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成長への究極の導線は“挑戦” 
2024/03/14

成長への究極の導線は“挑戦” 

リクルートWebマガジン「Vamos」では、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、自動化省力化装置の設計・製造が主力事業とする日本ファインテック株式会社にインタビュー。 

2024年現在、創立から50年という歴史を持ち、2014年の創立40周年を機に医療分野への挑戦も開始。その高度な技術力とカスタムメイドでのソリューション提供を通じて、顧客企業が新製品を市場に投入するための重要なパートナーとして位置付けられています。 

今回の特集では、そんな日本ファインテック株式会社で営業担当である植木さんにインタビュー。アメリカの大学を卒業後、学習教材の訪問販売を経て、英語力を活かし、国際的な環境を求めて日本ファインテックへの転職を決意。植木さんがどのようにしてB to Cの営業から、技術力を前面に出したB to B営業にシフトし、技術知識の壁をどのように乗り越えたのか、そのプロセスと学びについて聞いてみました。

日本ファインテック株式会社 植木さん

日本ファインテック株式会社

植木さん

  • 植木さんは、アメリカの大学を卒業されたとお聞きしましたが、どのような経緯で現在の日本ファインテックに入社となったのですか? 

植木さん :アメリカでの学生生活を経て帰国した後、まずは学習教材の訪問販売を行なっていました。帰国当時は就職氷河期ということもあり、仕事を選べる環境ではなかったです。非常にハードな仕事で、貴重な経験を積むことができました。B to Cの営業ですので、とにかく訪問数が重要で、結果を出すのに毎日必死でしたね。今振り返ると大変だったなと思いますが、あの経験があったおかげで営業職としての基本を身に着けることが出来たと思います。ただ、結婚を機に生活を見直す必要が出てきたことと、もっと英語を実務レベルで使ってみたいという思いもあり、転職を考え始めていたところ、丁度語学が出来る人材を求めていた日本ファインテックとのご縁があり、転職を決めました。

  • 英語を話せるという強みは日本ファインテックでどのように役立てているのでしょうか?現在のお仕事について、具体的に教えていただけますか? 

植木さん:日本ファインテックでは国内外の大手半導体・電子部品メーカーが主要顧客だったので、営業として英語は大いに役に立ちました。ただ、営業スタイルがB to CからB to Bの営業となり、最初は戸惑うことも多かったです。そもそも今までと大きく違うのは売る相手ですよね。今までは家庭の主婦層が対象であったのが、技術のプロに自社の技術力をPRするわけです。まず私自身が技術に関してはまったく知識がない中で、相手に自社の魅力を伝えていく必要がありました。さらに、契約締結・価格交渉・顧客への製品生産状況報告・社内外の各種調整・顧客工場での作業フォロー等々、業務は多岐にわたり、やったことのないことばかりで、かなり戸惑いました。コロナ禍前までは、日本国内だけでなく、中国、台湾、ベトナム、アメリカなど、海外にも頻繁に行く生活でした。大きなチャレンジでしたが、大変やりがいのある環境でしたね。コロナ禍後は、国内中心の活動となっていますが、今でもグローバルに展開されている国内大手メーカーや商社に関わるお仕事が多いです。  

  • そのようなグローバルで刺激的な環境で活躍されて、非常に魅力的なお仕事ですね。B to B営業で実感された技術に関する知識の壁をどのように乗り越えられたのでしょうか? 

植木さん:実際、技術的な知識に関しては、最初は本当に大きな壁でした。もともと文系ですので、日々勉強でした。技術的な知識は、とにかく、業務を進めていく中で覚え、身に着けていく感じでした。社内にある機械を見ながらの確認、社内外の技術打合せやプロジェクトのミーティング、さらに実際の提案の場など、あらゆる機会を捉え、自分をその場に置いてきました。 

多くの場合、話の内容がすぐには理解できなかったり、専門用語が飛び交って何を言っているのかさっぱりわからないこともありました。 

特に記憶に残っているのは、入社して3年ほどたった頃でしょうか、上海で行われる展示会に説明員として一人で行ってくれと言われ、知識・経験の点ではまだまだ不安だったのですが「現地には商社の人もいるから大丈夫」とのことで、安心して向かったんです。 

なんとか展示会を終えて一安心かと思いきや、現地の商社の方が良かれと思って 

「世界第2位の大手電子部品メーカーに御社の製品をPRできるようアポをとったので、技術プレゼンしてくれ!」とセッティングしてくれまして…(笑)英語はある程度喋れましたが、プレゼンできるほどの知識もない、準備する時間もないで、頭の中は真っ白でした(笑)案の定、ほとんど何も言えないまま時間が過ぎてしまって…。言わずもがな、大失敗です(笑)その時の商談相手は博士号をもった中国人の技術本部長だったのですが、みるみる失望の色が顔に現れたのが見てとれて、それは本当に恥ずかしい経験でしたね。以降、さらに勉強するようになりました。

  • そのような状況で「無理です!」とならなかったんですか?(笑)

植木さん:それはならなかったですね。今までも何度も「そんなの無理でしょ!」と思うような状況はあったんですが、「自分で選んだ仕事だから、なんとか自分で乗り切るしかない」と、逆に開き直ってきたように思います。逃げて“出来ないまま”より、失敗覚悟で“やって”次できるようになっておきたいというか。具体的には、分からなかったことはメモしておき、後で調べたり、周囲の同僚や技術者に質問したり、技術文献を読んだりすることで、少しずつ身に着けました。「次の場面では同じ失敗はしたくない!」「出来ない状況から逃げる自分が嫌だ」という気持ちが原動力だったと思います。 

  • それは非常に勇気のある取り組みですね。他にも、技術知識を身につける上で心がけていたことはありますか? 

植木さん:一つ大事にしていたのは、「理解するまで諦めない」という姿勢です。初めて聞く専門用語に出会った時、理解するまで何度も繰り返し学ぶことが重要でした。また、自分自身で実際に現場の技術者とコミュニケーションを取ることを欠かしませんでした。例えば、新しい装置ができたら、実際に現場で確認し、技術者に繰り返し質問するなど、机上だけでなく、体験を通じて理解を深めるよう努めました。 

  • 確かに、あまりに理解できない言葉が続いて出てくると思考は止まってしまいがちですよね。「理解するまで諦めない」という姿勢は就職活動中の学生にとっても大いに参考になる話ですね。 

植木さん:初めは分からないことだらけで、恥ずかしい思いをすることもあるかもしれません。しかし、そこに止まることなく学ぶ過程が自分自身を強くするはずです。社会人として活躍するには、常に学び続ける姿勢が不可欠だなとつくづく思います。そして、その過程自体が、自分を成長させる貴重な経験となってくるはずです。  

  • 植木さんの話を伺っていると、挑戦していくことに対する熱い想いが伝わってきます。そういった困難に向かっていく気持ちを支えるものは何でしょうか? 

植木さん:「できない状況、失敗への不安から逃げる自分が嫌だ」という気持ち、あと「自分が選んで決めた仕事だから」という気持ちが非常に強いのかもしれません。人の成長というのは、決して右肩上がりに順調に進むものではないと感じています。むしろ、成長には踊り場というか、なかなか芽が出ない時期があり、挑戦しても思うように結果が出ないこともあります。しかし、そのような経験も自分に足りないことに気づく大事な学びの期間ですし、その中でコツコツとやるべきことを積み上げていくことが大事かなと思います。そうしているうちに、自分自身がその成長に気づく瞬間が意外と突然やってきます。何かのタイミングで少し立ち止まり、自分自身を振り返ってみると、「あれ、自分成長しているかも」と感じる瞬間があるんですよ。それが、逃げずに挑戦し続けたことの一番の報酬かなと思います。 

  • 逃げ出さないという強い芯があるからこそ、どんな難しい状況でも進めるんですね。そのような挑戦を続ける上での心構えがあれば教えてください。

植木さん:私たちの人生は選択の連続です。普段あまり意識しないかもしれませんが、今日何を食べるかから、仕事や会社に至るまで、すべて自分が選んで決めています。つまり、「誰に言われたわけではない。決めたのは自分で、自分に起こることは、良いことも、悪いこともすべて自分の責任なんだ」という認識ですかね。そうして選んだ仕事の中でも、選択を迫られる状況が常に訪れるわけです。目の前に「きつそうだけど成長できる」「楽だけどいままでと変わらない」2つの選択肢が出てきたとき、「きつそうだけど成長できる」方を意識して選んできたと思います。もちろん、その過程は決して楽なものではありませんし、失敗もたくさんします。ある大きなプロジェクトでは、最終的に芽が出ず、億単位の損失を出してしまったこともありました。しかし、逃げ出さずに挑戦と修正を続けることで、自分自身の限界を超え、新たな可能性を開拓できるんだと思います。その時かぶった損失は、当然取り返すつもりですが、そういう失敗も許容してくれた日本ファインテックと仲間たちには、本当に感謝しています(笑)

  • 今までのお話からも、挑戦と成長についての貴重なご意見を伺うことができました。次に、営業職に求められる資質についてお聞きしたいのですが、営業として成功するためには、外向型の性格が有利だとよく言われます。植木さんご自身はどのようにお考えですか?

植木さん: 実は私自身、もともと内向型の性格なんです。ワイワイガヤガヤより、基本一人で静かに過ごす方が好きです。しかし、営業として働く上で、その性格をむしろ強みとして活かすことができたのかなと思っています。確かに、外向型の人は人と接することにストレスを感じにくく、物怖じすることなく、話も上手で、営業職に向いていると言えるかもしれません。しかし、内向型の人にも、営業職に非常に有利な資質があると感じています。 

  • 内向型の資質が営業職にどのように役立つのでしょうか? 

植木さん: 内向型の人は、自分を客観的に振り返れる力や観察力に優れているように感じます。営業活動を通じての失敗や挫折を、深く振り返ることができるんですね。その振り返りが、次の行動への改善点として直結します。日々の行動を「これは良くなかったな」「こうすればもっと良かったかもしれない」と反省し、それを糧にして成長していくことができると思います。ただ、考えてこんでしまう資質でもあるため、そこさえ意識的に乗り越えれば、営業職として大成すると思います。  

  • なるほど、内向型の資質が営業職においても十分活かせると。なんだか意外でした。 

植木さん: 例えばお客様との会話の中で、自分がどのように振る舞ったか、どのような話や言葉遣いをしたか、それに対し相手がどのような反応を示したかを反省し、次回の対応に生かすことができます。このような継続的な自己反省と改善は、信頼関係を築く上で非常に重要な要素です。自分の行動を振り返ること、それを忘れずに次に活かすこと。これができる人は、内向型、外向型にかかわらず、優れた営業マンになれる資質を持っているのではないでしょうか。 

  • 確かに、営業職はコミュニケーションの仕事ですから、自己反省や振り返りを通じて、その質を高めることができれば、大きな強みになりますね。自分自身の長所を活かしていくことが大事なのですね。 

植木さん:そうですね。あと、自分の長所を伸ばすことと同時に、短所を改善することも、全体として見た時に大事だと思っています。短所は、もともと苦手であることが多いので、直そうとしても時間もかかるし、大変です。なので、あせらず、地道に、あくまで平均点までもっていく意識でよいと思います。そうすることで、自分の長所がより活きてくると思います。 

  • 短所を改善する過程で、心がけていることはありますか? 

植木さん:人から短所を指摘された時、そこでどう感じ、考えるかが鍵と思います。人からの批判や指摘を受けた時って、つい感情的になったり、何だか腹が立ったりするじゃないですか。でも指摘されて不快になる時って大体自分で薄々気づいてる部分だと思うんです。いわゆる“図星”ですよね。そのことを直視してるわけではないけど、気にはなっている。だけどしっかり向き合えていない、認めたくない。そんな時に他者から指摘されると、つい感情的になってしまうんだと思います。 

冷静に自分の短所をどう認識し、どう向き合うかが大切ですし、指摘されて不快になった時こそ、改めて自分自身で見直さなければならない。 

指摘や批判を受けることは決して気持ちの良いものではありませんが、その中から学ぶべき点を見出し、自己改善の糧に変えることができれば、それは自分にとって大きな成長の機会ですよね。これは今も自分の課題です(笑) 

  • 自分自身もそういった場面、すごく思い当たります。そのような自己反省や短所の改善努力をする上での具体的な方法はありますか? 

植木さん:私は、寝る前のほんの少しの時間を使って、その日の自分の行動を振り返るようにしています。その中で、「今日はこんな短所が出てしまったな」「次同じ状況になったら、この点をもう少し改善しよう」そして「明日は気持ちを新たに頑張ろう」と考えるようにしています。実際にこの習慣をつけると、自分の行動に対する客観的な意識が高まり、短所を意識的に改善していくことができます。この方法は非常に簡単で、やっているうちに気づけば寝てしまうこともありますが、ずるずると同じことで悩み続けることもなく、ネガティブな想いもその日でリセットできます。日々の小さな積み重ねが、長期的な自己成長に繋がるように感じます。 

  • 自己成長のために、日々の小さな努力が大切だということですね。短所を見つめ直し、成長の糧に変える方法について、具体的で実践的なアドバイスをありがとうございました。それでは最後に、今まさに就職活動・転職活動を頑張っている読者へ応援のメッセージをお願いします。

植木さん:就職活動や転職活動を通じて、自分自身の能力や可能性を改めて見つめ直す機会となっていると思います。この過程で、時には自分の限界を感じたり、挫折感に苛まれたりするかもしれません。 

しかし、皆さんが直面している不安やプレッシャーは、成長するための糧です。それらを乗り越えた時、以前よりも遥かに強く、自信に満ち溢れた人間になっているでしょう。今、大切なのは自分自身の内面に目を向け、自分の真の強みが何かを深く理解することです。また、自分の短所を正直に認め、それらを改善するために何ができるかを考え、現実の行動に移すことです。そうすることで、自分のポテンシャルを最大限活かせるだけでなく、人生のあらゆる場面で役立つ自己成長へと繋がります。失敗を恐れず、どんどん挑戦してください。自分の中にある無限の可能性を信じて、果敢に挑戦してください。皆さんの勇気と努力を、心から応援しています。 

取材協力:
植木さん
日本ファインテック株式会社
日本ファインテック
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