は、電気工事会社や工務店、さらにはハウスメーカーやマンションメーカーへの販売を主軸に、業界情報の提供や新商品のプロモーションにも力を入れています。今回は取締役本部長の原さんに話を伺い、“営業”という職種が直面する課題、そしてその魅力とは何か。また成功への秘訣、目標の立て方について深掘りしていきます。営業職に対する誤解を解き明かし、その本質に迫るこのインタビュー。原さんの経験は、読者の皆様にとってもきっと役立つはずです。ぜひ、最後までお読みください。
興陽電機株式会社
取締役本部長 原さん
原本部長 : そうですね、実際には電機関係の仕事に就くこともできたんですが、学生時代に色々なアルバイトを経験したことが大きな転機でした。特に、飲食店や配送のバイトでは、毎日たくさんの人と接する機会がありました。そこで気づいたんですが、私は技術を使うよりも、人と直接関わり、コミュニケーションを取る仕事の方が断然楽しいと。
それで営業の道を選ぶことに決めました。地元で働きたいというのもあり、興陽電機への道を歩み始めたんです。
原本部長 : 営業職には確かにネガティブなイメージを持つ人もいると思います。例えば、「ただの売り込み」とか「断られるのが仕事」といったイメージですよね。でも、私はそういうネガティブな部分に目を向けるより、営業を通じて得られる人との繋がりや、挑戦を楽しんでいます。確かに、厳しい目標があり、それに伴うプレッシャーもあります。だけど、それを達成した時の喜びや、クライアントのために何かを成し遂げた時の達成感は、他の仕事では味わえないものがあります。営業は、ただの商品販売以上のものを提供します。クライアントの真のニーズを理解し、それを満たす提案をすることで、相手との信頼関係を築き上げていくんです。
原本部長 : 営業で成果を出すということは、自分の提案がクライアントに受け入れられ、役立てられている証拠です。それは単に数字を追うだけではなく、相手の問題を解決し、その過程で築かれる関係が非常に重要です。
目標を達成することはもちろんですが、その過程でクライアントからの信頼を勝ち取ることができた時、大きな喜びと自己達成感を感じますね。たとえば、納期が厳しいプロジェクトでも、お客様と密にコミュニケーションを取りながら、問題を一つずつクリアしていく。その結果、期待を超える成果を出せた時、お客様からの「ありがとう」の一言で、すべての努力が報われますね。そして、そういった経験が自分の成長にもつながり、さらに大きなチャレンジに挑む勇気をくれるんです。
原本部長 : 信頼を築くためのコミュニケーションは、言葉でのやり取りだけでなく、言葉の背後にある意図や感情を理解することが大切です。1から10まで全部を話してもらえることは少なく、相手が何を求めているのかを感じ取る必要があります。でも、それに頼り過ぎると誤解が生まれることもあります。だから、私はいつも、分かったつもりにならずに、しっかりと確認するようにしています。メールやLINEだけでなく、直接電話をして声を聞くことも大切にしています。小さな反応やリアクションでも、それが信頼につながるんですよ。
原本部長 : その通りです。デジタルコミュニケーションは便利で速いですが、言葉の裏にある感情や微妙なニュアンスを捉えるのは難しいです。だから私は、相手の真意をしっかりと理解するために、定期的に直接会って話をするようにしています。また、電話でのコミュニケーションも大切にしていますね。声のトーンや速さからも、相手の気持ちを読み取ることができるからです。これらの努力が、最終的に信頼関係を深めることに繋がります。相手が本当に何を望んでいるのかを理解し、それに応えること。それが私たち営業の最も大切な仕事だと思っています。
原本部長 : 営業では、納期の管理が非常に重要になってきます。納期がズレると、それを待っているお客様や、そのために動いている多くの人たちに影響を与えてしまいます。だからこそ、私たちは納期を守るという責任を強く持たなければなりません。それは時に厳しい環境の中でも約束を守るということです。この責任感は、私たちが社会とどう繋がっているかを実感する瞬間でもあります。納期を守ることは、ただの業務ではなく、人と人との信頼関係を築く上でも非常に重要なんです。
原本部長 : まさにその通りです。そして、このような責任感は「明日やろう」という考えを持たないことから始まります。私は常に「今日できることは今日やる」という姿勢で臨んでいます。これが、次の日に余裕を持てる理由にもなりますし、仕事を通じて成長するための土台にもなっています。また、自分一人で解決しようとせずに、周りに助けを求めることも大事です。
原本部長 : 目標設定は、キャリアにおいて非常に重要だと思います。人生やキャリアにおける目標がなければ、成長の機会を逃しているようなものだと思います。
私は短期、中期、長期の目標を設定し、それに向かって日々進んでいます。
たとえば、入社した時には、30歳までに課長になることを目標にしていました。
そして、その後は経営に携わることを目指し、今は取締役としてお仕事をさせていただいています。このプロセス全体が、目標に向かって少しずつでも前進することで、想像以上の成長ができると実感しています。
原本部長 : 実は学生の頃から「自分は優秀じゃない」とか、周りの友人に比べてコンプレックスを感じてたんですよ。だからこそ社会に出て「このままじゃダメだ」という思いは強かったですね。そのコンプレックスが、自分の人生の目標をしっかり立て、進んでいく癖のようなものになった気はします。そうして自分のビジョンを見つめ返すことで、いずれは経営に携わっていきたいと思い描くようになったのは、ただ出世したいという思いからではなく、より大きな影響力を持って会社を良い方向に導きたいという想いから来ています。
ただ個人の目標を達成するだけでなく、会社全体の目標やビジョンに貢献していきたいという想いですね。そのためには、広い視野を持ち、常に会社の将来を見据えて行動する必要があります。小さな目標からスタートしても、それが大きな目標につながるように、一歩一歩前進していくことが大切です。
原本部長 : 目標があることで、自分自身が何に向かって努力すべきか、明確な方向性が持てます。目標がなければ、日々の業務に追われるだけで、本当の意味での成長は難しいです。10年後、20年後の自分を想像して、そこに向かってどのようなステップを踏んでいくべきかを計画することが重要です。小さな成功を積み重ねることが、最終的には大きな達成感と、やりがいのある仕事、そしてハッピーな人生につながるんだと思いますよ。目標を持って、その達成に向けて努力すること。それが自分を成長させる最も確かな方法だと、私は信じています。
原本部長 : 私は常に自分自身と会社がどうありたいのか、どういう価値を提供していきたいのかを考えています。自分と会社の想いが一致していることが非常に大切です。いわゆる「パーパス」、つまり存在意義や生きがいです。この部分をしっかりと自分の中で明確にしていると人生は充実してくると思います。大げさにいうと、自分の仕事の使命感・価値観をわかっているかどうか。しかし、仕事だけが人生ではありません。家族や趣味、自己成長など、私生活の充実も同じくらい重要です。これら全てがバランス良く組み合わさって初めて、人生における真の満足感や幸福を感じられるのだと思います。
原本部長 : そういった価値観を見つけることは一朝一夕にはいかないことですが、とにかく考えることが大切です。自分が何に価値を感じ、何に情熱を持てるのか、日々の生活の中で自問自答することです。そして見つかったら、それを軸にして仕事や私生活、人生の目標を設定していくことが大事です。自分に合った生き方を模索することで、仕事もプライベートも充実したものになります。また、自分の価値観が会社のビジョンと合致していると感じられる場合、仕事のやりがいも大きくなります。
原本部長 : まさにその通りです。軸を持って生きることで、日々の選択がより意味あるものになりますし、困難に直面したときにもその乗り越え方が見えてきます。人生を豊かにする羅針盤のようなものです。ですから、自分の価値観を見つけ、それに基づいた人生設計を心がけることが、仕事と私生活のバランスを取り、満足のいく人生を送るためには欠かせないのではないでしょうか。
原本部長 : 就職活動や転職活動は、自分自身を見つめ直す大切な時期です。困難や不安を感じることもあるでしょうが、そのすべてが将来のための貴重な経験になります。自分のパーパスを見つけ、それに基づいて進む道を選ぶことを恐れないでください。そして、どんな仕事を選ぶにしても、その仕事を通じて自分自身が成長できるか、そしてその仕事が自分の人生にとって意味あるものであるかを考えてみてください。失敗を恐れず、チャレンジし続けることで、自分だけの価値を生み出し、やりがいのあるキャリアを築いていくことができます。皆さんの未来が明るいものであることを心から願っています。頑張ってください。