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鉄鋼業界の魅力と日本経済への貢献 
2024/07/24

鉄鋼業界の魅力と日本経済への貢献 

リクルートWebマガジンVamosの特別企画として、今回は学生リポーターたちが株式会社フジコーにインタビュー。1952年の創業以来、フジコーは様々な革新的な技術と製品を開発してきました。その中でも、鋳型の修理法の開発を皮切りに、「特殊鋳かけ肉盛法」の技術開発で黄綬褒章を受章するなど、その功績から「技術のフジコー」と呼ばれています。フジコーは、金属表面処理技術を基盤に、地球環境に優しく、持続可能な「資源のリサイクルと環境保護」をモットーとして、フジコーならではの特殊技術を研究されているそうです。70年以上の歴史を持つこの会社は、常に新規事業の創造に挑戦し続け、日本経済を支えてきました。次世代へと続く道を切り開くフジコーが、どのようにしてそのミッションを達成し、未来へ向けて進んでいるのか。Vamos学生リポーターが、その全てを詳しく探っていきます。 

株式会社フジコー
人事担当課長

山口さん

北九州は鉄鋼の街ですが、僕たち学生にとってBtoBの世界、その中でも鉄鋼については未知の世界です…! 

そうですね。あまり馴染みがないように感じるかもしれませんが、実は身近なところで鉄はたくさん必要とされているんです。そして、鉄鋼の世界は非常にダイナミックで、常に変化と発展を続けています。鉄は自動車、建設、造船、家電など、さまざまな分野で不可欠な素材です。そのため、鉄鋼業が健全に機能することは、日本経済全体の安定と成長に直結していると言えます。 

具体的な生産プロセスは、鉄鉱石や石炭を高温の炉で精製し、鉄を製造することから始まります。この過程で得られた鉄は、不純物を取り除かれ、用途に応じて薄く引き延ばされます。製鉄所はその大きさから一つの街にも匹敵し、地域によっては従業員と協力会社社員を合わせて約1万人も働いているところがあります。フジコーの製品事業部では、製鉄所の鉄を薄く引き延ばすための圧延工程に必要なロール・ローラーを製造しています。また、当社の鉄鋼事業本部では各製鉄所の設備のメンテナンスや工事も行っており、365日、工場の生産が止まらないようにサポートを続けています。 

鉄鋼業は日本経済にとって極めて重要な産業の一つであり、その基盤を支えているんですね。フジコーが関わっている圧延工程について、もう少し具体的な情報を教えていただけますか? 

圧延工程は、鉄鋼製造でも重要なステップで、用途に合わせて鉄を薄く引き延ばし、形状を整える工程です。弊社はこの工程で必要なロールやローラーを製造しています。パンやうどんの生地を薄く伸ばす麺棒のようなイメージです。サイズはかなり大きな物が多いですけどね!このロールが鉄を均一に薄く引き延ばす重要役割を果たしています。この工程ではミリ単位の精度が求められ、ロールの品質が製品の品質にもつながってきます。つまり、私たちの技術が鉄鋼製品の信頼性を支えているんです。 

ロールの製造が鉄鋼製品の信頼性に直結する重要な役割なのですね。それに加えて設備のメンテナンスも行っているとのことですが、具体的にはどのようなメンテナンス作業を行っているのでしょうか? 

フジコーの鉄鋼事業本部は、製鉄所からメンテナンス要望のあった設備をチェックし、溶接修理や各種補修・オーバーホールなどを行います。また、構内の設備保全作業だけでなく、付帯設備機器の管理や操業支援も行い、製鉄所の機能維持や、安定操業に貢献しています。当社の目的は、工場が長く安定して鉄を生産できるように最善を尽くすことです。日常からお客様との対話を通じて、工場の設備状況を把握し、適切な提案を行い、故障を未然に防ぎます。この取り組みが、企業の信頼性を高める鍵となっています。 

そういった細かな働きかけがあって、365日経済が動いているのですね。BtoBビジネスの規模の大きさに驚かされます。フジコーの歴史や背景についても、詳しく教えてください。 

フジコーは1952年に設立されました。この頃、高温でドロドロになった鉄を鋳型(いがた)に入れて鋼塊(こうかい)という鉄の塊にしていました。その塊を取り出して、必要に応じてまた温めて薄くするなどの工程に移ります。当時、この鋳型は高温に耐えきれず数回で使えなくなり廃棄されていました。その修理は極めて難しく『鋳型の修理は不可能』というのが当時の風潮だったのです。しかし創業者である山本秀祐が世界で初めてその修理技術を編み出したおかげで、フジコーは大きく成長しました。しかしその後の1970年代には鋳型を使わない連続鋳造(れんぞくちゅうぞう)技術が生まれたため、鋳型が少なくなって修理の仕事激減してしまいます。フジコーはかなりのピンチに陥り、社員のリストラなども行わざるを得ず、経営者は断腸の思いだったとのことです。

こうした風を受けて、以来ベンチャーとして出発したフジコーは「会社が好調な時こそ、次の事業にチャレンジしなければ!」「フジコーは永遠にベンチャー企業でなくてはいけない!という気風が更に高まっていったそうです。

こうした挑戦から、世界初の独自のロール・ローラー製造技術(CPCプロセス)や摩擦圧接による再生ワークロールなどの優れた技術が生まれました。現在、フジコーは鉄の世界で不可欠な存在となっており、常に革新的な技術とサービスを提供しています。 

また、フジコーは事業の多角化にも力を入れており、鉄鋼業界に限らず、環境事業や新エネルギー分野にも進出しているんです。光触媒を鉄鋼の技術「溶射」でコーディングする技術は、高性能な除菌・消臭ができる空気清浄機や建材などに応用され、BtoCの分野において大変好評を頂いています。また、現在は工場や畜産分野の空気環境を改善する「大型脱臭装置」や、軽量で風に強く、縦横様々な用途で使用可能な円筒形の太陽光電池なども開発しています。フジコーは持続可能な開発目標の実現に向け、これからも社会が直面する課題を真剣に受け止めて、その解決となる製品・サービスを提供していくと思います。

そんな技術のフジコーで働くことで、どのようなスキルを身に付けられますか?具体的に教えてください。 

フジコーでは基本的に一つの部署の専門性が非常に強いため、そこでの基本的な知識を習得していくために3~5年は必要です。例えば、総合職として仕事をしていくためには、お客様や社内に対するしっかりした報告書や資料を作成する事が必要不可欠となります。特にお客様は技術的な知見が豊富な方が多いため、論理的に明確な報告書・資料が必要となります。最初はきっと大変だと思いますが、お客様から信頼される資料を作成できる様になると、信頼も増し、他業界以上に大きな成長が実感できると思います。また、安全面も含めて自らの仕事をPDCAに当てはめてしっかり回すことが重要です。これができるようになると、専門性を深めるだけでなく、問題解決能力を高めることも可能と思います。 

また、フジコーでは、失敗を恐れずに挑戦するという文化が根付いています。プロフェッショナルとして成長し、率先力や問題解決力、リーダーシップや協調性、意欲的な改善力などを磨き、評価へとつなげていきます。切磋琢磨して伸び伸びと成長できる環境が整っており、若い社員であっても早い段階で責任あるポジションに就く機会もあります。 

チャレンジできる環境は魅力的です。実際のフジコーでの一日ってどのようなイメージですか? 

各事業所や工場毎に進め方は異なりますが、基本的には朝一番にミーティングを行い、予定や状況、問題点などを全員で共有します。その後、各自の業務に取り掛かります。技能職は予定に従って、設備点検や修理、工事業務や操業運転に取り組みます。昼休み休憩後、午後は再び各自の業務に集中します。夕方には、一日の成果のまとめや、ヒヤリハット(業務中において「ヒヤリ」としたり「ハッと」したりする危険な状況が起こったが、事故や災害にはならなかった事象)を終業ミーティングで報告し皆で対策を考えたり、翌日の計画を立てて上司に報告したりする流れになります。 

専門性が高そうなイメージがありますが、僕たちのように知識がなくても大丈夫でしょうか?

確かに専門性の高い業務は多くありますが、全く知識がない新卒の方であっても、しっかり一から教育する体制を整えており、専門知識を持っていなかった先輩社員たちも、今では多くが活躍しています。 

1名の新入社員に対して、先輩社員が1名以上/1年間メンターとしてつきます。新入社員の進捗具合を都度確認して、悩みを聞きながら進めていきますので安心してください!先輩社員と食事をしながら相談を行う場合は、会社から補助金も出ますよ。

それは良い環境ですよね。仕事に対するモチベーションも維持させやすい気がします。その他にフジコーで働く上での魅力は何ですか? 

フジコーで働く魅力は、何と言っても自分の手で未来を創り出すことができる点です。私たちの作り出す物は、人々の生活に深く根ざしており、産業用途のものから家庭で使える物まで多岐に渡ります。私たちの技術が、社会とそこに住む人々のために役立っているということを実感できること、これが最大の魅力ですね。フジコーの仕事は単に設備メンテナンスや工事、製品を作るだけではなく、業務そのものが社会貢献につながっている、ということなんです。日本にとって鉄鋼業は非常に重要な基幹産業です。先人達の汗と苦労によって、現在の私たちの暮らしが、豊かになっているといっても過言ではありません。その一員として技術と歴史を守り、後進の若い方達へ引き継いでいくことは、日本人としても企業人としても誇りを感じます。 

ありがとうございます!鉄鋼の世界のイメージがガラリと変わりました!それでは最後に、学生へのメッセージをお願いします。 

鉄鋼の世界は非常に奥深く、やりがいのある仕事です。確かに覚えることは多く、初めてのことばかりかもしれません。しかし、覚えることが多いということは、その分成長も大きく、日々進化していることを実感できるはずです。特に、若い頃に経験する困難や失敗は、年齢を重ねた将来への大きな糧となります。 

今のうちに、苦手なことにどんどん挑戦し、自分の限界を広げていくことはとても大切なことです。 

人間の成長は、快適なゾーンから一歩踏み出すことで初めて実現します。フジコーでは、そうした挑戦を恐れない姿勢が何よりも評価されます。困難な課題に直面しても、恐れずに取り組むことで、より一層の成長を遂げることができるのです。

また、業務に対する使命感を高く維持ことも大切です。毎日の業務を単なる仕事として捉えるのではなく、自分が会社を支える一員であるという自負を持ち、社会貢献も果たしているということを意識してみてください。大きな視野で自らを見つめ直すと、新たなやりがいに気付くはずです。フジコーでの経験は、必ずや皆さんのキャリアにおいて大きな価値を持つものとなると信じています。 

フジコーは未来を切り拓く力を持っています。しかし、それは企業が持っているのではなく、社員一人ひとりの力が結集して可能となるものです。皆さんの新しい視点やエネルギーが、フジコーのさらなる発展には不可欠です。若い方の力が加わることで、新しい風が吹き、さらなる革新へとつながっていきます。 

当社での挑戦を通じて、皆さん自身が成長し、そしてフジコーも共に成長していくことを楽しみにしています。挑戦を恐れず、前向きに、そして自分の可能性を信じて頑張ってください。 

取材協力:
人事部 山口さん
株式会社フジコー
会社情報はこちら
会社情報: https://www.kfjc.co.jp/