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学生の目線が、企業の“当たり前”を魅力に変えた— G-1グランプリ参加企業 御礼訪問レポート ユニプレス九州株式会社 編 —

学生が企業の魅力を見つけ、伝え直すG-1グランプリ

G-1グランプリは、学生が企業を実際に取材して、その会社の魅力を学生の言葉でプレゼンする大会です。2026年3月20日に開催され、参加学生は50名、参加企業は15社、見学に訪れた企業さまも含めると、会場には100名を超える方が集まってくださいました。

学生は事前に各社を訪問してお話を聞き、自分なりに整理したうえで、審査員・参加企業・学生たちに向けて7分間でプレゼンを行います。一方的に会社の説明を聞く場ではなく、学生の目線で企業の魅力を組み立て直すところに、この大会の特徴があります。

製造業をはじめとするBtoB企業は、学生が製品を直接手に取る機会が少ないため、魅力が届きにくい面があります。今回ユニプレス九州株式会社を担当した学生たちは、その「伝え方」に正面から向き合ったチームでした。

自動車の安全を支える、ユニプレス九州のものづくり

ユニプレス九州株式会社は、自動車の車体骨格部品を製造している会社です。1976年の創業以来、ユニプレスグループ国内最大の生産拠点として、製品設計から大型プレス機による鋼板の加工、スポット溶接やCO2溶接による組立加工までを一貫して担っています。

主力設備のひとつが、3000トン級のトランスファープレス機です。鋼板を大きな金型で一気に成形する設備で、自動車の安全性と軽量化を支えています。

私たちが普段乗っている車のフレームやボディの骨格に関わる仕事ですが、ユニプレス九州という社名を耳にする機会は多くありません。学生のチームは、この「身近にあるのにあまり知られていない仕事」を、どうやって同世代に伝えていくかを考えながらプレゼンを組み立てました。

“説明”から入るか、“魅力”から入るか。学生たちの構成づくり

プレゼンを担当した学生3人は、構成段階で大きな分岐点に立ったそうです。

「自動車部品メーカーは学生にあまり馴染みがないので、最初に『こういう会社で、こういう加工をしています』という説明から入るかどうかを、ぎりぎりまで悩みました」と担当の学生は振り返ります。

「最初に説明から入ると堅くなってしまう感じがしたので、思い切って学生目線の魅力からスタートして、後から会社の輪郭を補足する形にしました」と話してくれました。

配付資料はあえて作らず、スライドの情報量も絞り、アイコンや写真を中心にしながら「話す力」で進める方針で取り組みが始まりました。「他のチームは正攻法で構成を組んでいたので、自分たちは少し違う見せ方になったかなと思います。終わってからは、もう少し形式を意識してもよかったかもしれない、という反省もあります」と本人たちは話してくれました。本番が終わってからも、自分たちのプレゼンを冷静に振り返って次に活かそうとしている様子が印象的でした。

3000トンプレスの映像が、会場の空気を変えた

プレゼンのなかで印象的だったのは、3000トントランスファープレス機の動画でした。担当した学生は、

「2回目に訪問させていただいたときに、現場で初めてあの機械を見せていただきました。これは学生のみんなにも見てほしいと思って、動画を入れさせていただきました。本番の最初は音が出なかったのですが、それでも映像の迫力で会場の空気が動いた感覚がありました」

動画を選んだ理由については、「ああいう機械を扱う仕事になる、ということを伝えたかったんです。3000トンプレスや全自動化された設備は、実際に扱う場面を想像しやすいですし、加工の難しさは今後もずっと続いていく課題であり、それこそがこの仕事の奥深さと感じました。新しい材料が出てきたときに、それを成形できる技術があるということを、ちゃんと伝えたかったです」と話してくれました。

審査員の方からは「劇団か何かやっているんですか」という言葉も出るほど、3人の掛け合いと場のつくり方を評価していただきました。

社員にとっての当たり前が、学生には魅力だった

御礼訪問の場では、ユニプレス九州の担当者の方からも、印象的なお話をうかがうことができました。

「私も入社する前に説明を聞いたときは、『そうなんだ、すごいな』と素直に感じていました。でも、自分が説明する側になっていくと、その新鮮さがだんだん薄れていって、みんながすごい!と言ってくれた会社の強みの部分を改めて思い出しました」

「皆さんがプレゼンしてくださっているのを聞いて、うちの会社ってすごい会社だなって思い出させてもらえました。今では当たり前に使っている素材や設備の話を、当たり前に話をしていたことを気づかせてもらえました」

学生の取材を受けることで、社員の方々ご自身が改めて自社の魅力に気づくという感想は、他社でも聞かれました。学生に向けて言葉を整えていくプロセスが、結果として社員の皆さまの「自社理解」の再認識にもつながっているようでした。

伝える熱量と、次につなげる改善点

振り返りの席では、「熱量」というキーワードが学生・企業の双方から何度も出てきました。会社説明会で淡々と話すのと、「うちの会社、こんなに面白いんですよ」と話すのとでは、学生の受け取り方に大きな差が生まれる。今回の3人は、その後者をしっかり体現してくれました。

一方で、学生3人は次回に向けた具体的な課題も持ち帰っていました。「最後が少し走り気味になっていた、というフィードバックをいただきました。プレゼンで説明が急足になるのは本来あまり良いことではないので、内容を詰め込みすぎてしまったと実感しています」「対面で練習する時間がもう少し取れていれば、抑揚も合わせられたと思います」「写真などの素材にこだわっていれば、もう一段魅せられたかもしれません」など、次に向けたコメントが具体的に並びました。

学生の言葉だから届いた、ものづくりの魅力

専門用語や規模の話を並べるだけでは、なかなか同世代に届きにくい仕事もあります。今回のユニプレス九州チームのプレゼンは、現場で本人たちが感じた「すごい」を、その温度のまま伝え直すことで、普段馴染みのない自動車部品メーカーの仕事の奥深さが学生にも伝わっていく過程を見せてくれました。

ユニプレス九州のみなさまには、複数回にわたる訪問を温かく受け入れてくださり、現場や工場の魅力を惜しみなく見せていただき、ありがとうございました。次回に向けては、繁忙期に動くロボット群の見学や、追加の写真素材のご提供といったアイデアもお話に出ていました。技術の魅力を学生の言葉で語り直すこの取り組みを、次のG-1グランプリでもご一緒できれば嬉しく思います。

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