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インタビュー

街の日常を、見えないところから支える。岡﨑建工・岡﨑社長に聞く「まちづくりの仕事」と働くということ

公園の芝生がきれいに整っていること。
駅や公共施設がいつも気持ちよく使えること。
街路樹が安全に管理されていること。

私たちにとっては、どれも当たり前の風景かもしれません。

でも、その「当たり前」は、誰かが手をかけ、守り続けているからこそ成り立っています。

今回、学生3人が訪れたのは、北九州市を中心に、ビルメンテナンスや緑化建設、公共施設の指定管理などを手がける岡﨑建工株式会社。

2026年に創業50年を迎える同社は、過去には勝山公園をはじめ、モノレールの駅や公共施設である「いのちのたび博物館」など、学生たちにも身近な場所を数多く支えています。

取材では、岡﨑社長に会社の仕事から、これまでの50年、新しい技術への挑戦、若手社員に期待すること、そして就職活動を始める学生へのメッセージまで伺いました。

「公園を管理する」?

まず、岡﨑建工がどんな会社なのか教えてください。

大きく分けると、ビルメンテナンス、緑化建設、指定管理の3つですね。ビルメンテナンスでは、建物の清掃や警備、電気設備などの管理をしています。緑化建設事業では、公園をつくったり、その後の維持管理をしたりしています。指定管理というのは、市などの公共施設について、建物を管理するだけではなく、施設そのものの運営まで行う仕事です。

公園の管理というと、具体的にはどんなことをするんですか?

一番分かりやすいのは、草刈りや樹木の剪定ですね。夏場なんて草や木はどんどん伸びますから、そのままにしていたら、公園を利用する方が気持ちよく過ごせません。芝生に水をやったり、花壇を整えたり、樹木を安全な状態に保ったりもします。それだけではなくて、公園に来てもらうためのイベントを企画することもあります。一言で言えば、「公園に来た人が気持ちよく過ごせる状態をつくる仕事」ですね。

公園をつくる仕事もされているんですか?

そうですね。公共工事の場合は入札で受注して、設計図に沿ってつくっていきます。過去には勝山公園などもそうですし、皆さんが普段何気なく使っている場所にも、実は私たちの仕事がたくさんあります。

そう聞くと、急に身近に感じます。

うちの仕事って、あまり目立たないんですよ。清掃をしている人を見かけても、「どこの会社の人だろう」とまで考えることは少ないでしょうし、公園がきれいでも、「誰が管理しているんだろう」とはあまり考えないですよね。でも、誰もやらなくなったら、すぐに困る。だから、社会の土台を支える仕事だと思っています。

街に緑が必要になる。50年前に始まった挑戦

今年で創業50年ということですが、最初から今のような事業をされていたんですか?

最初は緑化建設事業からです。会社を始めたのは私の祖父なのですが、50年前は、今ほど街の中に緑がありませんでした。これから都市が発展していく中で、街の中にも緑が求められる時代になるだろうと考えたんですね。木や草があれば、気持ちも落ち着きますし、暑い時には日陰にもなる。「これから街にはもっと緑が必要になる」と考えて始めたのが原点です。その後、ビルメンテナンスなどへ仕事が広がっていきました。

「岡﨑建工」という名前から、最初は建設会社を想像していました。

よく言われます(笑)。今はビルメンテナンスの割合も大きいですし、施設の管理や運営まで含めて、本当にいろいろな仕事をしています。だから、自分たちでは「まちづくり企業」という言い方をしています。

清掃ロボットやドローン。50年続く会社が、新しいことをやり続ける理由

歴史の長い会社ですが、新しいことにもかなり取り組んでいると聞きました。

新しいものは比較的早く取り入れる会社だと思います。例えば清掃ロボットですね。家庭でいうとルンバのようなイメージですが、施設向けの大きな機械を導入して、人がいない時間帯に清掃をしてもらう。今は人手不足という問題もありますから、人がやらなくてもいい部分を機械に任せることは、これからますます必要になると思っています。

ドローンも使われているんですよね?

建物の外壁診断などで使います。昔は、建物の外壁に異常がないか調べるために足場を組んで、人が壁を叩きながら確認する方法が一般的でした。でも、それだと足場を組むだけでもかなり費用がかかります。今はドローンを飛ばして、赤外線などを使いながら異常がありそうな場所を確認できる。そこで問題が見つかったところだけ詳しく調べればいい。技術を使うことで、安全性も効率も上げることができます。

かなり積極的ですね。

どうせやるなら、みんながやり始めてからではなく、早くやった方がいいと思っています。ただ、新しいものを入れれば何でもいいわけではありません。導入することで仕事が大変になったら意味がない。「働く人が楽になる」「安全になる」「仕事がしやすくなる」。そのために新しい技術を使うことが大事だと思っています。

「やりたい」と言った人に、チャンスがある会社

社員の方から「こんなことをやりたい」と提案することもありますか?

ありますよ!筋が通っていて、会社にとって意味があることなら、「やってみたらいい」と思っています。採用活動もその一つです。以前は、学生の皆さんとこうやって接点を持ったり、インターンシップを積極的にやったりする会社ではありませんでした。でも社員から「学生にもっと会社を知ってもらいたい」という話が出て、じゃあやってみようと。必要だと思ったことは、どんどん挑戦したらいいと思っています。

若手でも挑戦できるんですか?

うちは、「何年間は下積み」というような考え方はあまりないですね。できる仕事はどんどんお願いしていきます。実際、新卒で入った社員が、入社して数か月で現場を担当したり、3DCADを使ってお客様への提案資料をつくったりしています。もちろん、いきなり一人に全部任せるわけではなく、上司が一緒に見ながらです。でも、若いうちから仕事を任せてもらえる環境ではあると思います。

先輩の背中だけを見て覚える時代ではない

新人教育についても、新しい取り組みをされているんですか?

最近、清掃の仕事では作業方法を動画にしています。以前はOJTで、先輩が横について教えるのが中心でした。もちろん、それも大切なんですが、教える側は自分の仕事もありますよね。忙しいと、つい言い方が強くなってしまったり、新しく入った人も「忙しそうだから聞きづらい」と遠慮してしまったりする。それなら、基本的な作業は動画にしておけばいい。一度教えてもらって忘れてしまっても、家に帰って動画を見直すこともできます。

それは新人側も助かりますね。

便利なものは使えばいいと思うんです。昔みたいに「先輩の背中を見て覚えろ」だけではなくて、今はいろいろなツールがありますから。働きやすくなるものなら、積極的に利用すればいいと思っています。

3代目社長が、今も現場の講習を受け続ける理由

岡﨑社長は3代目になるんですか?

そうですね。ただ、小さい頃から「絶対に会社を継ぐ」と決めていたわけではありません。大学を卒業して一度別の会社に入り、その後、岡﨑建工に入りました。

社長になってからも、現場の講習を受けに行かれていると聞きました。

自分は、現場から叩き上げて社長になった人間ではありません。自分で会社を起こして、ずっと現場で仕事をしてきた社長なら、見ただけで「これは違う」と言えると思うんです。でも、自分はそうではない。現場で使う機械も、自分が使ったことがないのに社員に「あれは違う」「こうしなさい」と言っても、説得力がないですよね。だから必要だと思った講習は受けます。現場を指導するなら、まず自分が正しいやり方を知らないといけないと思っています。

社長になっても勉強し続けるんですね。

知らないことは、知らないですからね。立場が上だから全部分かっている、というものではないと思います。

社長になって約20年。一番大変だったのは「人」

これまで社長をされてきて、一番大変だったことは何ですか?

優秀な社員が辞めてしまった時ですね。頼りにしていた社員が辞めると、「この仕事をこれからどうしよう」となる。やっぱり会社は人です。採用も難しいですよ。面接という短い時間の中で、その人のことを全部理解することはできません。聞いてはいけない質問もありますし、実際に一緒に働いてみないと分からないことも多い。だから、人については今でも難しいと感じます。

岡﨑建工が一緒に働きたい人とは?

社長は、採用ではどんな人に魅力を感じますか?

前提として、真面目で誠実な人。そして素直な人ですね。仕事ができる、できない以前に、まずそこは大切だと思います。それに加えて、何かのリーダーを経験したことがある人には魅力を感じます。部活でも、ゼミでも、アルバイトでも何でもいいんです。

どうしてリーダー経験なんですか?

人をまとめるのは大変だからです。例えば部活でも、「絶対に勝ちたい」という人もいれば、「楽しく体を動かせればいい」という人もいる。一人ひとり考え方や温度差が違う中で、キャプテンはみんなをまとめていかないといけません。会社も同じです。将来、責任者になると、いろいろな人と一緒に仕事を進めていくことになります。その経験を学生時代に少しでもしている人は、社会に出てからも生きると思っています。

学生時代の経験は、会社の事業に関係していなくてもいいんですか?

全然関係なくていいですよ。アルバイトでも部活でも、自分で考えて何かやってみた経験が大事です。完璧な成功体験じゃなくてもいい。失敗しても、その時に何を考えて、どう動いたのか。そういう話を自分の言葉で聞きたいですね。

「これ、誰かやってくれない?」に手を挙げられる人

社長から見て、「この人は仕事ができるな」と思うのはどんな人ですか?

仕事ができるかどうかとは少し違うかもしれませんけど、好きなのは、誰かが「これやってくれないかな」と言った時に、「やります」と手を挙げる人ですね。すごく難しい仕事じゃなくてもいいんです。率先して動いてくれる。そういう人とは、一緒に働いていて気持ちがいいですよね。もちろん、何でもかんでも手を挙げればいいわけではないですが、「自分の仕事じゃないから」と線を引くのではなく、必要な時に一歩前に出られる。そういう姿勢は大事だと思います。

やりたい仕事が決まっていなくてもいい。まずは、いろいろな世界を知ること

取材した学生3人の中には、すでに目指している仕事がある学生もいれば、まだ業界や職種を決めていない学生もいました。

AIの発展によって「自分が目指している仕事は将来どうなるんだろう」と不安を感じている学生もいます。

そんな学生たちに対し、岡﨑建工の社員からこんな言葉がありました。

「今やりたいことが決まっているのも素晴らしい。でも、決まっていないからこそ、いろいろな会社や仕事を知っておくことも大切。知っている世界が増えれば、将来の選択肢も増えると思います」

今回参加した学生たちも、取材前は岡﨑建工について「建物を管理する会社」というイメージを持っていました。

しかし話を聞いていくと、公園、駅、街路樹、公共施設、清掃、イベント運営、ロボット、ドローン、3DCADと、想像以上に幅広い仕事があることを知りました。

会社名や業界名だけを見ていては、分からない仕事がたくさんあります。

学生が感じたこと

今回の取材で特に印象的だったのは、岡﨑建工の仕事が、想像以上に私たちの日常のすぐ近くにあったことです。

公園がきれいなのも、駅や施設を気持ちよく利用できるのも、そこを維持する人たちがいるから。

普段は意識することがない仕事だからこそ、話を聞いて初めて、その大切さに気づきました。

また、50年続く会社でありながら、清掃ロボットやドローン、動画マニュアル、3DCADなど、新しいものを積極的に取り入れていることも印象に残りました。

そして何より驚いたのは、社長自身が今も現場の講習に参加していることです。

「知らないまま指導するのではなく、自分が正しいやり方を学んでから伝える」。

その言葉から、立場に関係なく学び続ける姿勢の大切さを感じました。

就活というと、つい「自分に向いている仕事は何だろう」「有名な会社はどこだろう」と考えてしまいます。

でも今回の取材を通して、まずはいろいろな会社を知り、自分が知らなかった仕事に触れてみることも、就活の大切な一歩なのだと思いました。

街の中にある「当たり前」を、見えないところから支える。

岡﨑建工は、そんな仕事を50年間続けながら、次の時代に向けて新しい挑戦を続けている会社でした。

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